公務ネットニュースNO.1134(1/29)

運動への共感の広がりに確信を持ってたたかおう
= 臨時総会を開いて25春闘方針と要求を確立 =

 全労連公務部会・公務労組連絡会は1月29日、都内で臨時総会を開き25春闘にむけた運動方針と政府・人事院への要求を確立しました。
 総会には、5単産18地方組織からの代表、幹事会など総数68名が参加しました。活発な討論を通して、物価高騰のなか今こそ大幅賃上げを勝ち取ろうと意思統一しました。

自民党の悪政を終わらせるチャンス!

臨時総会 臨時総会は、宮下直樹公務労組連絡会副議長が開会あいさつし、総会議長選出後に主催者を代表してあいさつした桜井眞吾公務労組連絡会議長は、「衆議院で与党が過半数割れするなか、夏の参議院選挙を控える25春闘は、政治そのものを大きく変えていくチャンスだ」といっそうの奮闘を呼びかけました。

 来賓として全労連の秋山正臣議長、民間部会から岩城伸生協労連副委員長、日本共産党の塩川鉄也衆議院議員から、激励と連帯のあいさつを受けました。香月直之事務局長が25国民春闘方針案・要求案を提案、討論では14人が発言(別記)するもと、議案は満場一致で採決されました。

 その後、「25国民春闘アピール」(別掲)を採択し、浅野龍一副議長(国公労連委員長)が閉会あいさつし、日巻直映代表委員(郵政ユニオン委員長)の発声で団結ガンバローを三唱し、25春闘を意気高くたたかう決意を固めあいました。

【討論(要旨)】
(1) 富山公務共闘(準備会)
 地域手当について、一刻も早く再改正を求めていきたい。国会で教員の給特法の改訂がねらわれているが、時間外手当がないという根本的な問題が置き去りにされている。給特法を良いものにさせるために、今国会を「教育国会」として奮闘していきたい。

(2) 埼玉公務共闘
 地域手当見直しで東京都に人材流出し、自治体職場の人材確保が厳しくなってしまう。保育の公定価格にも影響することから、埼玉県と埼玉市の人事委員会に改善要求書を提出し、国会議員35名に対して要請書を送付した。

(3) 千葉県公務労組連絡会
 鳥インフルエンザの発生で、県庁職員が殺処分で忙殺されている。一方で、鳥インフルエンザを検査する4か所の衛生検査所を、2か所への統廃合がねらわれている。住民サービスの切り捨てを許さないために、職場からのたたかいで歯止めをかけていく決意だ。

(4) 長野県公務労組連絡会
 民間給与実態調査は、比較する企業規模が中小まで幅広く対象となっている問題がある。労働組合のない企業も含まれている。公務と民間が連携して、賃金水準引上げを要求に掲げ、全国的な取り組みで中高年層を含めた改善を強く求めていきたい。

(5) 静岡県公務共闘
 全国一律最賃の実現をめざすたたかいは、地域手当の支給率が自治体ごとに異なるという現状を変え、将来的には、地域手当を廃止して基本賃金に組み込むという展望を開くたたかいだ。そのためにも、全国すべての仲間が力を合わせていくことが重要だ。

(6) 大阪公務共闘
 昨年の人事院勧告は32年ぶりのベースアップと言われているが、30代後半で引き上げ率が官民較差の2.76%を割り込み、40代以降では1%台にとどまった。基本賃金の引き上げであるベースアップ要求の実現にむけて、たたかいを強めよう。

(7) 滋賀公務共闘
 賃金上昇に連動して指定管理料を増額する「賃金スライド制度」が、県内では草津市で初めて導入される。滋賀自治労連では県労連と共同して制度導入を求めてきた。管理料の増額分を賃金に適切に反映させるためにも、労働者の組織化をすすめたい。

(8) 山口県公務共闘
 昨年12月に非正規公務員の労働相談ホットラインを実施した。残念ながら相談件数は少なかったが、公務職場の非正規労働者の賃金・労働条件の改善を社会的にアピールするためにも、こうした活動をがんばって継続していきたい。
 
(9) 日本医労連 原英彦副委員長
 診療報酬の抑制、コロナ支援金の打ち切りなどで、夏季一時金、年末一時金の大幅なカットが全国的に起こった。どうしても負けられない25春闘という想いで、回答日翌日の統一ストライキを構えてたたかう方針を確認している。
 
(10) 郵政ユニオン 谷川紀子中執
 最低賃金を引き上げるため、本部・地本が一体になって自治体への働きかけ、意見陳述等に取り組んできた。24春闘で時給制契約社員の賃上げがゼロ回答となるなか、今春闘もストライキを背景に、すべての社員の大幅な賃上げを求めたたかう。

(11) 自治労連 山本民子中執
 昨年4月に診療報酬の改定があったが、一方では看護師の離職に歯止めがかからず、欠員状態で病床閉鎖を余儀なくされている公立病院も多い。全国どこでも同レベルの医療や介護が受けれるということが、憲法がかかげる社会保障の理念だ。
 
(12) 自治労連 前田博史副委員長
 昨年は4つの県本部が増勢に転じた。労働組合が要求を前進させてきたことが背景にある。労働組合の活動が職場の隅々に伝わっているかがポイントだ。組織拡大をはじめ運動への結集を豊かにするため、25春闘では対話と学びあいを大いに進めていく決意だ。
  
(13) 国公労連 笠松鉄兵書記長
 8月の人事院勧告から4か月以上も、勧告の取り扱いが店ざらしにされてきた。労働基本権剥奪のもと勧告制度の構造的欠陥が明らかとなっている。労働条件改善と労働基本権を結んだ職場学習をひろげ、すべての国公労働者を対象に組織拡大を進めていきたい。

(14) 全教 板橋由太朗中執
 非正規の会計年度任用職員の加入が進むもと、組合員の増勢を実現した。スクールカウンセラー雇い止め問題で相談会を開くなど、丁寧に要求をつかみ対話をしたことが加入につながっている。現場の願いを反映した教育予算の実現へ、25春闘で奮闘していきたい。

以 上


25国民春闘アピール

 本日、私たちは臨時総会を開催し、25年国民春闘方針を確立した。
 日本の労働者は、賃上げが物価上昇に追いつかず、生活悪化がすすんでいる。一方、大企業の内部留保は約553兆円にも達している。内部留保の一部を賃金や国民生活にまわし、中小企業の価格転嫁に応じるなど、大企業に社会的責任を果たさせれば、大幅賃上げは十分可能である。

 すべての労働者の生活改善につながる大幅賃上げ、全国一律最賃制と今すぐ時給1500円、労働時間短縮、労基法解体阻止、公共の再生と社会保障の充実、ジェンダー平等推進などの切実な要求をかかげ、その実現にむけて職場や地域で諸行動を展開しよう。

 公務職場では、機械的な定員削減に慢性的な欠員が加わり、際限のない長時間労働が横行している。心身の健康を害し、休職や退職に追い込まれる仲間も後を絶たない。「公務の魅力」を取り戻すためにも、ゆとりある人員体制の実現とともに、すべての公務労働者の大幅賃上げ、世代や性別、地域、職種などのあらゆる格差を解消する賃金改善で、誰もが誇りを持って働き続けられる職場を実現しよう。

 同時に、公務職場を支える非正規公務員が雇用不安と不合理な格差のなかで働いている。「3年目公募」の制限撤廃や、病気休暇の有給化など当事者と労働組合の共同の力で勝ち取った成果を確信にしながら、非正規公務員の無期雇用化・正規化と均等待遇を必ず勝ち取ろう。

 さらに、政府には、ILO勧告にもとづく労働基本権回復にむけた労使協議を直ちに開始することを強く求める。

 今も続く国際法違反のロシアのウクライナ侵攻などの無差別殺戮に対して憲法9条をもつ日本の政府として即時停戦と対話による解決にむけて積極的に働きかけるべきである。昨年の臨時国会で成立した補正予算には、能登半島の復旧・復興費の3倍にもなる8千億円超の軍事費が計上された。さらに25年度予算案には8兆7千億円もの軍事費が盛り込まれ、違憲の敵基地攻撃能力の保有などアメリカ言いなりの大軍拡・「戦争国家づくり」の加速が狙われている。また、民意を無視して進められる辺野古新基地建設は、大浦湾に広がる軟弱地盤の改良工事が本格化している。

 昨年、日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、広島・長崎への原爆投下から80年を迎える。武器や戦争では、国民の平和や安全は守れない。莫大な軍事費を国民生活にまわし、能登半島地震・豪雨被災地の復旧・復興を急ぐとともに、消費税減税・インボイス廃止、医療・介護・保育・年金など社会保障の充実、教育費無償化など、公務・公共サービス、教育の拡充をはかるべきである。

 この間、全国の公務の仲間は、度重なる災害への対応、国民のいのちやくらし、教育を守るために現場で奮闘し、公務に対する信頼や理解を広げてきた。そして、公務労働者の大幅賃上げ、長時間労働の解消、非正規公務員の差別的な処遇の改善などを求める私たちの運動は、マスコミも注目し、共感や世論を広げ、政治や行政を大きく動かしてきた。
 このことに確信をもち、25国民春闘で労働者の諸要求実現、国民が主人公の政治への転換をめざして、すべての職場と地域から全力で奮闘しよう。

2025年1月29日

全労連公務部会第34回・公務労組連絡会第68回臨時総会

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