切実な要求に何ら答えない不満な回答

= 19年春闘要求で政府・人事院と最終交渉 =

 公務労組連絡会は3月25日、2月に提出した19春闘統一要求に対する政府・人事院からの最終回答を引き出しました。
 政府・人事院ともに2月に提出した春闘統一要求書への具体的な回答はなく、最終交渉では、あらためて要求の前進を求めて厳しく追及しました。
 回答を受けて、公務労組連絡会は 幹事会声明(別掲) を発表しました。

(政府・内閣人事局交渉)

定年年齢の引き上げは引き続き検討を重ねて結論を出す


内閣人事局交渉 政府・内閣人事局との交渉には、公務労組連絡会から猿橋均議長を先頭に、中村副議長、秋山事務局長、米田・杉本事務局次長、森幹事と松井書記が参加し、内閣人事局からは岡宏記総括参事官補佐らが対応しました。

 猿橋均議長が政府・内閣人事局の最終回答を求め、岡宏記総括参事官補佐は次のように回答しました。

【政府最終回答】
● 平成31年度の給与については、本年の人事院勧告も踏まえ、国政全般の観点から検討を行い、方針を決定してまいりたい。その際には、皆様とも十分に意見交換を行ってまいりたい。

● 非常勤職員の処遇改善については、民間における同一労働同一賃金の実現に向けた取組等も踏まえながら、引き続き皆様のご意見も伺いつつ、各府省申合せに沿った処遇改善が着実に進むよう、関係機関とも連携して、必要な取組を進めてまいりたい。

● 長時間労働の是正については、超過勤務命令を行うことができる上限の時間を設定するなどの制度改正を踏まえ、職員の勤務時間管理等、同制度の適切な運用をはかってまいりたい。
 また、政府一丸となって、全ての職員が存分に能力を発揮できる環境づくりに努めるとともに、引き続き、皆様のご意見も伺いつつ、実効ある施策を推進してまいりたい。

● 障がい者雇用については、障害者が意欲と能力を発揮し、活躍できる環境の整備や、職員の理解促進に取り組んでまいりたい。

● 国家公務員の定年の引上げについては、人事院の意見の申出も踏まえ、引き続き更なる検討を重ね、皆様のご意見も十分に伺いつつ、結論を得てまいりたい。

● 自律的労使関係制度については、多岐にわたる課題があることから、皆様と意見交換しつつ、慎重に検討してまいりたい。

● 今後とも公務能率の向上と適正な勤務条件の確保に努めるとともに、安定した労使関係を維持する観点から、職員団体とは誠意を持った話合いによる一層の意思疎通に努めてまいりたい。
 なお、その他の課題については、前回(3月15日)、私から申し上げたとおりである

きわめて不満な回答内容 あらためて内閣人事局を追及

 これに対し、「具体的な回答がなく極めて不満」と述べたのち、秋山事務局長以下参加者がおもに次のように追及しました。

○ 統一要求で示した23000円以上への引き上げは、組合員の生活改善に不可欠なものだ。公務員賃金の社会的影響力もふまえ、政府主導による賃上げが必要だ。初任給の水準引き上げも待ったなしの課題だ。人材確保にも多大な影響を与えており、民間初任給と比較しても相当低い初任給を大幅に引き上げるよう求める。手当では、住居手当を較差外として改善すること、通勤手当の上限額を引き上げることを強く求める。

○ 臨時・非常勤職員の公募要件の撤廃、労働契約法に基づく雇用の無期転換、夏季休暇と有給病気休暇の制度化を強く求める。予算を確保するのが使用者としての責任であり、予算の都合で労働条件が確保されないというのは許されないと。

○ 定員削減計画の策定には反対である。障がい者を含めて誰もが安心して働ける、気兼ねすることなく休むことができる体制を確立するよう求める。

○ 定年の引き上げは、同じ仕事なのに年齢だけを理由として賃金水準が下げられることは絶対に認められない。労働組合との協議を行い、合意のもとで進めることが必要。

○ ILO勧告をふまえて、労働基本権の回復に向けた労働組合との真摯な検討・協議が必要だ。能力・実績主義の弊害が出ていることを真摯に受け止め、人事評価制度の見直しにむけた協議を求める。

 その他、勤務時間の適正な管理、不妊治療に関わる休暇制度創設、あらゆるハラスメント根絶などについて、要求実現をねばり強く求めました。
 最後に、猿橋議長が「総人件費抑制策はやめ、賃金引き上げを行う政策へ転換することが必要だ。臨時・非常勤職員の処遇改善に必要な予算の確保を求める」とのべ、あわせて定年延長にむけて労使が議論できるよう、すみやかに方針を示すよう求めて交渉を終えました。

(人事院交渉)

「ベアはあるが昨年を下回る企業は多い」と民間動向に固執

人事院交渉 人事院との交渉は、給与局第一課本田英章課長補佐と職員福祉局職員福祉課植田有佐課長補佐が対応しました。
 人事院側は次のように回答しました。

【人事院最終回答】
 本年の民間の春闘については、今月13日の集中回答日以降、順次回答が行われており、ここまでの状況をみると、月例賃金については、昨年に引き続き、多くの企業でベースアップを行うこととしているものの、その額についてみると、自動車、電機等の大手企業を中心に昨年を下回る企業が多くなっている。また、一時金については、昨年と比べ増額とした企業もあるが、減額や業績連動としている企業もある。
  人事院としては、引き続き中小企業を含めた民間の動向を注視していきたいと考えている。
  本日は、皆さんからの要求等に対する現段階における人事院の考え方等について、回答させていただく。

● 人事院としては、労働基本権制約の代償措置としての勧告制度の意義及び役割を踏まえ、情勢適応の原則に基づき、必要な勧告を行うことを基本に臨むこととしている。

● 俸給及び一時金については、国家公務員の給与と民間企業の給与の実態を精緻に調査した上で、その精確な比較を行い、適切に対処してまいりたい。

● 諸手当については、民間の状況、官民較差の状況等を踏まえ、必要となる検討を行ってまいりたい。
  住居手当については、公務における実態や民間の状況等を踏まえ、宿舎使用料の引上げも考慮して、勧告に向けて、職員団体の皆さんの意見も聴きながら必要な検討を行ってまいりたい。

● 長時間労働の是正に関し、先般、超過勤務命令の上限時間の設定、上限時間を超えた場合の要因の整理分析、職員の健康確保措置の強化などを内容とする人事院規則の改正を行い、本年4月1日から施行することとしている。
  長時間労働の是正は、政府全体で取り組む必要のある重要な課題であり、人事院としても、必要に応じて制度の運用状況を把握し、各府省を指導していくなど、引き続き適切に役割を果たしてまいりたい。

● 両立支援制度を含む職員の休暇、休業等については、これまで民間の普及状況等を見ながら改善を行ってきたところであり、引き続き、職員団体の皆さんの意見も聴きながら必要な検討を行ってまいりたい。

● 非常勤職員の給与については、平成29年7月に改正した指針の内容に沿った適切な処遇が図られるよう、引き続き取り組んでまいりたい。
 非常勤職員の休暇については、民間における措置の状況等を見ながら、引き続き適切に対応してまいりたい。

● 定年の引上げについては、人事院としては、定年の引上げの実現に向け各施策の必要性等の理解の促進に一層努めるとともに、政府における検討に際して、必要な協力を行うこと等を通じて、その責任を適切に果たしてまいりたい。

● 再任用職員制度について、民間企業における定年制や高齢層従業員の給与の状況、各府省における再任用制度の運用状況を踏まえつつ、引き続き再任用の給与の在り方について必要な検討を行ってまいりたい。

● 今般の障がい者雇用問題に関しては、政府一体となった対応が進められており、人事院としても、第1次選考を人事院が統一的に行う障がい者選考試験を本年2月に実施したほか、フレックスタイム制の柔軟化等を実現するための人事院規則等の改正や、「合理的配慮に関する指針」の発出等の措置を行ったところである。各府省に対して、引き続き適切に対応するよう必要な指導を行ってまいりたい。

● 女性の活躍推進については、人事院としては、女性の活躍推進を人事行政における重要な課題の一つと認識しており、女性の採用・登用の拡大や両立支援策の拡充など様々な施策を行ってきているところである。
 引き続き、女性を対象とした人材確保活動や女性職員の登用に向けた研修、両立支援施策等により、各府省の取組が進むよう支援してまいりたい。

● 心の健康づくりをはじめとした健康管理対策やハラスメント対策の推進については、公務全体の共通の課題として、これまでも各府省と協力して積極的に取り組んできたところである。
 セクシュアル・ハラスメントの防止については、外部の者からの相談窓口を人事院に設置することや、幹部職員、課長級職員への研修実施の義務化などの措置を講じることを予定しているところである。また、公務職場におけるパワー・ハラスメント防止対策について検討するため、有識者による検討会を設置し、その第1回の会議を3月11日に開催したところである
  人事院としては、引き続き健康安全対策の取組を進めてまいりたい。

臨時・非常勤職員の処遇改善へ政府を後押しせよ


 人事院の最終回答に対し、「具体的な回答がなく不満」と表明しつつ、政府・内閣人事局交渉で指摘したことと同様の観点から、賃金・労働条件の改善などにむけた諸課題にかかわって、人事院としての責任を厳しく追及しました(内容は省略)。

 最後に、猿橋議長が「人事院の本来の役割をふまえ、権利を制約されている公務員労働者の権利向上に努力すべき。臨時・非常勤職員の処遇改善からにむけて、必要な予算を確保すできるように、使用者である政府を後押しせよ」とのべ、交渉を終えました。

以 上