19年春闘最終回答への幹事会声明


大幅賃上げで生活改善を!定年引き上げで雇用と年金の接続を!
2019年春闘要求に対する政府・人事院の最終回答を受けて(声明)


2019年3月25日
公務労組連絡会幹事会

1、公務労組連絡会は、2019年春闘統一要求の実現をめざして本日25日に人事院及び政府・内閣人事局との最終交渉を行った。

 最終回答の内容は、「民間給与との精確な比較を行い、必要な勧告を行う」(人事院)、「人事院勧告も踏まえ、国政全般の観点から検討を行い、方針を決定」(内閣人事局)など、公務員労働者の生活と労働の実態にもとづく切実な要求に対し、具体的に答えないきわめて不満なものにとどまった。

2、公務労組連絡会は、春闘アンケートに示された23,000円以上の賃上げ要求を掲げ、公務労働者を含む正規・非正規すべての労働者の賃金改善を求めてきた。また、公務職場の最低時間額を1,000円以上に引き上げ、最低賃金を下回ることがないようにすることを強調してきた。

 加えて、臨時・非常勤職員の均等待遇の実現、国の非常勤職員の公募要件の撤廃、長時間・過密労働につながる定員削減計画の策定中止、定員増などを求めた。さらに、定年引上げにかかわっては、公務労組連絡会と速やかな協議と合意のもとに進めることを求めた。

 しかし、最終回答は要求を真摯に検討したものとは言えず、使用者としての内閣人事局の責任、労働基本権制約の「代償機関」としての人事院の責任を果たしていないことをきびしく指摘する。

3、公務労組連絡会は、全労連・国民春闘共闘に結集して、36万枚の公務ビラも活用した2月の地域総行動への結集をはじめ、大幅賃上げの実現をめざす諸行動や3月14日山場での職場集会やストライキ行動の支援など、官民一体の春闘を展開してきた。

 消費税増税を見越した生活関連物資の値上げが次々と行われているもと、大幅賃上げを求める切実な声が高まっている。しかし、売上高・営業利益とも日本最大の企業であるトヨタがベアを公表しないほか、連合の個別賃金方式への転換により、産別統一要求が事実上崩壊したところもあり、多くの大企業の回答は前年を下回る低額にとどまった。

 一方、国民春闘共闘傘下の組合では、実質賃金の低下分を上回るベア回答の引き出しに向け、たたかいが継続されている。引き続き国民春闘共闘は、職場と地域から生活改善できる賃上げを求めて粘り強いたたかいを展開している。

4、公正・中立であるべき行政がゆがめられ、政府に対する信頼が失われる異常事態となっている。交渉でも指摘したが、公正・中立性をゆがめた公務員制度や人事政策の問題点を再検討し、労働基本権の回復をはじめ全体の奉仕者としての民主的な公務員制度を確立しなければならない。

 2019年春闘で掲げた諸要求は、引き続き人事院勧告や来年度予算にむけた今後のたたかいの課題となる。さらに、定年引上げは待ったなしの課題であるとともに、公務労働者の労働条件と将来設計にもかかわる重大な問題であり、誠実な交渉・協議を求めていく。

 公務労組連絡会は、粘り強くたたかっている民間労組の闘争支援と一体で、安倍政権による憲法改悪を許さない国民共同のたたかいを強化する。同時に、行政の民営化や定員削減など総人件費削減政策の転換と国民・住民本位の公務・公共サービスの拡充をめざして引き続き奮闘するものである。

以 上