【全人連青山佾(やすし)会長からの回答】
4月11日の要請につきましては、全国の人事委員会にお伝えしたところです。
最近の経済状況を見ますと、去る4月25日に発表された政府の月例経済報告では、「景気は、 一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」とし、「世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下揺れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、供給面での制約、融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある」としています。
本年の春季労使交渉では、労働組合の要求どおりの満額回答など高い水準の回答が出ていますが、大手企業を中心とする前向きな回答がエネルギーや原材料の価格が高騰して厳しい経営環境に直面している中小企業にどのように波及するかが焦点であると考えられます。
中小企業ではまだ多くの企業で労使交渉が続いており、春季労使交渉の結果が 公民較差や特別給の状況に影響を与えることから、今後の行方を注意深く見てまいります。
こうした民間における賃金の状況を的確に把握するため、毎年、各人事委員会は、人事院と共同で民間給与実態調査を行っており、本年の調査期間は4月24日から6月16日までとしております。
この度、要請のありました個々の内容は、各人事委員会において、調査結果や各自治体の実情のほか、社会経済の動向等を踏まえながら、本年の勧告に向けて検討していくことになるものと思います。
私ども人事委員会の重要な使命は、中立かつ公正な第三者機関として、公務員の給与等の勤務条件について、社会情勢に適応した、適正な水準を確保することであると認識しております。
全人連といたしましては、今後も各人事委員会の主体的な取組を支援するとともに、各人事委員会や人事院との意見交換に努めてまいります。