「賃上げの大波をつくっていこう」決意固め合う

= 臨時総会を開き23春闘方針・統一要求を確立 =

 全労連公務部会・公務労組連絡会は2月1日、東京都内で臨時総会を開き23春闘勝利にむけた運動方針と「25,000円以上の賃上げ」をはじめとする統一要求を確立しました。
 臨時総会は、6単産・25地方組織からの代表など総数80名がオンラインを併用して参加しました。活発な討論を通して、物価高騰のなか今こそ大幅賃上げをめざそうと意思統一しました。

非正規公務員の処遇改善に確信

臨時総会

 臨時総会は、九後健治公務部会代表委員が開会あいさつし、主催者を代表して公務労組連絡会の桜井眞吾議長は、「3年のコロナ禍のもと、非正規雇用やケアワーカー、女性労働者は低賃金のままにおかれている。今こそ、賃上げの大波をつくっていこう。その決意を固める臨時総会にしよう」と呼びかけました。

 来賓として出席した全労連の小畑雅子議長、民間部会から全労連・全国一般の林博義副委員長、日本共産党の井上哲士参議院議員から激励・連帯のあいさつを受けました。その後、香月直之事務局長による23国民春闘方針案の提案をうけた討論では、6単産・8地方組織から15人が発言(別記)、春闘方針は統一要求案とともに満場一致で採決されました。

 臨時総会は、「23国民年春闘アピール(別掲)」を採択し、日巻直映代表委員の閉会あいさつ、会場・オンライン参加者が一体となった団結ガンバロー三唱で締めくくり、今春闘を意気高くたたかう決意を固めあいました。

【討論(要旨)】
(1)  長野県自治労連

 物価上昇に対応した臨時勧告が必要だ。比較企業規模の改善、地域手当の廃止、寒冷地手当の改善を求める。地域手当は大企業と中小企業との格差の現れであり、地域別最賃の格差にもつながっている。エネルギー価格急騰の今こそ寒冷地手当の増額を。

(2)  東京地評公務部会
 春闘から人事院勧告に至るまで、年間を通して官民一体で共闘している。今年は円安物価高騰のなか、商店街、町会、婦人部、零細飲食店等からは商売をやっていけない状況が窺える。ともに運動に参加し訴えればお互いに理解もひろがる。

(3)  高知県公務労組連絡会
 毎月1回の幹事会で今春闘の取り組みを検討し、今月は初めての街頭宣伝を予定している。今春闘のカギの一つはジェンダー格差の解消だ。学習資材なども活用して、仕事でも組合活動でもジェンダー平等の取り組みを進めていく。

(4)  公務労組九州ブロック
 通勤手当の全額支給を求めて、署名等のとりくみをすすめている。先進諸国で日本は最低賃金が低く、そのなかでも九州は最低レベルになっている。全国知事会・経済団体にも要請し賃上げを求めていきたい。

(5)  国公労連(笹ヶ瀬亮司中央執行委員)
 勤務時間にかかわる人事院の研究会では、柔軟な働き方等の3つの観点で国公労連の意見が反映。今年の夏頃の研究会の最終報告にむけて、国公労連として運動を進めていきたい。

(6)  宮城公務関連共闘
 県が主導して東北労災病院、仙台赤十字病院、県立がんセンターなどを再編する計画がすすんでいる。全く違う経営主体の病院が一緒になる全国に類を見ない計画だ。組織拡大とも結合しながら地域医療を守り23春闘で奮闘する。

(7)  富山県公務共闘(準備会)
 地域手当の本俸繰り入れとセットで全国一律最賃を求めていく。組合活動の「バージョンアップ」にむけた具体化が大事。今までやってきたことをしっかりやっていこうということだと認識している。

(8) 自治労連(嶋林弘一中央執行委員)
 自治体では、正規から非正規へ4割が置き換えられてきた。非正規は女性が8割であり、ジェンダー問題でもある。公務から最低賃金を上げ、住民のいのちとくらしを守ろう。

(9) 郵政ユニオン(谷川紀子中央執行委員)
 ある女性組合員は20年以上勤務し、月給制契約社員から無期雇用への転換を実現した。今春闘では、物価高騰を超える賃上げと非正規社員の均等待遇実現を強く要求していく。3月には非正規署名を提出する。

(10)  全教(有馬理江子副委員長)
 教職員の1年単位の変形労働時間制導入反対の運動を繰り広げ、11道府県1政令市しか条例化を許していない。給食無償化の動きがすすんできたが、マイナンバー取得を条件にとする自治体も出てきた。傍観する総務省の態度に憤りを感じる。

(11)  自治労連(小山国治副委員長)
 自治労連は憲法大運動を掲げ、「つかむ・たちあがる・つながる」というキーワードを定着させ、学習し行動し署名から地域住民とつながり運動を広げる。「新しい戦前」を完成させないために、経済闘争と政治闘争を合わせてたたかう先頭に立つ決意だ。

(12) 山口県公務共闘
 山口県の最低賃金は888円と全国で26番目で、会計年度任用職員の時給はこれとほぼ同額。最賃引き上げに春闘時期から主体的に取り組む。歴史に学んで展望と確認をもって23春闘をたたかいたい。

(13) 岡山県公務共闘
 岡山県労会議で勉強会を実施、弁護士から「労働者と経営者は対等の立場なのだからたたかいなさい。たたかわないと賃上げできない」と叱咤激励された。岸田首相が異次元の少子化対策というなら、若者の大幅な賃上げが必要不可欠だ。

(14) 佐賀県公務労組連絡会
 昨年の結成総会での組合旗進呈に感謝する。結成後の活動は、定例幹事会、県労連と共同した宣伝行動などを実施している。国立東佐賀病院の統廃合反対等の宣伝や、労働局への要請行動など独自の運動で奮闘したい。

(15) 日本医労連(佐々木悦子委員長)
 粘り強い運動で政府もケア労働者の賃上げに着手せざるを得ない状況をつくりだしてきた。コロナが長引く今だからこそ、医療従事者が働き続けられるために大幅賃上げが必要。今春闘では、月額4万円以上、時給250円以上の実現へ奮闘する決意だ。

以 上

2023国民春闘アピール

 3年に及ぶ新型コロナウイルス感染症拡大のもと、より良い公務公共、教育の実現のために昼夜を違わず奮闘し続けてきたすべての仲間に敬意を表する。
 全労連公務部会・公務労組連絡会は本日、全労連公務部会第30回・公務労組連絡会第64回臨時総会を開催した。そして、すべての労働者の大幅賃上げと雇用確保、公務公共サービス・教育の拡充、国民の権利保障・ジェンダー平等の実現、改憲・大軍拡・大増税を許さず、住民が主人公の政治を実現させる、などを柱とする2023年国民春闘方針を確立した。

 円安と物価高が労働者・国民のくらしを直撃している。エネルギー価格や食料品などの価格が上昇し、40年ぶりの物価高となっている。一方で大企業が貯め込んだ「内部留保」は過去最高の505兆円に達している。

 23国民春闘は、まさに物価高騰から労働者・国民の生活を守る春闘である。私たちは、大企業に対し、その社会的責任を果たし、格差と貧困をなくすために、内部留保を取り崩し、賃金引き上げに舵を切ることを強く求める。同時に、全労連・国民春闘共闘が提起する「公務員労働者の大幅賃上げを求めるキャンペーン」に積極的に結集し、公務労働者として23国民春闘を主体的に闘うことを全ての仲間に呼びかける。

 新自由主義は、公務公共の民営化、公務労働者の削減や非正規化を強行してきた、その結果、国民のいのちやくらしの破壊、権利の後退をもたらしてきた。さらに地方行政に企業参入を促す「デジタル田園都市国家構想」や水道事業民営化を進めようとしている。私たちは、公務公共サービス、教育の拡充を求める広範な国民との共同の取り組みをいっそう強化する。

 岸田政権は、憲法違反の「敵基地攻撃能力」の保有などを新たに記した「安保3文書」を国会での議論もないまま閣議決定し、軍事費倍増を強行しようとしている。その財源として、医療・社会保障予算や公務員人件費の削減などの「歳出改革」と消費税・所得税の大増税が狙われている。しかし多くの世論調査結果が示すように国民の理解はまったく得られていない。

 いま政治がなすべきは、公務公共サービスの拡充でコロナ禍や物価高騰から国民生活を守ることである。同時に、唯一の被爆国である日本が憲法9条にもとづく平和外交を積極的に展開することが世界から求められている。

 この間、全労連公務部会・公務労組連絡会が取り組んできた、長時間労働解消と人員増、非正規公務員の雇用の安定と処遇改善を求める運動は、マスコミ等でも大きく取り上げられ、世論化され、政治や行政を確実に前に動かしてきた。このことに確信を持とう。

 職場で働く仲間の切実な要求をさらに前進させるためには、労働組合を強く大きくし、その社会的影響力を広げることが不可欠である。すべての職場のすべての仲間との対話をすすめ、労働組合に迎え入れよう。

 国民の要求と私たちの要求が一致する今こそ、職場の要求と国民の要求を大切にし、全労連公務部会・公務労組連絡会が一体となって運動を強めよう。大幅賃上げ・底上げの実現、特に非正規公務員、女性の賃上げにスポットをあて、格差の是正、均等待遇を要求しよう。公務公共サービス、教育を拡充させよう。統一地方選挙では住民と公務労働者の要求実現、大軍拡・大増税阻止の立場から大いに奮闘しよう。

 全労連・国民春闘共闘・地域労連に結集し、国民とともにとりくむ23国民春闘を展開しよう。
 以上宣言する。

 2023年2月1日

全労連公務部会第30回・公務労組連絡会第64回臨時総会