宮下副議長は要求書提出にあたって、「3年ぶりの改善となる勧告が出されたが、物価上昇にも満たず、不十分なものとなった。政府は、勧告の範囲でとどまるのではなく、第一線現場を支えている多くの職員の労苦に応えるとともに、人事院勧告が直接影響する770万人の労働者への影響をふまえて、国民生活を守る立場からも賃金改善を図るべきだ」とのべました。
これに対して、森田総括参事官補佐は、以下の通りのべました。
● 昨日、人事院から給与改定に関する勧告が提出されました。これを受けて、その取扱いの検討に着手したところです。
● 国家公務員の給与については、国家公務員の労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立ち、国政全般の観点から、その取扱いの検討を進めてまいります。
その過程においては、皆様方の意見も十分にお聞きしたいと考えています。
● 給与以外の要求事項についても、しかるべき時期に回答を行いたいと考えております。
宮下副議長は、勧告の取り扱いの検討にあたっては、公務労組連絡会との引き続く誠意ある交渉・協議を求めて、要求書提出にあたっての交渉を終えました。
財務大臣に対する要求書提出では、秋山事務局長が要求書の重点などを説明、対応した主計局給与共済課の高田給与調査官は、「財務省としては、人勧制度を尊重することが基本姿勢である。今後、国民の理解を得られるよう各省と議論を進めていきたい」とのべました。
また、厚生労働大臣への要求書提出では、厚生労働省の大塚弘満労使関係参事官は、「いただいた要請については、関係部署に伝え共有する。人勧は3年ぶりに本俸・一時金が改善されるものと承知している。人勧制度は、基本権制約の代償措置であると認識しており、尊重することが基本的立場である。一昨日給与関係閣僚会議が行われ、各省との議論が始められた。早期実施に向け、国民の理解が得られるよう対応を図っていきたい」とのべました。
要求書の実現に向けて、財務大臣および厚生労働大臣が給与関係閣僚会議の一員としての役割を果たすよう求め、要求書提出を終えました。
総務大臣に対する要求書提出は、公務労組連絡会から吹上事務局次長、西幹事、自治労連から嶋林中執が参加しました。総務省は公務員課の長田補佐、給与能率推進室の神谷補佐ほかが対応しました。
吹上事務局次長が要求書の重点をのべ、自治体の自主性・主体性を尊重した賃金・労働条件決定の原則を堅持し、国の水準・制度を押しつけないことや、会計年度任用職員や非常勤講師の賃金改善、学校現場の深刻な教員不足の抜本的な解消などを求めました。
長田補佐は、「地方公務員の賃金労働条件は住民の理解と納得が得られることが大事だ。会計年度任用職員の一時金については検討すべき課題であり、自治体の意見を聞いたうえで対応を考えたい」とのべました。