【全人連青山佾(やすし)会長からの回答】
4月13日の要請につきましては、全国の人事委員会にお伝えしたところです。
最近の経済状況を見ますと、去る3月25日に発表された政府の月例経済報告では、「景気は、 持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さがみられる」とし、「原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要がある。また、感染症による影響を注視する必要がある」としています。
本年の春季労使交渉では、自動車や電機の大手企業などで労働組合の要求どおりの満額回答が出ていますが、原油価格の高騰やウクライナ情勢などにより企業の経営環境に不透明感が強まっており、大手企業を中心とする前向きな回答が中小企業にどのように波及するかが焦点であると報道されています 。
中小企業ではまだ多くの企業で労使交渉が続いており、春季労使交渉の結果が 公民較差や特別給の状況に影響を与えることから、今後の行方を注意深く見てまいります。
こうした民間における賃金の状況を的確に把握するため、毎年、各人事委員会は、人事院と共同で民間給与実態調査を行っており、本年も概ね例年どおりの日程で準備を進めているところです。
この度、要請のありました個々の内容は、各人事委員会において、調査結果や各自治体の実情のほか、社会経済の動向等を踏まえながら、本年の勧告に向けて検討していくことになるものと思います。
私ども人事委員会の重要な使命は、中立かつ公正な第三者機関として、公務員の給与等の勤務条件について、社会情勢に適応した、適正な水準を確保することであると認識しております。
全人連といたしましては、今後も各人事委員会の主体的な取組を支援するとともに、各人事委員会や人事院との意見交換に努めてまいります。