公務ネットニュースNO.1128(9/25)

悪政への怒りを結集し、自民党政治を変えよう
= 公務労組連絡会・公務部会が定期総会を開催 =

 公務労組連絡会・全労連公務部会は9月25日に定期総会を開催し、次年度の運動方針と役員体制を確立しました。加盟単産の代議員24名と地方組織から16名、役員などを含めて72名が参加し熱心に議論しました。

住民に寄り添い公務の魅力を取り戻そう

定期総会 総会では、公務部会の九後健治代表委員の開会あいさつにつづいて、金井裕子代議員(全教)、前田博史代議員(自治労連)を議長団に選出しました。主催者あいさつに立った公務労組連絡会の桜井眞吾代表議長は、「自民党の総裁選挙が行われているが、変えるべきは総裁ではなく自民党政治。総裁選後には総選挙が予想されるなか、悪政への怒りを国民と共有して政治を変えよう」と呼びかけました。

 来賓として、全労連の黒澤事務局長、全労連民間部会から岩城生協労連副委員長、日本共産党の塩川鉄也衆議院議員が駆けつけ、連帯・激励のあいさつを受けました。香月直之事務局長の運動方針案の提案をうけた討論では、7単産・5地方組織の14名から発言(別掲)がありました。

■討論(要旨)
○ 山口県公務共闘
 自治体キャラバンで、会計年度任用職員や再任用職員の処遇改善などを要請してきた。多くの自治体で、要求と運動が確実に前進している。地域手当のたたかいは最賃引上げの運動と一体でとりくみ、地域からの切実な声をあげていく。

○ 富山県公務共闘(準)
 再任用職員の生活を改善するために、とりわけ扶養手当の支給が求められている。定例でおこなっている全人連への要請は、いっそうの充実を。『対話と学びあい』の実践を、組織全体にひろげることが重要となっている。

○ 滋賀公務共闘
 地域手当の切り下げを許さないために、情勢を学ぶ学習会を緊急に開催した。最賃闘争のように、地域手当のとりくみも、記者会見で世論を喚起するとともに、自治体を動かす社会的な運動に発展させてきた。

○ 大阪公務共闘
 6月に『公共を国民・住民の手に取り戻すシンポジウム』を開催した。医療確保の問題やライドシェアなども話題になった。長時間労働や評価制度による労働者の分断から、人間性を回復することが、公共再生のカギになることが明らかになった。

○ 長野県公務労組連絡会
 寒冷地手当の支給対象地域からの除外は、到底納得できるものではない。人事院は「積雪ゼロ」などというが、雪下ろしの助成制度もある地域。職場で団結署名にとりくむなど人事委員会への追及を強める決意だ。

○ 日本医労連・原副委員長
 切実なケア労働者の賃上げを求めて、スト権を確立し、24春闘をたたかった。秋のたたかいでも、診療報酬の再改定を求めていく。要求実現のためにも、未加入者との対話を重ね、組織拡大に全力をあげる。

○ 全教・波岡副委員長
 『教育の集い』を開催。学びあいと交流を深めることができた。『教育大運動1741』で地域ごとに保護者、教職員、子どもたちとともに教育を良くする運動にチャレンジしている。10月に都内で集会を開き、銀座パレードでアピールする。

○ 全教・檀原(だんばら)書記長
 教育現場の危機的状況が社会問題に。教職員の増員と長時間労働の解消のためには教育予算の増額が必要。中教審答申に対し現場からは怒りの声が。教員給与特措法の改正を求めて、全国各地で街頭宣伝行動などでたたかう決意だ。

○ 特殊法人労連・藤井副議長
 『ニセ行革』を許さず、国民のための事業の実現と組合員の雇用確保を求めて、たたかってきたが、特殊法人労連は9月で34年の歴史に終止符を打つこととなった。今後は、争議組合の支援や各単組の要求実現のために尽力したい。

○ 国公労連・笹ヶ瀬中執
 24人勧は33年ぶりの高い水準と報じられる一方、年代による不公平感は高まっている。地域手当の見直しや寒冷地手当の支給対象除外も、大きな問題だ。一方的な不利益変更を許さず、労使対等の交渉制度を実現するうえで、労働基本権回復は不可欠だ。

○ 自治労連・嶋林中執
 地方人事委員会勧告は、国に右にならえが多い。しかし、地方自治体としての給与制度、地域手当をどうするのか、厳しく問われている。行政を歪める能力実績主義の強化に反対していく。会計年度任用職員の公募要件の撤廃を求めていく。

○ 自治労連・内田中執
 公立病院の統廃合・民営化、業務の民間委託や指定管理者制度などがねらわれるなか、公共を取り戻す運動の重要性が高まっている。各地で労働組合と住民の共同がひろがり、そうした運動で、病院の統廃合を阻止する成果も勝ち取っている。

○ 福祉保育労・澤村書記長
 グループホームの閉鎖で利用者の行き場がなくなり、職員の雇用も奪われる。労働相談活動を実施し、組織化にむけて団体交渉も実施予定。福祉保育の職場は、劣悪な処遇なうえに人減らしがすすむ。地域での共同で公共の再生へ運動していく。

○ 郵政産業ユニオン・吉田書記長
 郵政職場で働く時給制契約社員の最低賃金を、全国一律で時給1,500円以上にする要求書を郵政株式会社に提出した。この間、最低賃金引き上げのたたかいに全力をあげ、各地の最賃審議会でも生活実態を訴えてきた。

公務労働者の力で政治をチェンジ

 討論のまとめに立った香月事務局長は、政治を転換するチャンスが生まれているなかで、公務労働者の要求実現に向けて奮闘する決意を表明しました。すべての議案が満場の拍手で採択されたあと、総会宣言(別掲)を採択しました。

 日巻直映代表委員が閉会あいさつしたあと、宮下直樹代表委員の発声で団結がんばろうを三唱、今後1年間、国民の安全・安心を守る公務公共サービス、教育の拡充へたたかう決意を固めあいました。

以 上


総 会 宣 言

 私たちは、全労連公務部会第33回定期総会、公務労組連絡会第67回定期総会を開催し、この一年間のたたかいを総括するとともに、2024年度運動方針を確立した。総会では、憲法尊重・擁護の義務を負う公務労働者として、憲法改悪・大軍拡を許さず、国民犠牲の政治を転換させるため、全国の職場と地域から全力でたたかう決意を固めあった。

 この間、新自由主義にもとづく小さな政府づくりとして、公共部門の民営化・業者委託化、非正規化、人減らしがすすめられ、公務員数は世界最低水準となっている。無定見な公務・公共サービス削減の弊害が、この間の頻発する大自然災害などで露呈し、公務労働者の存在と役割の大きさが再認識されることとなった。しかし政府は、そうした実態を顧みることなく「デジタル化」「官民連携」等を推し進め、さらなる人員削減をはじめとする公的サービスの縮小をねらっている。

 私たちは、公務労働者・労働組合としての役割を存分に発揮して、「公共の再生」を求める運動を推進し、政府の総人件費抑制方針をあらためさせ、公務・公共サービス、教育の拡充を実現する。

 今年の人事院勧告は、約30年ぶりの引上げ額・率となったことや、通勤手当の見直しや再任用職員の手当拡大など、私たちの要求が一定反映するものとなったが、賃金改善は、24年春闘平均引上げ率にも満たず、特に中高年層の生活改善には不十分な水準であった。さらに、不利益変更となる地域手当や寒冷地手当等の見直しについて、私たちは検討状況の具体的な説明を人事院に求めたが、最後まで応じることはなかった。

 これらを見ても、労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度の形骸化とその弊害は明らかである。労働基本権の回復は喫緊の課題であり、引き続き、政府への追及を強めるとともに、ILO要請の成果と到達を活かして、国内外の世論に訴えるとりくみを旺盛に展開していく。

 現在、物価高や貧困と格差、気候危機、大軍拡などさまざまな困難と課題に直面している。その大元には「財界・大企業優遇」「アメリカいいなり」となっている自公政権とその補完勢力の政治姿勢がある。一方、職場に目を向ければ、行政の私物化、能力実績主義の強化、長時間過密労働の横行などにみられるように本来の行政・教育を歪められ、公務員を一部の奉仕者へと変質させてきた。このように、「公務の魅力」が破壊され、行政・教育の継続性も困難なものとしている。

 こうした状況を打開するために、国民・住民が主人公の政治へと転換することは避けては通れない。職場の切実な要求前進のために、何としても政権交代を実現させよう。

 全労連公務部会・公務労組連絡会は、期間業務職員の3年公募要件撤廃や、国の定員管理政策の一部見直し、最低賃金と初任給を大幅に引き上げさせた社会的賃金闘争など、この間の運動の成果を確信にして、大軍拡・憲法改悪阻止、公務・公共サービスと教育の拡充、ジェンダー平等など誰もが安心してくらせる社会の実現にむけて職場・地域から全力をあげて奮闘するものである。

 以上、宣言する。

2024年9月25日

全労連公務部会第33回・公務労組連絡会第67回定期総会