人事院勧告の実施を岸田内閣が閣議決定

= 内閣人事局との最終交渉で使用者責任を追及 =

 今年度の人事院勧告について岸田内閣は10月7日、一時金の引き上げや若年層を中心とした月例給引き上げなど勧告通りに実施することを閣議決定しました。これを受けて、給与法改正法案が開会中の臨時国会に提出される見通しです。
 これに先立ち公務労組連絡会は10月6日、政府・内閣人事局との最終交渉に臨み、物価高騰が止まらないなかで、すべての労働者の賃上げにむけて政府としての責任を果たすように最後まで追及を強めました。

一時金改善など勧告どおりの給与改定を回答

政府交渉

 内閣人事局との交渉には、公務労組連絡会の桜井議長を先頭に、宮下副議長、9月の総会で新たに選出された香月(かつき)事務局長以下幹事会8名が参加、内閣人事局は森田悠介総括参事官補佐ほか各担当者が対応しました。

 桜井議長は、「政府として勧告の範囲でとどまるのではなく、現場を支えている多くの職員の労苦に応えるため、使用者として賃金改善をはかるよう繰り返し要求してきた」とのべ、8月の人勧直後に提出した「公務員賃金等に関する要求書」に対する最終回答を求めました。

 森田総括参事官補佐は、「職員が日々、国民の命と暮らしを守るため、新型コロナウイルス感染症対策などに奮闘していることに敬意を表する」とのべたうえ、以下の通り回答しました。

<政府・内閣人事局の最終回答>
● 本年度の国家公務員の給与の取扱いについては、人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下、検討を続けた結果、明日(7日)、勧告どおり令和4年度の給与改定を行うことが決定される方向です。その上で、給与改定に係る法律案についても決定されることとなります。

● 国家公務員の働き方改革については、長時間労働を是正し、テレワークを当たり前の働き方にするとともに、職員が職務を通じて成長実感を得られるようにすることが、優秀な人材の確保のためにも重要であると考えております。

 これらの取組について、現場の実情を含め、皆様からもご提案をいただきながら、しっかりと前に進めますのでご協力をお願いします。

● 本日の回答は以上です。職員の皆様には、今後とも、国民の信頼に応え、行政の効率的な運営に努めていただきたいと思います。

● なお、給与以外の要求事項への回答については、先日、私から申し上げたとおりです。

生活直撃の物価高に政府として対応せよ

 最終回答に対して桜井議長は、「電気、ガス料金、食料品など生活必需品の値上がりは天井知らずであり、人事院勧告が出された8月時点と比べてみても実質賃金ベースでのマイナスが続いている。そのなかで政府としての責任を追及してきたが、回答は中間交渉と何ら変わりなく、強い不満を表明する」とのべました。

 また、交渉参加者からも賃金改善をはじめ労働時間短縮、非常勤職員の処遇改善などさまざまな課題で使用者責任を追及しました。

 森田総括参事官補佐は、「この間もみなさんから様々なご意見をしっかりといただいた。引き続きみなさんとの意思疎通に努めてまいりたい」と発言するにとどまりました。

 桜井議長は、「物価高をふまえた賃金の大幅引き上げ、コロナ禍のもとでの労働時間短縮と職場環境の改善、非正規職員の雇用安定と処遇改善など引き続く重要課題は多い。今後とも、政府としての真摯な対応を求める」とのべ最終交渉を締めくくりました。

以 上