NETニュースNO.923 16春闘3・9中央行動


16春闘勝利、大幅賃上げ実現へ2千人が結集

= 全労連公務部会・公務労組連絡会が「3・9中央行動」を展開 =

 全労連公務部会・公務労組連絡会は3月9日、公務労働者をはじめすべての労働者の賃上げと雇用の確保、公務・公共サービス拡充にむけた大幅増員など切実な要求をかかげ、全労連・国民春闘共闘に結集して16春闘における最大規模の中央行動にとりくみました。

 あいにくの雨のなか、公務・民間労働者による日比谷野外音楽堂の集会を中心に、早朝宣伝行動や国会請願デモ、議員要請、各省庁交渉など終日行動を展開し、全国から2,000人が参加しました。
 全労連公務部会・公務労組連絡会は独自行動として、公務員賃金改善、「給与制度の総合的見直し」の中止、地域間格差是正などを求めて総務省前の要求行動にとりくみました。

総務省前要求行動
公務職場からワーキングプアをなくそう!

 公務労組連絡会・公務部会は11時前から、公務員賃金改善、「給与制度の総合的見直し」中止、臨時・非常勤職員の均等待遇の実現などを求めて総務省前要求行動にとりくみました。
 昨日までの暖かな気候からうってかわり、冷たい雨が降りしきる凍える中の行動となりましたが、各地からぞくぞくと参加者が総務省前に駆けつけました。

 杉本高事務局次長の司会進行のもと主催者あいさつで公務労組連絡会の蟹澤昭三議長は、はじめに戦争法廃止のため「2000万人署名」で、政治の流れをかえることを強調し、「まじめに働いている労働者が、劣悪な賃金・労働条件におかれている。非正規雇用が労働者の4割をしめるもと、最低賃金の抜本的引き上げとすべての労働者の賃上げでこそ、日本経済の発展もある。本日の行動を結節点に、16春闘勝利、戦争法廃止、参院選勝利、公務労働者の賃金・労働条件の改善にむけた全国での奮闘を呼びかける」と強調しました。

 川村事務局長は、春闘を巡る情勢を報告し、すべての労働者の賃上げを勝ち取ること、臨時・非常勤職員の均等待遇を実現すること、戦争法の廃止で政治の流れをかえることの3点を訴えました。2月17日に春闘の要求を提出し、3月11日には中間交渉で積み上げ、3月24日の最終交渉にむけて追求を強めていくことを報告しました。

 3名の決意表明では、「本日、現業職員の処遇改善を求めて、3万を超える署名を総務省に提出する。人員削減で公務・公共サービスが低下している。下水・給食等多種な業務についており、現業職員は住民サービスの最前線にいる」(自治労連・現業評議会の尾崎議長)、「北海道は、97年から17年間続いた給与の独自削減が終わる。2年間連続の懲戒処分に匹敵する賃下げだ。500万円もの損失の回復を求めてたたかう」(全教・北海道高教組の関原書記次長)、「法人税の減税では賃上げに回らない。増えるのは役員報酬や設備投資だけだ。トマ・ピケティがいう公務員賃金の引上げでこそ、景気への波及効果が大きい」(国公労連・全労働の森崎委員長)と決意をのべました。

 最後に特殊法人労連の岡村稔事務局次長が公務員の総人件費削減反対、定年延長実現などのシュプレヒコールをぶつけました。

厚生労働省前要求行動
「89歳の決意表明」に参加者が勇気づけられる

 公務の参加者は厚生労働省へと移動し、民間労組の参加者とも合流し、賃金引き上げ・底上げ実現、労働法制大改悪反対、社会保障制度の拡充を求めて、人事院と庁舎をならべる厚生労働への要求行動にとりくみました。公務労組連絡会の参加者は、公務員賃金改善を求めて交渉をつづけている人事院前に整列しました。

 国民春闘共闘の大谷充代表幹事の主催者催あいさつ、中央社保協の山口一秀事務局長の連帯あいさつにつづき、国民春闘共闘の井上久事務局長が情勢報告しました。
 公務を代表して国公近畿ブロック・大阪国公の堀川裕之書記長が、「16春闘では、大阪国公ヒーロー(16)春闘と銘打ち、要求実現にむけて勝利する」と力強く決意表明しました。また、89歳で上京してきた建交労広島県本部の廣木昭代広島支部委員長からは、「清掃の仕事をしている。働く労働者には仕事を、雇用対策の拡充を求めます。要求が実現するまで、来年もまた東京に来る」と熱い言葉が参加者に送られました。
 最後に全労連の高島牧子事務局員のリードで、厚労省・人事院に対してシュプレヒコールをぶつけました。

労働者中央総決起集会
労働者の大幅賃上げでこそ格差と貧困が解消できる

 日比谷野外音楽堂での労働者総決起集会では、国民春闘共闘の小田川義和代表幹事が主催者あいさつし、「戦争法廃止に向けて、野党共闘を後押しする市民運動に対して労働組合も傍観者であってはならない。格差と貧困の改善へ、賃金底上げ、均等待遇実現を重視し、非正規労働者や若者をたたかいに組織しよう」と呼びかけました。

 連帯あいさつで全労協の金澤壽議長は、安倍首相が賃上げを主張していることにふれ、「春闘はアベノミクスのためではなく、私たちが安心して暮らし働くためのたたかいだ」と決意を込めて訴えました。
 日本共産党の高橋千鶴子衆議院議員が国会から駆けつけ、連帯のあいさつをおくりました。参加組合の決意表明では、5組織からプラカードなどで趣向をこらした訴えがありました。

 公務を代表して全教の中村尚史副委員長は、「経済格差が教育格差となってあらわれている。日本の奨学金を、OECDが『スチューデント・ローン』と英訳しているように、教育費の負担が家計に重くのしかかっている。戦争する国づくり反対のたたかいと一体で教育費の無償化を勝ちとる」と決意をのべました。

 また、民間労組や地方労連からは、「パート労働者は安倍首相の『パートで月25万円』という言葉に絶句し、怒りは頂点に達した。『パートなめんな!』と安倍首相に突きつけ、最賃1500円の実現めざす」(生協労連・パート部会幹事・大阪パルコープ労組)、「健康で文化的な最低限度の生活は、食べて生きるだけではない。最低生計費調査では、単身世帯で月額22万円、時給1400円は必要だ。うちら人間じゃけん!憲法25条を私たちのたたかいで実現させよう」(広島県労連)などの発言とともに、自交総連、日本医労連の訴えが続きました。最後に閉会あいさつ・団結ガンバロウを国民春闘共闘の森田稔代表幹事が行いました。

 中央総決起集会終了後、雨をついて国会へむけて請願デモへ出発しました。その後、単産独自行動として、国公労連は「まもろう憲法・国公大運動」推進にむけた決起集会を、全教・特殊法人労連は、給付制奨学金制度をもとめる院内集会を、自治労連は戦争法廃止などを求める院内集会を開きました。

以 上 

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