公務労組連絡会は、2024年春闘統一要求の実現にむけて政府・内閣人事局及び人事院と3月22日に最終交渉を行った。
政府・内閣人事局の回答は、「人事院勧告を踏まえ、国政全般の観点から検討を行い、方針を決定」、人事院は「情勢適応の原則に基づき、必要な勧告を行うことを基本に臨む」などと、従来回答の枠から一歩もでない内容にとどまった。
公務労組連絡会は、春闘アンケートで示された月額27,000円以上、非正規公務員は時間給300円以上の賃上げ要求を掲げ、すべての公務労働者の賃金改善を求めてきた。高止まりする物価高から公務労働者の生活を守るために、今すぐに大幅な賃上げを求めるとともに、地域間格差の是正、初任給引き上げと賃金の底上げ、寒冷地手当・通勤手当等の改善、臨時・非常勤職員の均等待遇の実現、非常勤職員の公募要件の撤廃、そして大幅な人員増と長時間過密労働の解消を求めてきた。あわせて、1月から取り組んできた「政府の責任で物価高騰から生活を守る大幅賃上げ等を求める署名」41,357名分を政府に提出し、私たちの要求の切実さを示した。
3年間のコロナ禍に続き1月には能登半島地震が発生し、昼夜を違わずの奮闘で国民の安全・安心を守り続けてきた全国の公務労働者の切実な要求に応えない政府・人事院の姿勢は極めて不満である。
人事院勧告や最低賃金、診療報酬など公的賃金・公的価格の引上げを求めてきた私たちの社会的賃金闘争の反映で、岸田首相も1月の施政方針演説で「政府による『公的賃上げ』も行います」と言明するなど、経済の好循環を作り出すためにも公務労働者の大幅賃上げが不可欠であることを認めざるをえなくなった。賃上げの流れにブレーキをかけないためにも民間給与実態調査における調査対象企業規模を1,000人以上に引き上げるなど、政府・人事院が「あらゆる手を尽くす」ことを求める。
長きにわたり、私たちは政府に対し、労働基本権回復にむけた労使協議の開始を強く求めてきたが、今春闘においても「慎重に検討してまいりたい」と不誠実な回答を繰り返すばかりであった、11回にも及ぶILO勧告を無視しつづける政府に対し、私たちはILO等への要請行動を展開し、労働基本権回復にむけたとりくみを強化する。
公務労組連絡会は、全労連・国民春闘共闘の一員として、28万枚のビラも活用した2月のローカルビックアクションや春闘の諸行動に結集した。全医労はストを背景に賃金交渉を行い、2.9%のベアを勝ち取った。郵政ユニオンは、物価高騰に見合わない超低額ベア・非正規ベアゼロ回答に抗議し、ストに突入した。私たちは、その支援を行うと同時に、多くの職場で職場集会などを実施してきた。2年連続で引き上げ勧告を勝ち取ったことを確信に、引き続き、官民共同の取り組みを全国で強化することが求められている。
自民党派閥による政治資金パーティ収入の裏金事件は深刻な政治不信を招いている。その一方で、敵基地攻撃能力保有のための軍事費倍増や殺傷兵器の輸出解禁をすすめ、改憲論議を強めることは、断じて許されない。いま行うべきことは、憲法9条をいかした外交で、平和を求める国際世論を構築すること、そして物価高騰から国民生活を守ることである。
公務労組連絡会は2024春闘を民間労組とともにたたかい、総人件費削減政策の撤回、公務・公共サービス、教育の拡充、そして国民本位の政治への転換をめざして引き続き奮闘する。