その他の声明・談話
「行政改革推進法」など「行革」関連法の成立にあたって(談話)
〜 国民犠牲の「小さな政府」に反対し、公務・公共サービスの拡充を求める 〜
2006年5月26日
公務労組連絡会
事務局長 若井雅明
1、第164回通常国会で審議されていた「行政改革推進法」「公共サービス改革法(市場化テスト法)」など行革関連5法案は、5月26日の参議院本会議で可決・成立した。
公務員の大幅な削減、「市場化テスト」による公務・公共サービスのいっそうの民営化、公務員賃金削減にむけた給与制度「改革」などを内容としたこれらの法律は、公務労働者と国民にさらなる犠牲をせまるものであり、断じて認められるものではない。
公務労組連絡会は、法成立にあたって、あらためて、小泉内閣がすすめる「小さな政府」に反対し、公務・公共サービスの拡充を求めてたたかう決意を表明するものである。
2、「行革」関連法のねらいの中心は、「官から民へ」と大企業に新たな儲け先を提供し、「小さな政府」と言いながら国民には大きな負担を押しつけることにある。
小泉首相は、「民間にやってもらえば税負担は少なくなる」「コストも安く、サービスも良くなる」「電話や鉄道など民営化されて、さまざまなサービスが展開されている」などと、バラ色の未来があるかの答弁を繰り返した。しかし、連日の審議を通しても、公務が支える仕事の重要性にかかわる議論は不十分なままで、また、「耐震強度偽装事件」に象徴される営利中心の民間参入に対する不安はますます高まった。
「市場化テスト」が「ビジネスチャンス」などとして企業も注目を集めるもと、財界の要求に全面的に応える公務・公共サービスの営利企業化・商品化を許すことはできない。
3、国会審議では、公務員数の国際比較で日本はすでに「小さな政府」であることを、小泉首相自身が認めざるをえなかった。いっそうの公務員削減は、防災・教育・医療など国民生活と密着した公共サービスを後退させ、安全・安心を脅かすことは明らかである。
重大なことは、公務員の労働基本権制約のもとで、こうした定員や給与など労働条件に関わる問題が、労働組合との納得と合意もなく検討されてきたことである。政府は、3度のILO勧告にもとづき、労働基本権回復にむけた労働組合との話し合いをすすめるよう求める。
一方、公務員削減では、民主党が「3年間20%削減」などとする現実とはかけ離れた「対案」を提出した。自民党と「改革」を競い合い、その結果、「市場化テスト法案」などでは賛成に回り、自公政権に手を貸した民主党の責任は重い。
4、最終盤をむかえつつある国会では、与党・民主党は、改憲にむけたそれぞれの「国民投票法案」の提出を強行し、医療制度改悪法案や教育基本法改悪法案とともに、会期を延長してまで押し通そうとしている。国民には負担をおしつけ、日本を「戦争をする国」へと変えるあらゆる悪法阻止へ、引き続き全力をあげるものである。
小泉内閣は、「小さな政府」の具体化へ、「骨太の方針」を6月下旬にも閣議決定しようとしている。経済、財政を大企業本位にゆがめ、地方切り捨てと格差拡大を招く「骨太の方針」策定に反対する。
公務労組連絡会は、小泉「構造改革」を阻止し、国民・住民本位の行政・教育・福祉・医療を確立するため、国民との共同の力で運動を大きく前進させる決意である。
以 上