~ 労働基本権の全面回復を求める・使用者責任を放棄した野田政権は退陣を ~
「公務員賃下げ法」の成立強行にあたって(声明)

2012年2月29日
全労連公務部会・公務労組連絡会幹事会

1、国家公務員の月例給・一時金を11年人事院勧告にもとづき昨年4月にさかのぼって0.23%引き下げたうえ、さらに2年間にわたり平均7.8%まで賃下げする「給与臨時特例法」(賃下げ法)は、2月29日の参議院本会議で、共産・社民を除く各党の賛成多数で可決・成立した。
 公務労働者に大幅な賃下げをせまり、12春闘の民間の労使交渉ヤマ場直前をねらった法成立は、公務・民間の賃下げの悪循環をも加速させる。景気をさらに冷え込ませることに加え、野田内閣がねらう消費税増税の突破口となる「賃下げ法」の強行は断じて容認できるものではない。

2、「賃下げ法」の出発点は、民主党のマニフェストである公務員総人件費2割削減のため、菅前内閣が国の財政悪化を口実にマイナス勧告の「深掘り」をねらったことにある。それが、昨年3月の東日本大震災後は、被災地復興のための財源捻出に理由がすり替えられ、野田内閣に代わってからは、消費税増税の前に「みずからの身を切る」ことへと口実は次々と変わっていった。
 数々の詭弁を弄しても、政府提出法案は審議入りさえかなわず、そのあげく、政府は民主・自民・公明の修正協議に扱いをゆだね、その結果、11年人勧の実施をはじめ、地方公務員給与への波及について附則に加えることをふくめて自民・公明の主張を「丸のみ」し、議員立法による法案はわずかばかりの審議で成立が強行された。
 使用者責任を放棄した政府、密室の談合で法案提出を強行した民主・自民・公明の3党に対して、満身の怒りを込めて抗議するものである。

3、法成立までの経過は、憲法で保障された公務労働者の労働基本権を幾重にも蹂躙するものであった。人事院勧告制度下においても、政府が「自律的労使関係の先取り」と強弁し、一部の労働組合との「労使合意」を手がかりにして、国公労連との交渉は決裂させて法案の提出を強行したこと、その後、人事院勧告が出ると、勧告の内容は賃下げ法案に内包されているとする理解しがたい口実で勧告の実施を見送ったことなどである。
 極めつけは、何ら法的根拠を持たない一部の政党間協議で、当該労働者の意見を聞くこともなく、議員立法で法案提出を強行したことである。国会議員が自由に法律をつくって賃金・労働条件を決められるならば、公務労働者はまったくの無権利状態に陥ることとなる。
 いま、大阪では「教育基本条例」「職員基本条例」がねらわれている。選挙で選ばれた議員や首長が、法律や条例をつくれば有無を言わさず公務労働者を支配できるとする身勝手さは、同じ根でつながっている。
 われわれは権力者の奴隷ではない。憲法でさだめる諸権利を有し、「国民全体の奉仕者」として誇りを持ってはたらく公務労働者である。政府に対して、国会提出されている協約締結権回復をはかる諸法案のすみやかな審議入りはもとより、労働基本権の全面回復を強く求めるものである。

4、幾多の貴い命を奪った東日本大震災から1年が経とうとしている。いまだに本格的な復興にはほど遠い被災地で、公務労働者として、今後、長期にわたる復興作業・被災者救援の先頭に立って奮闘する決意を新たにする。その点でも、野田内閣が、社会保障・税の「一体改革」と「行政改革」とを「車の両輪」に位置づけ、公務・公共サービスの切り捨てをねらっていることは断じて認められるものではない。
 公務労働者の使用者としての資格もなく、国民には消費税増税、社会保障制度大改悪で耐え難い痛みをせまる野田政権は、即刻退陣すべきである。
 「賃下げ法案」提出から半年以上にわたって国会審議を許さなかったことは、法案自体の道理のなさとともに、公務・公共サービス拡充の要求と一体で訴え、国民の間に賛同をひろげてきた運動の貴重な到達点である。全労連公務部会・公務労組連絡会は、「一体改革」阻止など国民的なたたかいと固く手を結んで、労働者・国民の生活と権利を守るために、本格化する12春闘のたたかいに全力をあげる決意である。(以上)