2008年国家公務員給与法・退職手当法の成立にあたって(談話)

2008年12月19日
公 務 労 組 連 絡 会
事務局長 黒田 健司


1、臨時国会で審議されていた一般職国家公務員の給与法等の改正法案、および、退職手当法改正法案は、本日開かれた参議院本会議において全会一致で可決・成立した。
 これによって、所定勤務時間の15分間の短縮が実現し、来年4月からは、1日あたり7時間45分、週38時間45分の所定勤務時間となる。交替制勤務の職場をふくめた時短の実施へ職場の環境整備をはかるとともに、これを契機にして、超過勤務縮減の具体的措置など実効ある労働時間短縮の実現を求めるものである。

2、8月の人事院勧告以降、政府が勧告実施の決定を3か月以上も棚上げにし、さらに、その後の法案提出までに2週間以上を要したことで、改正法案は12月になってから国会に提出され、年末ぎりぎりの成立となった。
 その背景には、福田前首相の突然の辞任、麻生政権のもとで混迷をきわめる政治情勢もあったが、政府・与党内に、財政事情を口実にして公務員の労働条件改善への否定的な意見が強まっていたことを見過ごすことはできない。民主的財政の確立と結びつけて、公務労働者の賃金・労働条件切り下げに反対してたたかう決意である。

3、折しも、派遣労働者の大量の首切りが社会問題になっているとき、国会審議では、「官製ワーキングプア」と呼ばれる非常勤職員の問題に質問が集中し、「常勤職員との処遇の不均衡の是正」などを求めた附帯決議も両院で採択された。
 日々雇用などでたえず雇い止めの不安にさらされ、法律の狭間で不安定な身分にある公務職場の臨時・非常勤職員の雇用や労働条件の改善は急務の課題である。人事院の指針はその第一歩であり、安定した公務サービス提供の観点からも、引き続き重点課題に位置づけて取り組みを強めるものである。

4、経済危機にともなう景気の後退が、国民の暮らしを直撃している。麻生内閣は、何ら有効な対策をとりえず、雇用情勢は急速に悪化している。来るべき09春闘は、労働者を犠牲にして、あくなき儲けを追求する大企業の横暴をただし、国民本位の経済対策を求めていくため、労働組合の真価が問われる春闘となる。
 いま、大企業による不当な「派遣切り」に対抗して、労働組合結成の動きが各地でひろがり、全労連などたたかう労働組合・労働者の姿を、連日のようにマスコミが取り上げている。公務労組連絡会は、こうした運動に固く団結し、労働者・国民の雇用と暮らしを守るたたかいに全力をあげる決意である。(以上)