労使協議を尽くさない配偶者手当改悪に抗議し、賃金改善の早期実施を求める
2016年人事院勧告の取り扱いの閣議決定にあたって(声明)
2016年10月14日
公務労組連絡会幹事会
1.人事院が8月8日に行った勧告について政府は、本日、0.17%の賃金改善と一時金の0.10月改善、両立支援にかかる育児休業法等の改正を求めた16年人事院勧告の実施を閣議決定した。
勧告内容は、生活改善できる水準ではなく、「給与制度の総合的見直し」による2%賃下げの現給保障で多数の公務員労働者の実支給額は変わらないなど不満なものであるが、3年連続となった賃金改定の実施は公務労働者の最低限の権利であり、早期の実施を強く求める。一方、労使協議を尽くさずに勧告された配偶者手当の半減について、政府としての説明責任を果たさずに強行することは許されない。あらためて抗議するものである。
2.公務労組連絡会は、勧告直後に政府に対して要求を提出し、職場の実態をふまえた追及を行ってきた。
公務員賃金は約770万人の労働者に直接影響するものであることを示し、その改善とともに、地域経済を活性化させるためにも「公務員総人件費削減」や「給与制度の総合的見直し」を中止し、地域間格差を是正するよう求めてきた。
また、非常勤職員の処遇について、賃金の改善をはじめ休暇制度の拡充や一律公募制度の見直しを強く求めてきたが、今回の閣議決定では全く触れられなかった。政府として「一億総活躍社会」を打ちだしているもとで、自らが雇用する臨時・非常勤職員の劣悪な処遇を放置することは許されない。引き続き、最低時給1,000円以上や雇用の安定など臨時・非常勤職員の処遇改善と均等待遇の実現をめざして奮闘する。
国家公務員の雇用と年金の確実な接続にかかわって、段階的な定年延長の実現を求めたが、この点でも具体的な回答は示されていない。人事院もフルタイム中心の勤務を求めていることも踏まえ、引き続き、定年延長の実現を求めるとともに、希望者全員のフルタイム再任用の確保と処遇改善にむけた政府の責任を追及するものである。
3.本年の人事院勧告の取り扱いは、給与法改正法案等として国会での審議へと移る。先進国のなかで最も少ない人員体制のもと、非常勤職員を含む公務労働者の奮闘によって公務・公共サービスが支えられていること、また、公務員賃金に対する誤解や偏見などを払しょくするため、政府として丁寧に説明するなど、国民の理解を広げるための対応を強く求める。同時に、政府は、国との均衡をタテに地方公務員の給与決定への介入・干渉を強めているが、地方自治の原則にもとづき、不当な介入は行わず労使自治を尊重するよう求める。
臨時国会では、TPP協定批准の関連法案をはじめ国民のくらしと権利にかかわる重要法案が審議される。17年春闘も念頭に、国民全体の奉仕者であり、憲法擁護の責務を負う公務労働者として、国民生活擁護と憲法改悪阻止のたたかい、全国一律最低賃金制度の確立や賃金の底上げをめざして全力をあげる決意を表明する。(以上)
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