私たちの声明・談話

公 務 労 組 連 絡 会

「地方創生」に逆行する「給与制度見直し」、
退職手当減額の閣議決定は撤回せよ(声明)

2014年10月7日
公務労組連絡会幹事会

1. 本日、政府は、0.27%の賃金改善と一時金を0.15月改善する一方で、平均で2%、高齢層では最大4%もの賃下げと、地域手当の見直しによって地域間 格差を拡大する「給与制度の総合的見直し」を含む14年人事院勧告の実施を閣議決定した。あわせて、賃下げによって生じる退職手当の官民格差を「調整額」 の拡大で埋める退職手当法の改正案も決定した。

2.7年ぶりとなる賃金と一時金の改善は、生活改善には程遠いものではあるが、人事院勧告にもとづかない賃下げが2年間続いた後であるだけに早期実施は当 然のことである。一方、恒久的に公務員の賃金を引き下げる「給与制度の総合的見直し」と退職手当の削減は労働条件の不利益変更であり、十分な交渉もないま まの強行は断じて認められない。
したがって、閣議決定に断固抗議するとともに、その撤回を強く求めるものである。

3.円安と消費税増税による物価上昇、国民負担増が暮らしと営業を直撃し、消費支出がかつてなく落ち込んでいる。深刻な景気悪化の要因は、労働者の賃金の 減少であり、「給与制度の総合的見直し」が強行されれば、地域経済をいっそう悪化させることは明白である。とくに、全国知事会など地方3団体も、今回の 「見直し」が「官民を通じて地域間格差が拡大することとなりかねない」と主張しているなど地方から強い懸念の声があがっている。
公務員賃金の引き下げは、安倍政権がめざしてきた労働者の賃上げや、「地方創生」による地域の活性化とも矛盾するものであり、この点からも「給与制度の総合的見直し」は認められない。

4.この間、公務労組連絡会は、公務員の賃下げがもたらす地域経済への影響や地域間格差拡大などの問題点を内外に明らかにし、「給与制度の見直し」の中止 を政府に求めてきた。政府は、「人事院勧告の尊重」を繰り返すだけで、私たちの要求に一切応えていない。使用者責任を投げ捨てる不誠実きわまりない対応は 許されるものではない。
また、閣議決定で地方自治体への賃下げを「要請」しているが、地方自治への介入であり、認められない。
 これからたたかわれる地方での確定闘争や独立行政法人での交渉、国会でのたたかいにおいて、賃金の引き下げを許さず、すべての労働者の賃金改善を求めて 奮闘するものである。同時に、国民・地域住民の安心と安全、暮らしと権利を擁護する公務・公共サービスの責務を負う労働者として、安倍政権による地方切り 捨ての「地方創生」、労働法制や社会保障の大改悪に反対して、国民的共同の一翼を担って職場と地域からたたかうものである。
以  上