私たちの声明・談話

公 務 労 組 連 絡 会

公務員給与の取り扱いにかかわる閣議決定にあたって(声明)


2013年11月15日
公務労組連絡会幹事会

1、安倍内閣は15日、13年人事院報告をふまえて本年度の国家公務員賃金の改定をしないこと、平均7.8%の賃金減額措置を、「給与臨時特例法(賃下げ 法)」の規定通りに来年3月末で終了することを決定した。あわせて、地域の公務員給与見直しや高齢層職員の給与見直し、能力・実績の的確な反映など「給与 体系の抜本改革」に取り組むことなども確認された。
 本年人事院報告は、約3万円もの官民較差を認めながらも改善勧告を見送ったもので、初任給をはじめ賃金改善を強く求めてきたが、改定見送りの決定は要求 に応えない不満なものである。
 また、賃下げ措置終了の決定は当然であり、賃下げによる公務労働者の深刻な生活実態と地域経済への影響をふまえれば、来年3月末を待つまでもなく、今た だちに「賃下げ法」を廃止するとともに、地方自治体への「賃下げ要請」を中止・撤回するよう求める。

2、政府が検討するとした「給与体系の抜本改革」とは、人事院報告が示す「給与制度の総合的見直し」にほかならず、地域間の賃金格差を拡大し、高齢層職員 の賃金をさらに引き下げることなど数々の問題点を持っている。そもそも、使用者たる政府が、第三者機関である人事院に対して、「要請」などとして圧力をか けること自体、認められるものではない。政府の公務員総人件費削減を目的とした「賃下げ法」に代わる新たな賃下げ攻撃として、「給与体系の抜本改革」に断 固反対する。
 また、地域の公務員賃金の引き下げは自治体職員・教職員にさらなる賃下げをせまるものであり、地場賃金や地域経済にも影響をもたらすことは、この間の経 過を見ても明らかである。そのことは、デフレ脱却にむけて安倍内閣が労働者の賃上げをめざしていることとも逆行する。今後、民間労組をはじめ幅広い共同を ひろげながら、賃金改善にむけてがらたたかうものである。

3、「賃下げ法」をめぐっては、政府・与党からは来年4月以降も賃下げを継続すべきとの声があがっていた。また、地方自治体への賃下げ押しつけが、政府に よって今もなお執拗に続いている。
 こうしたもと、最終的に公務員賃下げの継続・固定化を政府に断念させたのは、人事院勧告にもとづかず、労使間の合意もなく、労働基本権を幾重にも踏みに じって議員立法で成立した憲法違反の「賃下げ法」の道理のなさとともに、消費税増税など国民犠牲の突破口としての公務員賃下げのねらいを明らかにし、すべ ての労働者の賃上げによる景気回復を訴えてきたねばり強い運動の到達点である。
 宣伝・対話を通して、公務員賃金を震災復興の財源にするのではなく、被災地の復興には公務員の増員こそ求められているとの世論をひろげてきた。政府が、 公務員定数の「大幅な純減」をねらうもと、公務・公共サービス拡充へ公務員の大幅増員を求めて取り組みを強める。

4、国会では、国民の知る権利を奪い、公務員への罰則を強化する「秘密保護法」の成立がねらわれている。そのこととも一体で、戦前の「天皇の官吏」にもつ ながる政権党言いなりの公務員づくりへ「公務員制度改革」関連法案が提出されている。これら悪法の成立阻止へ全力をあげるものである。
 とりわけ、公務労働者の労働基本権を制約しながら、政府の使用者権限を強化することは断じて認められない。政府は、憲法とILO条約・勧告にそって、た だちに労働基本権を回復せよ。
 公務労組連絡会は、すべての労働者の賃金・雇用の改善、憲法にもとづく国民の暮らしといのちを守る公務・公共サービスの実現にむけて、今後とも全力でた たかい抜く決意である。
以  上