NETニュースNO.984 「国民生活と公務労働を考えるフォーラム」ひらく


 「共感される運動をつくり上げよう」と広く呼びかける

= 公務部会が「国民生活と公務労働を考えるフォーラム」を開催 =

 全労連公務部会は10月27日、東京都内で「国民生活と公務労働を考えるフォーラム」を開催しました。
 フォーラムでは、人員不足に苦しむ現場で働く公務労働者が、国民に適切なサービスを提供できない悩みなどが生の声で語られました。また、『過労死家族の会』や民間労働組合からの発言もうけ、晴山一穂専修大学・福島大学名誉教授からは、公務の働き方を考える原点に立ち返った助言をうけました。

人減らし・予算削減がつづくなかで「壊れゆく」公務職場の実態

公務フォーラム  主催者として公務部会の猿橋均代表委員があいさつし、「憲法に明記された『国民全体の奉仕者』としての役割を果たすことができるため、国民と共感する運動をつくりあげていく大きな足がかりにしよう」と呼びかけました。

 参加者からは公務職場のきびしい実態が報告されました。
 国の職場について、「多くの非常勤職員が働いており、職場では不可欠な存在。しかし、仕事は継続されていても3年に1度の公募を必ず受けなければならない。経験や専門性が考慮されないまさに『パワハラ公募』で、国はブラック企業そのものだ」(国公労連・九後健治書記長)との発言をはじめ、防災機関としての役割を強調した国土交通労組、社会保険庁解体から10年が経つ年金機構の実態が全厚生から明らかにされました。

 自治体職場からは、東日本大震災後の職場で慢性的な人員不足でメンタル不全がひろがり、3割にうつ病の発症傾向が認められている(大船渡市職労)、7月の豪雨災害で真備町で面積の3割が被災、住民への対応に追われて休んでいない職員もいる。すべての人が通常の生活に戻るためにまだ支援が必要だ(倉敷市職労)、人員不足で福祉職の資格を活かせず、サービス残業をせざるをえない。アンケートの結果を受けて提言をまとめた。地域住民の生活と権利を守るためにがんばりたい(さいたま市職労)などの発言がありました。

 教育職場をめぐって、「絶対的に教職員数が足りない。教育に穴は開けられず、教職員一人あたりの負担が増えている。『働き方改革』では学校の変形労働制まで議論されている。教職員の定数増をもとめて共同を広げたい」(全教・小畑雅子書記長)、「障害児学校の教職員は、児童が登校してから下校するまで、児童たちのそばでフル活動している。07年から特別支援教育に変更されて児童も増えたが、学校は2校しか増えていない。学校の環境整備を整えないと犠牲になるのは子どもたちだ」(都障教組)とのべられました。

 また、特殊法人労連の鷲尾盛士事務局長からは、全国のダムや水路を管理している職場での実態について、採用がおさえられてきた影響や、多忙化による休職者の増加、女性職員が増えるなかでの育児休業の取得抑制などが報告されました。

「公務労働者にとって最大の武器は日本国憲法」連帯と共同でたたかおう

 公務労働者からの発言と合わせて、『過労死家族の会・神奈川』の工藤祥子さんからは、11年前に中学校の講師だった夫を亡くし、過労死の認定に苦労してきた経験がのべられ、「教員の働き方が子どもたちの見本となってほしい。今は働き方を変えていく絶好のチャンスにある」と会場に呼びかけました。

 全労連・全国一般の林書記長は、今臨時国会で継続審議になっている水道法改正について発言があり、自治体が責任を持って管理してきた水道が、多国籍企業などへの移管がねらわれるもと、官民一体でたたかおうと呼びかけました。

 これらの発言をうけて、専修大学・福島大学の晴山一穂(はれやま・かずほ)名誉教授から、「2つの視点から公務員の働き方を考える」と題したミニ講演をうけました。晴山名誉教授は、「公務労働者にとって最大の武器は日本国憲法だ」と強調し、「全体の奉仕者」であるとともに労働者であり、官民の労働者、国民との連帯の共同を柱に、公務労働者の真の働き方の改革へむけてすすむことを訴えました。

 公務部会の秋山正臣事務局長から行動提起があり、「公務職場の実態を社会に広く知らせていくことが大事だ。公務労働者ひとりひとりが声をあげていこう」と提起しました。閉会あいさつした岡部勘市代表委員は、「政と官の関係だけでなく、官と民の関係にも着目する必要がある。そのために、公務労働者としておたがいに大いに奮闘しよう」と集会を締めくくりました。

以 上