No. 890
   2014年7月25日

公務員賃金改善、全国一律1,000円以上の最賃を

= 猛暑のなか「7・25中央行動」に全国から2,000人が結集 =

 公務労組連絡会は7月 25日、全労連・国民春闘共闘に結集し、夏季要求実現を求める中央行動にとりくみました。
 東京都心は気温が35度を超え、真夏の太陽が照りつけるなかを、人事院による「給与制度の総合的見直し」反対、公務員賃金改善、時給1,000円以上の 全国一律最低賃金実現を求めて、総決起集会、厚生労働省・人事院前行動などを展開しました。
 中央行動には公務・民間あわせて全国から2,000人が参加、猛暑のなかで奮闘しました。

ア メリカの代表が駆けつけて最賃改善の国際連帯ひろげる

 行動のメインとなった「諸要求実現7・25中央総決起集会」は、日比谷野外音楽堂で12時すぎからはじまりました。全労連・国民春闘共闘および国民大運 動実行委員会の主催です。
 全農協労連の宮崎陽子女性部事務局長、全教の藤田亮介青年部副部長(京教組)が司会を受け持ち、主催者あいさつした大黒全労連議長は、「大企業に6年ぶ りのベアがあったが、円安や物価高で消費購買力はあがっていない。最低賃金引き上げこそ景気回復の確かな道だ。安倍内閣が労働法制の大改悪をねらうなか、 要求実現と結びつけて安倍暴走政治ストップへ奮闘しよう」と訴えました。
 連帯あいさつは、アメリカでファーストフード労働者の賃上げ・組織化運動をすすめている「ファーストフード・フォワード・キャンペーン」のニコラス・ル ディコフ氏が集会に訪れ、日本をはじめ33か国にひろがっているファーストフード労働者の賃上げのたたかい、時給15ドルの最賃を求めてストライキで立ち 上がるアメリカでのたたかいが紹介され、「最低賃金は生活できる賃金でなければならない」と力強く訴え、日本の最低賃金改善のたたかいに連帯する決意が示 されると会場から大きな拍手がわき起こりました。
 つづく小田川全労連事務局長の情勢報告では、通常国会で労働者派遣法改悪法案を廃案に追い込んだことや、最低賃金の二桁の引き上げを勝ち取ってきたこと など、運動の力と要求の正当性に確信を持ち、最終盤のたたかいに全力をあげること、集団的自衛権行使によって戦争をする国づくりをねらう安倍政権に声を上 げていくことが訴えられました。
 各団体の決意表明では、国公労連から四国ブロック国公の岡部拓也事務局長が登壇し、全国から集まった国公の仲間のノボリ旗や寄せ書きのタペストリーを バックにして、「賃下げをねらう人事院からは現時点でも納得ある回答が示されていない。人事院がなすべきことは公務労働者の賃金改善だ。最後まで奮闘する 決意だ」とのべました。
 その他、「最低賃金の全国格差は205円にひろがっている。地方の働き手がなくなる。地域経済の活性化へ、1,000円以上の最賃の早期実現へともにが んばろう」(生協労連コープ宮崎労組・渕上和子副委員長)、「生活保護費の切り下げは、最低賃金にもかかわる問題だ。生活保護の改善を求めて、全国で1万 人以上の不服審査請求にとりくんできた」(全生連・山本泉全国理事)、「最賃1,000円以上実現へ有識者アピールを出してたたかってきた。憲法キャラバ ンで自治体を回って懇談するなかで、最賃審議会の委員になりたいという首長も出てきた」(静岡県評・林克議長)など各団体・労働組合のたたかう決意が示さ れました。
 集会の最後に農民連の笹渡事務局長が閉会あいさつし、「日本を戦争できる国にする安倍暴走政治は許せない。安倍内閣打倒のたたかいにむけて、今日の集会 を出発点にしよう」と呼びかけ、最後に参加者全員で団結ガンバロウを三唱して集会を閉じました。

労 働法制大改悪阻止へ「安倍政権打倒」の運動を

 引き続いてとりくまれた厚生労働省・人事院前の行動では、国民春闘共闘代表幹事の伊藤東京地評議長が主催者あいさつし、「アベノミクスの三本の矢は、す べてマトを外した。最低賃金と公務員賃金の改善が、日本経済の真の再生にとって不可欠だ。暑い夏だが、がんばり抜こう」と呼びかけました。
 厚生労働省で目安額審議がつづいている最低賃金をめぐる情勢について、国民春闘共闘の伊藤事務局次長・全労連調査局長が報告し、労働側の50円引き上げ 要求に対して、使用者側はわずか1.1%引き上げをねらっていること、地方の最賃審議会では使用者側委員も最賃引き上げを主張していることなどが報告さ れ、目安額答申が来週にもせまるなかで最後までの奮闘が訴えられました。
 その後、4人が決意表明に立ち、「中小・零細の労働者は賃上げと無関係だ。非正規労働者が4割となり、ワーキングプアをなくすカギは最賃1,000円以 上の実現だ。公務・民間がいっしょになってがんばろう」(全労連全国一般東京地本・室井清委員長)、「神奈川と静岡では、県境を隔てて最低賃金が119円 もの格差がある。地域の景気と公務・公共サービスを守る運動でがんばる」(静岡自治労連・中東遠総合医療センター非常勤職員組合・河原崎由利子副委員 長)、「労働法制大改悪を阻止するために、7月の定期大会でストライキ権を確立した。安倍内閣打倒のたたかいに労働組合が結集し、国民的運動をつくり上げ よう」(JMIU・三木陵一書記長)、「埼玉の地方最賃審議委員会に4万5千人分の署名を提出した。昨年の2倍半の集約数だ。最賃改善を全県的な運動へと つなげていきたい」(埼労連・舟橋初恵事務局次長)などの発言がつづきました。
 最後に、厚労省・人事院にむかってシュプレヒコールをぶつけ、行動終了後は、参加者は各省前での要請行動に移動しました。

「給 与制度の総合的見直し」強行を許さない固い決意示す

 公務各単産の参加者はそのまま人事院の前にとどまり、公務部会の主催による人事院要求行動を継続してとりくみました。
 主催者あいさつした野村代表委員は、「人事院は配分の見直しと主張しているが、国・地方とも生涯賃金が下がることとなる。総合的な見直しと言うならば、 電気代やガソリンが上がっているなか、実態をふまえて寒冷地手当や通勤手当を上げるべきだ」と、賃下げをねらう人事院の態度を批判しました。
 前日の定期総会で新たに就任した川村事務局長は、この間の公務労組連絡会や国公労連の交渉の到達点を報告しつつ、「いまだに具体的な見直し内容を示さ ず、このまま無理を通すことは認められない。職場の怒りを人事院にぶつけよう」と、来週に配置している座り込み行動などへの結集を呼びかけました。
 公務各単産から3人が決意表明し、「4千人分の署名を持って長野から上京した。格差をつけるのではなく、全国一律の賃金を求める」(長野自治労連・和田 吉正事務局次長)、「人事院交渉に参加したが、『民間準拠』の回答を繰り返すだけだ。人事院は、寒冷地の生活実態をしっかりと見るべきだ」(全北海道教 組・椙木康展書記長)、「法務局は全国どこでも同じ行政サービスをしている。なぜ賃金に格差をつけるのか。ここで声を上げなければ、若い人たちを育てるこ とはできない」(全法務長野支部・林優支部長)など、人事院に対する怒りの発言がつづきました。
 その後、人事院への署名提出行動の参加者を送り出し、最後に、特殊法人労連の岡村稔事務局次長のリードで、人事院へのシュプレヒコールを繰り返しまし た。
 なお、人事院前要求行動と並行して、財務省前、農林水産省前での要求行動がとりくまれ、財務省前の行動では、国公労連・国交労組建設研究機関支部の番場 正書記長、全教の小畑雅子中執が、独立行政法人の運営費交付金や教育予算の拡充を求めて発言しました。

約17万人分の「賃金改善署名」を人事院に提出

 人事院への署名提出・要請行動には、関口事務局次長を責任者に、岩手・高知・長野・長崎・近畿の各県・ブロックの代表が参加し、168,774人分の署 名を人事院に提出しました。
 各参加者からは地方の実態がのべられ、「給与制度の総合的見直し」の中止を強く求めました。対応した井上主任職員団体調査官が署名を受け取りまし た。
 今後、「賃金改善署名」はさらに集約をすすめ、人事院との最終交渉で提出します。
以 上