No. 877
   2013年11月14日

「暮らし・いのち・雇用を守れ!」と中央行動に2千人

= 公務員賃金の改善、秘密保護法案など悪法阻止にむけて終日奮闘 =

 「賃下げ法」の廃止、地方確定闘争など、秋年闘争の重要局面をむかえるもと、公務部会・公務労組連絡会 は14日、中央行動にとりくみました。
 行動では、総務省への個人請願で公務員賃金改善、公務・公共サービス拡充を求めるとともに、全労連などの主催による「国民要求実現11・14総決起集 会」に結集しました。
 また、集会終了後は、秘密保護法案など悪法がねらわれる国会にむけてデモ行進し、各班にわかれて国会議員要請行動にとりくみました。
 行動には全国から公務・民間の2,000人が参加、各単産の独自行動をふくめて、朝から真冬並みに冷え込んだ東京で、終日の奮闘がつづきました。


(総 務省要求行動) 賃下げ法廃止、公務員増員を求めて個人請願

 公務部会・公務労組連絡会は午前中、「賃下げ法」廃止、公務・公共サービス拡充、労働基本権回復など公務労働者の課題で総務省前の要求行動にとりくみま した。
 関口裕志事務局次長の司会進行のもと、主催あいさつで、公務部会の野村幸裕代表委員は、「2年間の不当な賃下げの復元措置を強く求めたい。国民生活優先 にした本来の政治にたち戻ってほしい。また、社会保険庁の分限免職では、昨日の『朝日』社説が『政治のパワハラ』と指摘している。民間と共同して民主的公 務員制度の実現へたかおう」と呼びかけました。
 連帯あいさつに駆けつけた全労連・全国一般の大木寿特別執行委員は、「東日本大震災で公務労働者は復興に向けて努力している。賃下げすることが国・自治 体のやることなのか。公務職場も多くの民間労働者が働いている。臨時や派遣労働者の賃金と雇用を守り、最賃1,000円以上、公契約条例の制定を共同して すすめていこう」とエールを交換しました。
 つづいて、九後健治賃金・労働条件専門委員長が情勢報告をおこない、15日にも政府が閣議決定をめざしている公務員賃金をめぐる状況や、「公務員制度改 革」関連法案にかかわって報告しました。
 決意表明では、「灯油は高騰し、光熱費の負担が増している。アベノミクスでは景気は良くならない。未来が安心できる社会にするためともにがんばろう」 (国公労連全司法北海道地連・近藤修司書記長)、「愛知では55の自治体中5自治体以外は賃下げを阻止し、一時金に反映させないという到達点を築いてき た。非正規の均等待遇を求め、安倍暴走内閣にはノーをつきつけよう」 (自治労連愛知県本部・鈴木常浩執行委員)、「人事評価制度導入をめぐって継続交渉中だ。教育現場の特殊性を理解させてきた。賃金にリンクさせないためた たかっている」(岡山高教組・和田茂副委員長)、「郵便局会社と郵便事業会社が統合されたが、大元は改善されていない。郵政事業の公共性の破壊は国民生活 の切り捨てになる。郵貯・簡保・通信・金融のユニバーサルサービス切捨てを許さず、郵政民営化の見直しは、三事業一体でおこなうことを求めていく」(郵政 産業ユニオン・安達幸人執行委員)などの発言がつづきました。
 最後に特殊法人労連の岡村稔事務局次長のリードで総務省へむけてシュプレヒコールをぶつけ、その後、総務省への個人請願行動に入りました。

  (中 央総決起集会)  「憲法キャラバン」などたたかいの到達点を確認

 メインの集会の会場となる日比谷野外音楽堂には、オープニングのトランペットアンサンブル「野郎5(ファイブ)」の演奏にむかえられ、参加者がぞくぞく と詰めかけました。
 12時過ぎから幕を開けた「かがやけ憲法!暮らし・いのち・雇用を守れ!国民要求実現11・14総決起集会」は、全労連・国民春闘共闘・国民大運動実行 委員会の三者が共催し、主催者を代表してあいさつした大黒全労連議長は、「安倍内閣が暴走すればするほど国民の怒りはひろがらざるをえない。さまざまな要 求の実現にむけて、本日の行動で総決起を呼びかける。決起集会をバネに大きく運動をひろげよう」と訴えました。
 東京過労死を考える家族の会の代表で「過労死防止基本法」実行委員会の事務局長をつとめる中原のり子さんが連帯あいさつし、「44歳で夫が過労自殺し、 労災認定に11年がかかった。この国では命と健康は守ってもらえないと痛感し、過労死防止基本法の制定を求めてたたかってきた。50万の署名を集めて国会 を動かしたい」とのべました。
 国会から駆けつけた日本共産党の小池晃参議院議員は、戦前の暗黒時代に逆戻りさせる秘密保護法案の廃案を求めつつ、「今日の集会を成功させ、安倍内閣の 暴走に正面から立ちむかおう」と呼びかけました。
 その後、国民大運動実行委員会の黒田事務局長が、国会での法案審議や来年度予算をめぐる状況などを報告し、職場・地域から署名・宣伝をさらにひろげるこ とを提起しました。
 各団体からの決意表明では7人が登壇し、「消費税増税のうえに、交通運輸の規制緩和を許すわけにはいかない。JR北海道の事故は、政府が安全確保に責任 を持つべきだ」(建交労・相木伸之副委員長)、「介護労働者として、介護保険制度の改悪は許せない。安心して暮らせる社会保障制度の確立へともに運動をす すめよう」(東京民医労勤医会支部・本間則子副委員長)、「生活保護法の改悪に反対して連日、国会前で座り込んでいる。政治の責任を果たさせるため断固た たかう」(全生連・野口将人全国理事)などの発言が続きました。
 全労連の「全国縦断キャラバン行動」にかかわって、鹿児島県労連の平良行雄議長、道労連の黒沢幸一議長が各地でのとりくみを報告し、「憲法の国民主権、 平和主義を自治体に訴えてきた」(黒沢議長)、「自治体要請では、話題が大いにかみ合った」(平良議長)など経験が報告されました。
 公務単産からは、全教の波岡知朗中執が横断幕やノボリ旗に囲まれながら発言し、高校無償化への所得制限に反対するたたかいを報告し、「すべての中学生が 進学できるために、改悪法案を廃案に追い込む決意だ」と力強く表明しました。
 また、全農協労連の星野慧(さとし)青年部事務局長は、過日、強風雨の中を明治公園で開いた「10・20青年大集会」に参加した若者から、「ブラック企 業根絶にがんばりたい」とのメールが届いたことを紹介、「青年に期待してもらいたい」とのべると、会場から大きな拍手がおこりました。
 その後、農民連の上山興士さんのリードでシュプレヒコールを繰り返し、最後に、全商連の鎌田保副会長が閉会あいさつをのべ、「消費税増税の中止を求め る。82歳になる戦争体験者だからこそ、平和の大切さを身にしみてわかっている」として、憲法改悪を許さない決意が表明され、全員で団結ガンバロウを三唱 し、集会を閉じました。
 集会終了後は、参加者は、国会にむけて請願デモに出発しました。また、国会デモ解散後は、参議院議員会館で要請行動にむけた意思統一集会を開き、その 後、各班に分かれて衆・参のすべての国会議員に対して、労働法制改悪反対、公務員賃金改善、労働基本権回復などを要請しました。意思統一集会には、日本共 産党の田村智子参議院議員が参加し、参加者を激励しました。
以 上