No. 861
   2013年2月10日

地方公務員への賃下げ許すな!

=全労連公務部会第10回・公務労組 連絡会第44回臨時総会を開催=

 全労連公務部会・公務労組連絡会は1月30日、全労連 会館で臨時総会を開催しました。
昨年末の総選挙で再び登場した自公政権のもとで、公務労働者も要求実現にむけて新たな局面をむかえて います。本臨時総会では、日本大震災やあいつぐ大災害をとおして公務・公共サービス拡充をもとめる国民の声がたかまるなか、5単産22地方組織から58 人、幹事会、事務局、来賓、マスコミ関係者を含めて85人が参加し、すべての職場・地域から要求実現にむけて意気たかくたたかう方針と、春闘勝利にむけて 全力をあげる決意を全員で確認しました。

連合がベア要求を放棄するなか、たたかう労働組合の役割は重要

 臨時総会は午前11時から 公務労組連絡会の宮垣忠副議長(公務部会代表委員)の開会あいさつに続いて、自治労連の蛯名(えびな)孝宏中央執行委員と国公労連の橋本恵美子書記次長を 議長に選出し、議事が始まりました。
 主催者あいさつにたった野村幸裕議長(代表委員)は、「7.8%賃下げの法律違反に対して、た たかいに勝利する大いなる可能性がある。国公労連が中心に作成したビクトリーマップが間違いなく確信になっている。1%取り崩せば雇用・賃上げが確保でき る。反原発運動と連携しながら要求を勝ちとろう」と呼びかけ、春闘を旺盛にたたかう決意を表明しました。
 激励あいさつに3人が駆け つけ、全労連の大黒作治議長は、「連合がベア要求を放棄するもと、全労連が賃上げのカギを握っている。そのなかで公務の果たす役割は大きい。職場・地域か らしっかりたたかって要求実現の手がかり足がかりをつかもう」と激励しました。
 全労連民間部会の相澤幸敏幹事(日本医労連副委員 長)は、「民間の組合員からも公務への厳しい声はあるが、切実な賃上げへの願いの裏返しだ。分断攻撃には官民一体でたたかおう」とエールがおくられ、医療 現場におけるストライキの状況などにふれ、我々のたたかいには道理がある。様々なたたかいに官民連帯して2013春闘をおおいにたたかおう」と連帯を表明 しました。
 日本共産党の塩川鉄也衆議院議員は、「消費税増税中止、TPP参加反対、原発ゼロ、憲法改悪反対に国会で全力をあげる決 意だ。岩手に足を運んできたが早期の震災復興のためには、公務員を増やすべきだ。地元で奮闘している地方公務員の賃金の引き下げは許さない」と断言し、憲 法9条を大きな力に暮らしを守るため国会内外での共同を呼びかけました。

職場・地域の積極的なたたかいの経験を22人が発言

 黒田健司事務局長が 2013年春闘方針案と統一要求案を提案し、昼食休憩を挟んだ討論では、5単産から7人、地方組織から15人の発言がありました(発言要旨は別掲)。
  討論をへて黒田事務局長がまとめをおこない、「国民に訴えやすい情勢になってきた。自公政権が国民いじめでしかないことが公務員攻撃を突破口にした軍拡路 線を阻止すること。国公労連のビクトリーマップが20年かかって、ようやく政府も内部留保の活用を認めざるをえなくなったように、たたかいの特効薬はな く、ねばり強くたたかうことが勝利につながる。今こそ公務労働者として2013年春闘を全力でたたかうこと」とまとめました。
 2013 年春闘方針案と統一要求案が一括して拍手で採択されました。「2013春闘アピールを水谷文幹事が読み上げて提案し、拍手で採択されました。
  北村佳久副議長(代表員)が、「経営委報告は飽くなき恫喝の一途をたどり、財界は安倍政権の司令塔となっている。労働者の雇用確保を財界に迫り、対話と共 同でたたかう重要性を確認することができた」と閉会あいさつし、最後に団結ガンバロウを三唱して総会をしめくくりました。

【発言要旨】
(国公労連)1月27日野音でのオスプレイ反 対集会で、民主団体や官民の共同でたたかう必要性を感じた。12月7日は国公法2事件に対する最高裁判決がだされ、堀越事件は無罪となった。地方公務員に も政治的行為を規制しようとしている動きのなかで、検察には痛手になった判決だ。
 出先機関廃止で大災害が起き、「地方を守る会」の 結成などで法案の提出すらさせていない。地域から期待されていることに確信がひろがっている。
 社保庁の分限免職では3月にも判定が だされる予定だ。分限免職の推進が許されれば国家公務員、地方公務員の首切り自由になる。日本の景気を回復させ官民一体で13春闘は負けることができない たたかいだ。

(沖 縄県国公)1月27日のオスプレイノーの集会は、県内すべての市町村長・県議会議長・県議144人が参加した。翌1月28日に は安倍総理を含め大臣への要請行動を行なった。沖縄の民意は後戻りしないと強く訴え、戦後かってない規模での行動となった。住民の安全・安心を守ることが 第一だ。本来は国の役目でもあるのに沖縄県民の声を聞くふりをしながら、実際は導入を進めようしていることに対する県民の怒りの総意である。根っこは住民 の安全・安心を守る国の責任を放棄して住民に押し付けないがしろにするものだ。
 道州制の動きも顕著になってきている。公務職場の問 題として沖縄から声をあげていく。

(青 森県公務共闘)地方人事委員会交渉では、委員長も出席せず、退職手当問題で追及しても関係がないというような対応だった。
  退職手当は、自治労が12月26日に4月から実施することを合意した。1月まで交渉を継続したが、4月1日からの実施の方針を変えなかった。県内10ヶ所 でキャラバンを行なったが、賃金の底上げでかちとっていくしかない。毎月1回、定例で憲法宣伝に取り組んでいるが、住民の訴えは十分ではないと感じてい る。宣伝物の作成をふくめて外に出る運動の提起を要請する。

(特殊法人労連)特殊法人労連は1月22日の 単組代表者会議で春闘要求を決定した。消費税増税や生活保護の切り下げが狙われるなか、すべての労働者の賃上げを求める。特殊法人労連は国に準拠した特例 措置を廃止することを求めている。また、パート・アルバイト等も要求の柱とし、独立行政法人「改革」による通測法改悪反対の署名を進めてきた。
  民法労に対する引き続く支援を要請する。奨学金の実態を告発し奨学金の一方的なローン化に法的な措置をとる署名も進めている。1千万円を超える借金をかか えワーキングプアでは返済できない。2月1日には35の弁護士が相談活動をおこなう。奨学金はローンではなく、人権で保障されていることを訴える。

(千葉県公務労組連絡会)2月28日告示、3 月10日投票の千葉県知事選で政治の転換をはかる。千葉大学の三輪名誉教授が立候補を表明し、現職との一騎打ちで勝利への展望を切り開きたい。12月の総 選挙で改憲勢力が3分の2をしめた。安倍首相は、天皇を中心とする国を支えることを教育の目標としている。こうしたもと、知事選でスタートを切る。勝利の ためにもパンフレットをひろげている。ぜひカンパで支援をお願いする。

(京都公務共闘)街頭宣伝、地方人事院への申 し入れ、学習会、月1回の会議で情報交換をおこなっている。社保庁の525人の分限免職では、京都から15人が裁判でたたかっている。中央集会もいいが、 違う方法でたたかうことはできないか。全員参加型の春闘でうねりをつくり出し、参議院選挙で政治の流れを変える必要がある。

(宮城公務関連共闘)3月9日に震災シンポを 開く。支援と参加をお願いしたい。仙台の業者は請負で悲鳴をあげている。仮設住宅の暮らしは一層厳しさを増し、寒い2年目の冬を向かえている。早く復興を 願っている。
 公務労働者が足りず、女川や石巻での復旧や復興を自治体の責任でやれない状態だ。3・11規模の大震災はいつどこで起 きるかわからない。大きな体験をしたものとして発信が必要だ。
 シンポジウムでは保健師さんから何が足りなかったのか要望を出しても らい、看護師さんに各自の立場でパネラーとして出してもらい、県民の皆さんからも意見を出してもらう。昨年9月から準備をはじめたが、道州制もねらわれる なか、声をあげていくことが必要だ。公務部会から物心両面の支援をお願いする。

(日高教)公務員バッシングをどうはね返すの か。背景には何があるのか。労働者と国民を分断する攻撃をはね返すため、家庭の貧困を共同のたたかいの視点として大事にしたい。
 雇 用の破壊、生活保護、社会保障の構造改革を阻止する共同が重要だ。4割の高校生がいまだに就職先が決まっていない。内部留保の取り崩しで雇用と賃金を改善 することこそ、日本経済再生の道だ。
 1万人を超える高校生アンケートでは、憲法9条改悪反対の意見が5年前よりも高くなっている。 憲法を守り活かす学校つくりにむけて、春闘勝利への一端を担う決意だ。

(自治労連)衆議院で改憲勢力が拡大し、住民 のいのちと暮らしを守るため何としても憲法改悪を阻止する。自治労連は職場の中で憲法闘争をすすめていくことを重視し、学習を呼びかけ、自治労連弁護団で 意見書も作成した。また憲法キャラバンでは、道州制や原発問題でも対話をひろげてきた。「こんな地域と社会をつくりたい」の運動にも取り組んできた。
  いまだに改憲の発議を許していないなか、保守勢力とも共同して憲法闘争に全力をあげる。

(千葉自治労連)森田知事は、3月1日からの 退職手当削減を強行しようとしている。根拠のない削減に反対する。年度末に退職する人は2年間の経過措置になる。
 浦安市の松崎市長 は、労働組合の意見はその通りであり、事務組合にも働きかけると表明した。当初提案を撤回して4月らの実施となった。
 7.8%の賃 下げ国の特例法の撤回を求めるとこが重要だ。「日刊ゲンダイ」には、船橋市のラスパイレス指数を示して、意図的なバッシングがおこなわれている。地方公務 員に賃下げを押しつける安倍政権は許せない。地方6団体はもとより、千葉県でも各自治体当局を含め矛盾点を暴露しながら、地方自治と住民を守り、地域経済 の振興が大事だ。大企業の社会的責任を果させ、世論形成へむけて官民が共同してたたかい、国の悪政に千葉から審判を下すため立ち向かっていく。

(全教)政府予算案は民意を踏みにじるもの だ。ようやく実現した35人学級の歩みをストップしようとしている。すでに実施している全国各地の自治体で矛盾と混乱をまねく。父母・保護者がすべての子 どもにゆきとどいた教育を願っている。いじめや子どもたちをめぐる状況が後景に追いやられる深刻な矛盾がでる。
 教職員6,000人 から勤務実態調査を実施した結果、月の時間外労働が80時間を超え、過労死ラインに4割が集中している。仕事を減らすか仕事をする人増やすしか方法はな い。放置することはゆるされない。
 地方公務員・教職員賃金に関わって、一方的に減額され、退職金減額の怒りを結集し、賃金引下げを ゆるさないたたかいに全力をあげる。生活保護費の引下げは就学援助に影響するもので、子ども達に生活は守れない。
 憲法を守りいかす 運動を強化し、子どもと教育を守り憲法闘争に向きあう方針を定期大会で提起する。「アイ・ラブ憲法10万人」運動で多くの人と語りあい、春闘を意気高くた たかう決意だ。

(自 治労連)公務員の賃下げ攻撃、退職手当大幅引き下げにたいする夏以降のたたかいを報告する。自治体キャラバンでは、地域経済の 関係から諸団体と対話をひろげた。県内選出の議員事務所の訪問懇談にも取り組み、賃金確定闘争は学習決起集会で賃金を引き下げるのはおかしことを訴えた。 先日、はじめて自治労幹部とも対話した。退職手当では、引き下げありきの姿勢がみられた。
 13年春闘は、国家公務員の7.8%削減 を地方への押付けを許さない。明日は地元選出の国会議員への要請・懇談を計画している。湯田の旅館組合や民商とも懇談している。地域経済を活性化すること が大事だ。

(岩 手県公務共闘)退職金の交渉では、市町村については総合事務組合の扱いになるため無責任な回答になる。当事者の責任追及ととも に協議を前提に下げる根拠の説明ができないようではいけない。国より200万円も低い。退職者に不利益を講ずることや、なぜ5年間で民間の退職金が400 万円以上も下がったのか詳しい説明ない。そのことこそ問題にすべきであり、年度途中での制度改悪はおかしいとNHKでも言っている。
  退職金交渉で被災県を優遇して欲しいといったら、住民の理解が得られるのかといった。被災住民は仮設住宅に不便なかでも住んでいるが、職員は必死でがん ばっている。住民も期待しているのに、被災した職員は全財産を失い、かけがえのない心の支えをなくし日々の業務をこなしているのに、頑張る気持ちに水をさ してほしくない。
 毎日残業してもいつになったら終わるかわからない。派遣職員にたよりこの間派遣職員が2人自殺した。県市町村会へ の申し入れ、大槌町では派遣職員を聞き取り調査している。被災地で奮闘する職員へ。国・地方公務員の頑張りなくして被災地の復興はありあえない。被災地の 復興に冷や水をかける賃下げ攻撃に対抗して、全国のみなさんにとともにたたかっていく。

(郵政産業ユニオン)組合合併後では初となる 大切な春闘である。改正民営化法が成立するもと、株式の売却で営利企業化しようとしている。今週末に中央委員会を開き方針を決定するが、要求の組み立ては 大きな柱は、20万人の非正規職員の正社員化と待遇改善の実現だ。大幅増員をはじめ、公務・公共サービス改善など。利用者が安心してサービスを受けられる よう、2月5日からスト権の一票投票する。一時金が平均50万円カットされるなか、高率で批准したい。スト権を確立してたたかってよかったと言える春闘に する。大いに地域に打って出る。

(大 阪公務共闘)橋本市長の横暴が異常な型で現れている。物言わぬ公務員づくりを実践している。窓口は非正規労働者のオンパレード だ。学校教育などあらゆる職場で非正規が大量に増えている。
 維新の会が首長の自治体は、組合と交渉せずに独断で進めている。本庁で 500人足らずの組合員55人の原告団で裁判闘争している。まさに安倍首相がねらおうとしている大阪の実態を全国に波及させてはいけない。毎月28日には 23区市役所での門前ビラで橋下の横暴を全国に波及させない取り組みをやっている。
 住民との共同では、3月に「何でも相談会」をダ イエー京橋店で取り組む。ダイエーから協力を呼びかけられる。幅広い相談をしながら、街頭への宣伝で住民に実態を広めていく。

(長野県公務労組連絡会)上田市職労が自治労 連加盟を決定した。9割をこえる圧倒的な数で加盟を決定した。5〜6年前にも提案したが反共攻撃をかわせなかった。自治労連のかかげる3原則を方針にも取 り入れながら、組合員に依拠して要求を掘り起こしていった成果だ。
 公務労働者への全面的な攻撃は、労使関係だけで解決できるもので はなく、今春闘は政治を転換する取り組みが必要だ。

(兵庫公務共闘)道州制・地域主権改革で自治 体への要請など行なっている。12月には近畿地方の35市町村に要請した。駅前での街頭宣伝行動などで住民に訴えた。バッシングもあるが、一歩足を踏み出 して動いてくことが必要だと再認識した。震災復興に頑張っている人たちに冷や水となる賃下げをするのは許されない。阪神・淡路大震災を経験した身として は、一律の賃下げを地方に押しつけることは許しがたいし、何としても食い止めたい。
 参議院選挙と兵庫県知事選のダブル選挙が予定さ れている。選挙が終われは今後3年間は重要な選挙はない。悪政を断ち切るため、自分たちの声と足で立ち向かうためにがんばる決意だ。

(自治労連)要求提出は88.3%、高齢期職 員の生涯賃金の確保に向けた足場を切り開いてきている。3年目の「誇りと怒りの大運動」だが、正規・非正規一体の取り組みが進んでいる。秋の拡大月間では 組織としての自治労連の選択を広げている。
 静岡の自治体で若手職員の組合加入比率が低いことを逆手にとった当局の攻撃に対して、 150人を超える若手職員を組合に迎えいれた。
 来年度政府予算案は、教育や社会保障の大改悪とともに、地方交付税を盾にした地方公 務員への賃下げ強要は認められない。
 憲法を生かす「こんな地域と日本をつくりたい」と呼びかけて、被災地の早期復旧などで住民国民 との共同を広げる。公務部会の団結と民間労働者との要求を広げていく。

(北海道公務共闘)民間労組とも共同で「越冬 共闘」を立ち上げて、自治体・経済団体などへ要請している。ガソリンはリッター100円に加え、年間10本〜20本のドラム缶灯油を使うため、生活を直撃 している。寒冷地手当の基準となる気象庁の積雪・気温のデータが更新され、それにともなう手当改悪が懸念される。
 社保庁では2人の 原告を支援し、1週間にわたって道内をキャラバンした。TPP参加反対、泊原発の再稼働反対などで毎金曜日には、北海道庁前でも寒さのなかでも宣伝をやっ ている。賃上げで若者の雇用確保を求めていきたい。

(静岡県公務共闘)公務ネットニュースを非常 に宣伝に活用させてもらっている。退職手当の実施時期について、今この時間に県教育委員会と交渉をしている。報道からみるとマスコミも制度自体がおかしい のでは、配慮するべきではないかとの論調がある。7.8%の賃金カットで7月からねらわれ、危機的な状況になることは間違いない。原発問題では浜岡原発は 稼働できる状態にはなく、再稼働に反対していく。

(神奈川公務共闘)独自の取り組みはできてい ないが、毎月1回の幹事会での情報交換している。県の財政の見直しで120数箇所の施設の圧縮・統廃合・廃止が進み、道州制・地方分権改革の先取りが加速 しているなか、10月に市民集会を開いた。
 賃金の底上げを神奈川労連の評議員会でも訴えていく。最賃裁判の勝利にむけて一致団結し て奮闘していく。全労働者の賃上げを勝ち取る春闘にする。

(愛媛県公務員共闘)退職手当で7月に県知事 に要請した。1月18日には公務員共闘として要請した。独自カットもしているうえに、退職手当は賃金とは別の扱いとして国同様に削減したいとの意向が示さ れた。交渉だけでは跳ね返すことは難しく、愛媛労連との共同が大事だと確認して運動をすすめている。
 民間との共同が大事だ。JAL の不当解雇撤回闘争を支援する会、生存権裁判を支える会などへの支援を強めている。西条市の周桑病院をめぐる裁判も3月に判決がでる。整理解雇4要件が、 公務員労働者が分限免職された時に適用できるのかどうかに注目し、支援をお願いしたい。

以 上