No. 838
    2012年7月25日
正規・非正規すべての労働者の賃上げを

= 夏季闘争最大の「7・25中央行 動」に全国から2千人が参加 =

 公務員賃金・最低賃金の改善を求め、退職手当の大幅削 減に反対して、公務部会は25日、全労連・国民春闘共闘に結集して、「夏季闘争勝利7・25中央行動」にとりくみました。
 中央行動 では、消費税増税などに反対して民主団体と共同して開催した総決起集会、厚生労働省・人事院前の要求行動などを展開しました。
 夏季 闘争最大となる中央行動には公務・民間の2,000人が参加し、猛暑のなかでさまざまな行動で終日奮闘しました。

国民の声を聞かない野田政権にレッドカードを突きつけよう

 じっと座っていても汗がし たたり落ちる厳しい暑さのなか、12時すぎから日比谷野外音楽堂で「諸要求実現7・25総決起集会」が始まりました。最賃・公務員賃金の改善をはじめ、消 費税増税・社会保障改悪反対、国民本位の予算実現を課題にかかげた集会は、全労連・国民春闘共闘とともに国民大運動実行委員会が主催、消費税廃止各界連と 中央社保協が協賛団体に加わりました。
 主催者あいさつした伊藤潤一国民春闘共闘代表幹事(東京地評議長)は、「野田政権は国民の願 いに背をむけ、消費税増税と社会保障改悪関連法案を衆院で強行し、原発再稼働やオスプレイの陸揚げも強行した。原発再稼働反対では毎週金曜日に10万人を 超える人たちが集まるなど、これまでにない人たちが声を上げ始めている。最低賃金の大幅引き上げを求めて、悪政を許さない共同のたたかいを大きく発展させ よう」と呼びかけました。
 国会から駆けつけた日本共産党の宮本岳志衆議院議員は、国会情勢を報告しつつ、「消費税大増税法案、社会 保障・税一体改革特別委員会が毎日動いている。国民が立ち上がれば、どんな政党の組み合わせをつくろうと、政治の主人公は国民だということが、各地で国民 の手で示されている。この世論と運動を国会につきつけよう」と参加者を激励しました。
 全労連の小田川義和事務局長が情勢報告をおこ ない、「大企業中心社会にしようとする動きが強まっている。最低賃金の課題では、使用者側の巻き返しを許さず、地方でのたたかいを強めよう。貧困の実態を もとに要求を組織し、野田政権にレッドカードをつきつけよう」と呼びかけました。
 4人の決意表明では、全教の今谷書記長は、今日の 行動で教育予算拡充を求める「えがお署名」約10万筆を文科省に提出したことを報告し、「子どもたちの安心の基盤である家庭を壊し、成長にも重大な影響を 与える消費税増税などの攻撃を許せない。公務と民間、労働者と国民の分断を許さず、力をあわせてたたかおう」と力強くのべました。
  生協労連の北口副委員長は、「最低賃金の目安額は大いに不満だが、経営者側もブーイングしている。これから地方で大いにたたかっていきたい」とのべ、東京 土建の影山常任中執は、「建設労働者の手間賃は1日7,000円で、時給にしてわずか875円だ。税や社会保険料を差し引けば月収13万円では生活できな い。最低賃金の引き上げと公契約条例の制定を求めるたたかいをすすめたい」とのべました。最後に、消費税廃止各界連を代表して税経新人会全国協議会の清家 理事長は、「国民の生活と中小企業者の経営を守り、日本の景気を回復させるために、消費税増税法案を廃案に追い込もう」と決意表明しました。
  全日本民医連の吉田万三副会長が閉会のあいさつし、「3党合意に示される、大連立にむけた暴走、大増税をみんなの力でくいとめよう」締めくくり、最後に2 千人の参加者全員で団結ガンバロウを三唱しました。

ベテラン職員を狙い撃ちした昇給抑制は認められない

 厚生労働省・人事院前の歩 道とともに、車道をはさんだ日比谷公園側の歩道にも参加者が隊列をつくり、公務・民間の旗が立ち並ぶなか、13時から要求行動が始まりました。厚労省前と 人事院前にそれぞれ宣伝カーを配置し、2台の車のスピーカーが1つにつながれました。
 国民春闘共闘の国分博文代表幹事(全農協労連 書記長)が主催あいさつし、「公務員への賃下げ、退職手当削減はかならず民間に連動する。官民で力を合わせてがんばろう。今の最賃では過労死ラインまで働 いても年収200万円にならない。復興の課題とも結びつけて力をあわせて最低賃金の引き上げを勝ち取ろう」と呼びかけました。
 全労 連の伊藤圭一常任幹事・調査局長は、昨日から泊まり込みで開かれた最低賃金目安小委員会で決まった結果を報告し、「昨年と比べて前進はあるが、これでは生 活保護費との乖離は解消できない。地方での最賃改善へまだまだたたかいはこれからだ。がんばって声を上げていこう」と行動提起しました。
  公務部会の九後健治事務局次長は、公務員賃金をめぐる情勢とたたかいを報告し、7.8%の賃下げで、改善勧告が必要な5%の官民較差があることは明らかで あり、給与支給実態にもとづく「賃金回復勧告」を人事院に求め、また、50歳代のベテラン職員の昇給抑制などがねらわれていることを報告、人事院前の座り 込み行動などのたたかい強化が提起されました。
 4人の決意表明では、全国一般京都地本の小畠敦子中執は、京都地評青年部でとりくん だ最賃体験行動を報告、「食費まで切り詰めて、何のために生きているのかわからなくなった。京都労働局への要請では、その実感を訴えたい。将来の生活に展 望持てる最低賃金の実現へがんばろう」とのべ、自治労連千葉県本部の黄木(おうき)祥久子副委員長は、三党合意で修正された「子ども・子育て新システム」 法案にふれ、「子どもの発達を無視し、保育職場の労働条件の切り下げをねらう新システムの廃案へがんばりたい」とのべました。
 福祉 保育労の仲野智書記長は、「最賃改善は非正規労働者とともに、正規労働者にとっても重要な課題だ。目安額が決まったが、怒りしか感じられない。最賃 1000円の実現を訴えたい」とのべ、全生連の前田美津恵事務局次長は、「最賃よりも生活保護費が高いことでバッシングをうけている。生活できる最低賃金 の実現へたたかう」と決意表明しました。
 最後に厚生労働省と人事院にむけて、参加者全員でシュプレヒコールを繰り返し、その後、参 加者は、財務省、農水省、総務省への要求行動にむかいました。

退職手当削減を許さず、賃上げを求める決意表明がつづく

 公務部会・公務労組連絡会 が主催した14時からの総務省前要求行動は、関口裕志事務局長の司会のもと、野村幸裕議長は、主催者あいさつの冒頭、退職手当削減に対して一致してたたか う決意を表明、公務労働者に対する攻撃をはねかえすために団結してたたかうことを強調し、「公務・公共サービスの必要性を大いに訴えよう」と呼びかけまし た。
 情勢報告で黒田健司事務局長は退職手当を中心に闘争報告をおこない、この間の交渉では、大幅引き下げの態度をまったく変えてい ないこと、使用者としての役割を放棄していること、退職後の生活を支える性格を持っているのに、勤務条件でなく「ごほうび」としての態度に固執しているこ となどの問題点を指摘しました。そのうえで、「大義ある主張をひろげ、暑い夏のたたかいを最後までがんばりぬこう」と呼びかけました。
  職場・地域からの要求アピールでは、「定期大会で、退職手当削減は人の財布からお金を盗むようなものだとの意見が出された。9年前からの自治体の独自カッ トで、今も苦しめられている」(岡山高教組・三上雅弘書記次長)、「度重なる定員削減のなか超過勤務で対応している。予算は削られて不払い残業が横行して いる。必要な業務には必要な予算を求める」(国公労連・全法務・九州地本関村書記長)、「憲法キャラバン行動では、23市長との懇談で非正規職員について 17市から実態調査がよせられた。♪早く正社員になりた〜い(替え歌で)」(静岡自治労連・青池則男特別執行委員)、「郵産労と郵政ユニオンが組織統合 し、新たな組織を結成した。20万人を超える非正規労働者の正社員化に全力をあげる」(郵政産業ユニオン・兼子隆中央執行委員)と決意がのべられました。 最後に国公労連花岡利至中央執行委員のリードでシュプレヒコールをぶつけました。
 3か所での行動を終えた参加者は、ふたたび日比谷 公園に集合し、消費税増税法案などの参議院での可決・成立がねらわれる国会にむけて請願デモに出発しました。また、デモ終了後は、各単産では独自の国会議 員要請行動がとりくまれました。

以上