No. 813
    2011年11月10日
諸要求実現11・10中央行動に3000人

=賃下げ法案の撤回・廃案めざして公 務2千人が終日行動 =

 野田内閣が、震災復興財源や社会保障の安定的財源の確 保を口実に、国民に対し所得税・住民税の増税や消費税の増税、社会保障の全面的な見直しなど新たな負担を迫り、雇用拡大や賃金改善による景気回復が切実に 求められるもと、国民諸要求実現11・10中央行動」を、労働組合・諸団体の共同で開催しました。
当日は、野田首相がTPP参加表明 をねらう緊迫した状況のもと、日比谷野外音楽堂での中央総決起集会や「霞が関包囲行動」を柱に、早朝から各団体による要求行動や個人請願行動、国会請願デ モなどがとりくまれ、公務部会は、総務省前行動を配置するとともに、国会請願デモ、国会議員要請行動などで終日、奮闘しました。全体で3,000人が結 集、公務部会・公務労組連絡会から2,000人が参加しました。

(厚生労働省前)最低賃金の改善、社保庁不当解雇撤回を

 11 時15分から始まった厚生労働省前の要求行動では、全労連・国民春闘共闘の主催で最低賃金改善、社会保障制度の拡充を求めました。
  主催者あいさつで、国民春闘共闘の伊藤幹事(東京地評議長)は「内需が低迷し低賃金労働者が多くなっており、長引く景気の悪化で貧困が広がっている。全国 一律の最低賃金や公契約条例の制定が必要。私たちの要求を実現することが震災復興になる」とのべました。
 情勢報告では、全労連小田 川事務局長は、「野田首相は、今日にもTPP参加を表明しようとしている。様々な問題があり被害を受けるのは私たち労働者だ。一握りの大企業、1%の利益 をうける者を忠実にまもり99%に苦しみを与えるTPP参加表明は認められない。99%の人たちのための世の中を実現するためにともに行動していこう」と 呼びかけました。
 決意表明では「被災地の医療再生はまだまだ進んでいない。仮設住宅から、最寄りの医療機関が遠いため医療が受けら れない。その中で、医師や看護師が奮闘しているが、日当や交通費は医師にしか支給されておらず、看護師などはボランティアで動いている。命をまもるため医 労連は奮闘していく」(日本医労連・山田委員長)、年金機構への移行時に大量の首切りを強行しながら、一方で大量の有期雇用者を採用しており、解雇に道理 はない。本質は、社会保障の改悪がねらいであり、安心してくらせる最低保障年金を実現し、職場に戻って皆さんとともに頑張っていきたい」(国公労連・國枝 中執)、「最賃の引き上げを実現するために、労働局などいろいろなところに要請したがんばりが最賃5円増の結果となった。改定されても、鹿児島の最賃は 647円、次なるたたかいのためにしっかり学習し、社会に訴えていく」(鹿児島)、「失業者の働く能力と意思を向上するのが厚生労働省の仕事だ。高齢社会 を迎えるが、今の状況を若い者に引き継ぐことはできない。1%のためではなく、99%の弱者が生きていける世の中となるために頑張っていく」(建交労福岡 事業団高齢者部会)などの発言がありました。
 最後に自治労連小峰中執が厚生労働省へむけてシュプレヒコールをぶつけました。

(中央総決起集会)各分野から怒りの発言、JA全中から連帯あいさつ

  少し肌寒い曇り空のもと、日比谷野外音楽堂では12時すぎから「11・10総決起集会」(全労連・国民春闘共闘・国民大運動実行委員会主催、安保破棄中央 実行委員会協賛)が開催されました。集会のオープニングとして「デキシーユニオン」によるジャズ演奏が会場を沸かせました。
 集会 は、全労連青年部長の松山さんと生協労連・大阪いずみ生協労組の三枝さんの司会・進行で始まり、主催あいさつした国民春闘共闘の国分博文代表幹事(全農協 労連委員長)は、「APEC にTPP参加というお土産を持っていくのなら、普天間の軍事施設と兵隊をアメリカに持っていくべきである。TPP反対の一点での共闘が広がっている。 TPPがねらう効率一辺倒の社会ではなく、人間中心の社会を守り、つくっていこう」と呼びかけました。
 連帯あいさつでは、全国農業 共同組合連合会(JA全中)の大西茂志常務理事から、「明日で震災発生から8か月となるが、政府が今なすべき最大の課題は、TPP参加交渉ではなく、東日 本大震災からの復旧・復興、福島原発事故の収束だ。政府は国民の声を無視することなく、直ちにTPP参加を断念すべきだ」と力強い訴えがあり、会場からは ひときわ大きな拍手が起こりました。
 国民運動実行委員会の黒田事務局長は、情勢報告で、野田首相の暴走に対し、「世界と日本を動か しているのは国民の力であることに確信をもち、今生まれている新たなうねりを職場、地域で広げていこう」と提起しました。
 続いて、 各団体からの発言・交流が行われ、「利用者にとって安心安全な交通・運輸にしていくため、規制強化への政策転換を求めていく」(自交総連東京地連・池田書 記次長)、「地域で、放射能の除染のとりくみをすすめている。子どもたちのために原発をなくしたい」(新婦人千葉支部・楠本さん)被災地の産業の柱は、農 林漁業であり、TPP参加と復興の両立はあり得ない。野田首相の暴走をみんなで阻止しよう」(農民連・白石会長)、「パート労働者の生活改善はいっそう切 実な要求になっている。最賃引き上げでがんばる」(生協労連・かながわ生協労組・安部さん)などの発言がつづきました。
 公務部会を 代表して全教の長尾副委員長は、「国家公務員の賃下げは、地方公務員、そして民間の福祉・医療労働者にも影響を及ぼし、景気を冷え込ませ、復興の足を引っ 張ることになる。地域経済を活性化させ、消費を上向きにするには公務も民間も賃上げが必要だ。公務員の賃下げ法案撤回、大企業減税・庶民大増税反対の声を 一緒にあげていこう」と訴えました。最後に福島県労連の齋藤議長は、「県内すべての原発の廃炉を求める請願が県議会にて全会一致で採択された。10月30 日には福島市での原発反対大集会に1万人以上が結集した。この2つの歴史的な出来事に確信を持ち、『原発ゼロ』の運動をさらに広げていきたい」と決意をの べました。
 全労連青年部大井書記次長のリードで、要求タオルを掲げ「くらしを壊すTPP参加は許さない!」「政府は震災復興に全力 をあげろ!」とシュプレヒコールを唱和し、最後に全日本民医連・吉田万三副会長が閉会あいさつで「人間のくらしや命が大事にされる、新しい日本につくりか えよう」と呼びかけ、最後に団結ガンバロウで集会を締めくくりました。

(総務省前要求行動)賃下げ法案撤回、公務・公共サービスの拡充を

  中央集会後、財務省前・農水省前・総務省前で同時並行で要求行動がとりくまれました。
 総務省前の要求行動では、公務・公共サービス 拡充、住民犠牲の地域主権改革反対、公務員賃金引下げ反対、労働基本権の回復を求めて要求行動し、公務部会の関口事務局次長の司会進行のもと、主催者あい さつにたった野村代表委員は、「賃下げ攻撃は憲法違反であり、大いに地域にうってでることが重要。国民が動けば社会は変わる。世論を変えよう」と呼びかま した。
 連帯あいさつには、全国一般東京地本の梶副委員長が、「官と民の労働者が手をつなぎ学習し要求で一致することが大事だ。国民 の要求共同を広げていこう」と呼びかけました。
 決意表明では「6つの組合が合併し国交労組を結成した。地域の地方防災の安心と安全 を現地の仲間は守っている。地方整備局を廃止する必要があるのか。二重三重に国民の健康を守ることこそ必要である。」(国公労連国交労組・山川書記次 長)、「地域主権改革の問題については、まだ多くの人に知らされていないことに問題がある。住民に知らせていくことが大事だ。権限委譲についても、国に従 うべき基準はまだたくさんある。2月25日に千葉県公務労組連絡会でシンポジウムを開催して広めていく」(千葉自治労連・白鳥財政局長)「郵政民営化、分 社化されて4年になるが、検証し郵政のネットサービスと金融のユニバーサルサービスの拡充求めるため、抜本的な見直しを求めて十分な審議をつくすべきだ」 (郵産労・上平書記次長)と決意を語りました。最後に特殊法人労連の西村幹事が総務省へむけてシュプレヒコールを行い要求行動を閉じました。
  参加者は日比谷公園霞門に集合し、国会へ向けて「くらしを壊すTPP参加はゆるさない!」「政府は震災復興に全力をあげよ!」「労働者の賃上げで景気回復 をはかれ!」とシュプレヒコールを響かせながら霞が関官庁街から国会に向けて請願デモに出発しました。
 全労連公務部会・公務労組連 絡会の仲間は、デモ解散後に国会前で、賃下げ法案のすみやかな廃案を求めて要求行動にとりくみました。
 行動には国会審議の合い間を ぬって日本共産党の塩川哲也衆議院議員がかけつけ、国会情勢を報告するとともに、参加者を激励しました。

以 上