「勧告制度を尊重」とする基本姿勢とは正反対の総務大臣発言
11年人事院勧告の取り扱
いにかかわっては、藤村官房長官が、過日の記者会見で、人事院勧告よりも給与臨時特例法案(賃下げ法案)の審議・成立を優先すべきだとの認識を示し、ま
た、11日におこなわれた野田首相と古賀連合会長との会談では、古賀氏が「人勧は受けるべきではないし、実施すべきではない」と政府に求めたことに対し
て、川端総務大臣は、「政府として受けとめ、検討したい」と発言されたと伝えられています。 さらに、直近の新聞記事では、「勧告実
施見送り」とまで報道されるなど、人事院勧告が、給与臨時特例法案や公務員制度改革法案などとからめて、きわめて政治的に扱われています。
こうしたもと、公務労組連絡会は、勧告日に提出した「要求書」にも沿って、人事院勧告が労働基本権制約の「代償措置」である以上、その取り扱いは、労働組
合との交渉・協議のもとで決定していくことを求めて、緊急に総務省との交渉に取り組みました。 交渉には、公務労組連絡会から、黒田
事務局長、米田・関口の各事務局次長が出席、総務省は、人事恩給局総務課の澤田参事官補佐、小泉課長補佐ほかが対応しました。 はじ
めに、黒田事務局長は、勧告以降の政府の検討状況をただしました。 澤田参事官補佐は、「10月4日に第1回の給与関係閣僚会議が開
かれた。その際、政府として、労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を尊重する基本姿勢を確認するとともに、今年は、政府として給与臨時特例法案
を国会提出している状況もふまえて、今後、検討していくことが確認された。取り扱いは、引き続き検討中だ」と回答しました。
賃下げ法案の撤回こそ政府が取るべき道だ
この回答に対して、黒田事
務局長は、藤村官房長官や、野田・古賀会談での川端総務大臣の発言を示したうえ、「勧告制度の尊重などと言うが、この間、政府側からのべられている意見
は、勧告よりも賃下げ法案の審議・成立を優先させるものだ。しかも、人勧は受けるべきではないなどとする連合の要請を、総務大臣が、『受けとめて検討す
る』と答えたことは重大だ」と指摘しました。 澤田参事官補佐は、「みなさんの要求は、切実であると理解している」としたうえ、「勧
告の取り扱いについては、人事院勧告制度が労働基本権制約の代償措置であり、尊重すべきとする基本姿勢は変わりない」との回答を繰り返しました。
黒田事務局長は、「公務労組連絡会との交渉もすすんでいないなかで、こうしたやりとりがおこなわれていることは遺憾だ」と厳しく抗議し、賃下げ法案を撤回
するとともに、現給保障廃止など重大な問題を持つ今年の勧告の取り扱いについては、労働組合との徹底した交渉・協議をおこなうよう強く求めました。
これに対して、澤田参事官補佐は、「今日のような話し合いの場ををふくめて、みなさんとは、引き続き誠意を持って対応していきたい」と表明しました。
また、交渉参加者からは、教職員では、枠外昇給がなくなったこともあり、地方によっては50歳代の約過半数が現給保障を受けており、その廃止は大きな影響
を受けることや、一時金の改善見送りの地方公務員への波及などがのべられ、使用者として、職員の生活改善や働きがいの観点から検討するよう求めました。
最後に、黒田事務局長が、公務労組連絡会の要求実現にむけて、誠意ある交渉・協議を繰り返し要求し、交渉を閉じました。
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