No. 789
   2011年5月25日 
公務員賃 金引き下げ阻止、最低賃金改善
被災者本位の震災復興の実現へむけ1,200人

= 5・25中央行動に東北3県から も多数参加 =

 東日本大震災から2月半をむかえるなか被災者本位の震 災復興の実現、雇用と暮らしを守れ、最低賃金の改善をもとめて5月25日、中央行動を開催しました。
 全労連公務部会は、公務員給与 の「1割カット」が6月3日にも「賃下げ法案」として国会提出が強行されようとする重要局面をむかえるなか、総務省前の要求行動に取り組みましした。ま た、労働基本権回復を求める請願署名を13万筆集約し、国会議員要請行動にとりくみました。


東日本大震災から2か月半、 国の責任で被災者の生活再建を

 国 の責任による被災地の復興と原発問題に対する補償を求めて、11時から財務省前の要求行動を行いました。全労連斉藤寛生常任幹事の司会進行のもと、主催者 あいさつで、全労連小松民子副議長は、「被災地の復旧を目的とした4兆円の補正予算が可決・成立し、2次補正の議論が始まっている」とのべ、景気回復のた めには被災者の救援、生活再建を主にした早期の復旧・復興を具体化する必要があることを強調し、政府の対策を急ぐよう求めました。
  連帯あいさつでは、全商連の西村冨(ふ)佐多(さお)副会長は「全商連の会員にも多くの犠牲者出ており、事務所や家屋、商店も被災し、多くの安否が確認で きないでいる。全国会長会議を開いて人間本位の復興を求めて働く職場を確保したい。人間の営みがなければ営業とくらしはなりたたない。2重ローンをかかえ てからではなくゼロからのスタートを望む。早期の復旧・復興に全力をあげる」と力強く激励しました。
 決意表明では、「全国のみなさ んからのボランティア、救援活動の支援に心から感謝する。住民本位の復興委員会を立ち上げて、地元に住んで仕事をしていきたい。マイナスではなくゼロから のスタートで始めたい。仕事にもどりたいと住宅の建設も始まっている。引き続く支援を」(いわて労連・鈴木露道議長)、「宮城の災害拠点病院の塩釜の2階 の部屋でロウソクをともしながら、地域医療を守る立場で診療を続けてきた。国の責任で患者さんとともに復興に向けて努力していく」(宮城医労連・中山さ ん)「かなりの医療機関が被災し、どのように復興するのかが問われている。国の予算を投入し医師・看護士不足を解消したい」(日本医労連・小池副委員長) 最後に財務省へむけて自治労連の松原中執がシュプレヒコールをおこないました。

総務省に公務員賃金1割削減提案の撤回を求める怒りの声

 総務省前要求行動は、主催 者を代表して宮垣忠公務部会代表委員・国公労連委員長があいさつし、「新たな国民負担増の露払いとなる公務員賃金1割削減を撤回せよ。今すべきことはすべ ての労働者の賃金底上げで内需を拡大することだ。東日本大震災で明らかとなった公務公共サービス拡充に向けて、必要な人員増こそが求められる」と訴えまし た。
 激励あいさつにたった、全労連・全国一般の林博義書記次長は、「民間労働者も雇用と生活が破壊される情勢のもとで、公務員賃金 引き下げはさらなる悪化へとつながる。総務省は、公務・公共サービスを拡充させ、賃金・雇用を守れ。公務・民間一体となって、国民のいのち・暮らしを守ろ う」と参加者を激励しました。
 黒田健司公務部会事務局長が情勢報告し、6月1日から3日間の座り込み行動など、重要な局面を迎えて いる公務員賃金削減に反対するとりくみの強化を訴えつつ、労働基本権回復に向けては、「協約締結権の回復を盛り込んだ公務員制度関連法案の情勢も緊迫して いる、本日積み上げた13万筆の国会請願署名を力に、国会議員要請行動に取り組もう」と提起しました。
 各組合の代表からは、「被災 地のハローワークの職員は休みなく働き、超勤がまん延するもとで健康破壊やメンタルが進んでいる。今回の公務員賃金1割カットは怒りを通り越してあきれる ばかりであり、まったく納得いかない。全国の仲間とともに公務・公共サービスの拡充を求めたたかいぬく」(国公労連・岩手県国公沢口事務局長)、「16年 前の阪神・淡路大震災の時、中学生が職員となり、東日本大震災で恩返しをしたいと被災地へ派遣やボランティアとして出向いている。復興に向けては、阪神大 震災の教訓を生かし、被災住民本位の復興こそが求められる。震災からの復興に向かう今、公務員賃金の引き下げは地方への影響を及ぼすものであり、断じて認 められない」(自治労連・兵庫県本部今西清書記長)、「東日本大震災をもとに、公務公共の拡充の立場から、仕事に向きあい福祉・教育の充実こそが必要であ り、公務員賃金引き下げは撤回すべきだ。教職員の日夜を分たがわぬ奮闘の前に、何故賃金引き下げ提案ができるのか。本日、福島の代表が東京電力へ要請行動 を行っている。たたかいは重要局面を迎えているが、総力をあげてたたかいぬく決意だ」(全教・今谷書記長)などの発言がありました。最後に自治労連の松原 中執がシュプレヒコールをおこなって要求行動をしめくくりました。

3・11東日本大震災から初の中央行動〜被災3県からの声を聞く
全国からの支援にこころから感謝〜引き続き支援物資・ボランティアを

  各省庁前の行動に続き開催された日比谷野音の集会には、全労連大西玲子常任幹事の司会で始まりました。
 主催者あいさつに立った大黒 議長は、震災から2か月以上が経過しても震災の復旧・復興がなかなか進まない現状や原発事故への対応の不十分さを指摘し、「菅内閣に対して破綻した構造改 革への回帰をやめ、被災者の生活再建を基本にした復旧・復興、全国で大震災の影響を受けている中小企業への援助、雇用の確保にむけて政治の力を発揮するよ う求める」と強調しました。また、政府が、賃金の10%カットを提案してきたことについて、「大震災からの復旧・復興にむけて不眠不休で働く公務員労働者 や応援を送り出している職場に賃金カットを押しつけることは許されない。直ちに撤回すべき」と政府の動きを強く批判し、公務と民間が力を合わせ、諸要求の 実現に向けて奮闘することを呼びかけました。
 続いて、激励に駆けつけた日本共産党の紙智子参議院議員は、全労連の提言を「どの問題 でも的を射たもの」と評価するとともに、「公務員削減により必要な人が不足していることを痛感した」と公務・公共サービスの重要性を強調しました。
  行動提起に立った全労連・小田川事務局長は、「大震災からの復興を目指すたたかいが労働者の諸要求実現とも深く関わっている」と強調し、@被災地・被災者 と連帯した運動の強化、A雇用闘争や生活・労働相談などでの労働組合の役割発揮、B大企業の社会的責任を問うとりくみ、C最低賃金闘争の強化と公務員賃金 引き下げを許さないとりくみ、D原子力依存のエネルギー政策からの転換を迫るとりくみ、を呼びかけ「いつもの夏とは違うたたかいに力を合わせよう」と訴え ました。
 被災地3県の代表による決意表明では、「瓦礫の撤去や家屋の清掃など途方にくれている被災者にとても感謝されている。県と しての復興計画のまとめにいっているが、基幹産業の農漁業をサラリーマン化するという、復興という名の構造改革を許してはならない」(宮城県労連・鎌内秀 穂事務局長)、「福島は自然災害ではなく人災だ。四重苦の複合被害を受けている。安心して遊べない子どもたち、住みなれた家を離れて全村非難せざるを得な い悔しさ・怒り・そして絶望感にさいなまれている。がんばれることとがんばれないことがある。自殺者も相次いでおり、全面補償をおこなってほしい」(福島 県労連・斉藤富(よし)春(はる)議長)、「被災地の復興はこれからで、わかめやホタテの稚魚育成など新たな動きが始まっている。岩手は150年間に4度 の震災を経験し今日の岩手をつくっている。最賃の議論が始まったが岩手は644円、改善に全力をあげる」(いわて労連・鈴木露道議長)など決意あふれる発 言が続きました。 
 自治労連の柴田英二副委員長は「自治労連として3点を提起し、物資・カンパも1億円近く集まった。ボランティア ものべ2000人となり復興への長い道のりを住民とともに歩んで行く。公務労働者の役割は医療・保健士・水道関係者など公務労働者の役割が求められてい る」と決意をのべました。
 最後に閉会あいさつ・団結ガンバロウ を全国災対連代表世話人の保団連住江会長が行い集会をしめくくりま した。
 国会請願デモに続き衆参の全国会議員にむけて労働基本権回復署名の提出・要請行動を行いました。

以 上