No. 779
  2011年3月3日 
理不尽な 賃下げ許すな!総務省前で座り込み

= すべての労働者の賃上げと雇用確保へ、3・3中央行動に3千人 =

 全労連・国民春闘共闘は、春闘ヤマ場をひかえた3日、 すべての労働者の賃上げと雇用確保の要求をかかげて、「3・3中央行動」にとりくみました。
 公務部会・公務労組連絡会は、正規・非 正規の公務労働者の賃金改善、初任給引き上げ、臨時・非常勤の労働条件改善・均等待遇、労働時間短縮などの要求を実現するため、人事院・総務省への要求行 動をとりくみました。
 とくに、政府によって「賃下げ法案」の提出がねらわれるなか、総務省前においてはじめての座り込み行動でたた かい、不当な攻撃を許さない決意を示しました。
 中央行動には、公務・民間あわせて3千人が終日奮闘しました。


人事院は賃下げをねらう政府にきちんと意見を言え

  晴れ渡る空のもと冷たい風が吹きつけるなか、昼休みの時間帯に厚生労働省・人事院前で要求行動がとりくまれました。
 大黒作治全労連 議長は、主催者あいさつで「大企業が大もうけしても国民の暮らしはよくならない。景気回復には賃上げしかない。社会保険庁やJALのような解雇を自由化し ようとする動きと対峙し、統一地方選挙勝利で要求前進に全力でとりくもう」と呼びかけました。
 国会から駆けつけた日本共産党の高橋 千鶴子衆議院議員は、「まともな論戦もないまま、予算案が衆議院を通過した。国会が何をなすべきか問われている。みなさんのたたかいと連帯し、政治を変え る展望を示したい」と決意を込めて参加者を激励しました。
 情勢報告で全労連小田川義和事務局長は、「すべての労働者の賃上げに向 け、要求提出がすすんでいる」とのべ、高止まりしている失業率を改善させ、雇用破壊を止めるため、国民いじめを続ける財界への批判を強めようと呼びかけま した。ベア要求を放棄している民間大手組合では、内部矛盾も拡がっていることを指摘し、対立点を明確にしてたたかおうと呼びかけました。
  続く各組合代表の決意表明では、「タクシーの規制緩和とのたたかいで、減車が実現してきている。奪われた労働条件と権利を取り返したい」(自交総連・石垣 敦副委員長)、「最低賃金引き上げとパート労働法の改正をめざす」(生協労連・木下百合子副委員長)、「労働時間はとてつもなく長いが、低賃金におさえこ まれている医療・介護労働者の労働条件引き上げを勝ちとる」(東京医労連・清水明子執行委員)、「トラック労働者の生活を改善するため、なんとしても賃上 げを勝ちとりたい」(建交労トラック部会・足立浩部会長)などの発言とともに、日本航空を不当解雇されてたたかっている裁判闘争原告団の代表から、何とし ても解雇撤回を勝ち取るとの決意がのべられました。
 厚労省前から、となりに庁舎を構える人事院前へとマイクが渡され、公務単産代表 による決意表明がつづき、「政府による賃下げに対して、人事院はきちんとものを言え。社会保険庁職員の解雇撤回にむけたたたかいに勝利するまでたたかう」 (国公労連・上田宗一中央執行委員)、「住民の役に立つ仕事がしたいとの思いを壊すような施策を持ち込むな。理不尽な賃下げを許さないたたかいに奮闘す る」(京都自治労連・高松映祥書記長)、「『わがこと春闘』として、職場要求実現と結節させながら、都知事選挙の勝利をめざす」(東京都教組・工藤芳弘組 書記長)など力強い決意がつづきました。
 行動の締めくくりに、春闘共闘の伊藤潤一東京地評議長は、なんとしても賃上げを勝ちとろう と参加者に呼びかけつつ、最終回答まで全力で奮闘しようとのべました。最後に、厚生労働省・人事院に対し、シュプレヒコールをぶつけ、参加者の決意が霞が 関官庁街にこだましました。

総務省前を埋め尽くした公務・民間の仲間が要求リレー

 13 時すぎからは、総務省前で「怒りの座り込み行動」がとりくまれました。
 主催あいさつで、公務労組連絡会の山口隆議長は、「構造改革 の推進、国民と公務労働者の分断を許さず、賃上げでこそ景気回復を前進させよう」と訴えました。民間労組を代表して民放労連・井戸秀明書記長は、「民間・ 公務ともに賃金改善で要求を前進させることが今春闘の課題だ。いい仕事・公共サービスを提供するために共同してたたかおう」と連帯のエールをおくりまし た。
 情勢報告に立った公務労組連絡会の黒田健司事務局長は、前日にとりくんだ総務省交渉で、あらためて政府として賃下げ法案の検討 をすすめていると明らかにされたことを報告しつつ、「財政の厳しさを理由に公務員の賃下げはまったく道理のないもの。財政危機は政府・大企業による責任が あり、公務労働者に負担させるものではない」と厳しく批判しました。そのうえで、公務・民間の共同のひろがりが菅内閣を押し込んでいるとして、「3・17 全国統一行動」などでのさらなる奮闘を呼びかけました。
 このあと、参加者は、総務省前に座り込み、整然と行動をつづけました。参加 者による「要求リレートーク」では、「社会保険庁の不当解雇を許さず、公務の特殊性・専門性をもつ職員の解雇を撤回させよう」(全司法・出口副委員長)、 「自治体職員を正規から非正規に置き換え、地方交付税削減で苦しめられた地方にとって、公務員賃下げは更なる引き下げをもたらすもので認められない」(岡 山自治労連・清水書記長)、「臨時教員のワーキングプアの実態を告発し、安定して働ける教育現場をつくることが求められている」(全教青年部・京教組中西 さん)、「郵政職場における非正規職員の雇い止を阻止し、正社員化を勝ちとっていく。また、郵政事業会社の経営不良のつけを回させない」(郵産労・安達幸 人中央執行委員)、「超過勤務でメンタル疾患をわずらいながら、命を削って働いている教員が多くなっている。さらに深堀りが行なわれようとしている。教職 員のよりよい労働条件を勝ちとるためにがんばる」(長野高教組の松樹純子副委員長)などの発言とともに、その後も、特殊法人労連の竹内清事務局長、国公労 連・全気象の十河(そごう)関西地本書記長、自治労連非正規公共評議会の仁木さんなどがリレートークで怒りと決意をのべました。
 ま た、連帯して駆けつけた農民連の上山さんは、「公務員の賃下げはとんでもない話だ。政府は、TPP参加で農村と地域経済・医療が破壊しようとしている。 1,100を超える自治体が反対の決議をあげている。食の安心・安全を守るためTPPを阻止運動に全力をあげる」とあいさつし、全国で不当な雇い止めの攻 撃にさらされている民事法務協会労組から、近畿支部の板井書記長が、住民へのサービス向上と結びつけてたたかう決意を示しました。
  総務省のむかいの裁判所前では、JAL不当解雇撤回を求める裁判の第1回審理にあたって、航空労組連や全労連も参加する支援共闘会議の宣伝行動が、同時進 行でとりくまれており、公務部会の廣岡代表委員が、ともに奮闘する決意をこめて原告団へエールを送りました。
 座り込み行動の間、参 加者は一人一人の要求や怒りを描いた「要求プラカード」を作成しました。また、解雇撤回や雇い止め阻止にむけて奮闘する仲間たちへのカンパが訴えられ、社 保庁解雇撤回闘争団の國枝さんから、解雇撤回にむけて奮闘する決意と争議への支援の訴えがのべられました。
 座り込み行動の最終盤で は、政府に対する公務員賃金引き下げ反対の職場決議・引き下げ反対署名を宣伝カーの前に積み上げ、参加者代表から直接、総務省の担当者に手渡しました。提 出した個人署名は4,540筆、職場決議が3,622通となりました。今後もとりくみを継続し、政府に賃下げの断念をせまっていきます。
  行動のしめくくりに、総務省へ向かってシュプレヒコールで怒りをぶつけ、参加者は、引き続く銀座パレードの出発点となる日比谷公園へと移動しました。
  日比谷公園の中幸門からデモ行進に出発した参加者は、総務省前でつくった思い思いの「要求プラカード」をそれぞれが高く掲げ、シュプレヒコールを繰り返し ながら、今春闘でのすべての労働者への賃上げを、銀座の目抜き通りを行き交う歩行者に訴えました。

以 上