No. 767
 2010年9月30日
賃下げ阻 止、怒りの9・30中央行動に1000人

= 全労連が秋季年末闘争で中央行動を展開 =

 菅内閣が「マイナス勧告以上の給与引き下げ」をねら い、第176臨時国会の開会を前日に控えた9月30日、全労連・春闘共闘・公務部会・公務労組連絡会は、公務員賃金改善、労働基本権回復、労働者派遣法の 抜本改正などを求めて中央行動にとりくみました。
 冷たい雨が降りしきるあいにくの天候のなかを、総務省前要求行動、中央総決起集 会、全国会議員要請行動などを展開、全国から1,000人が参加しました。

政府による公務員賃金の切り下げは断じて許さない!

  ちょうど雨足が強くなった昼過ぎ、総務省前の要求行動が始まりました。公務部会の松本事務局次長の司会進行のもと、主催者あいさつに立った山口公務労組連 絡会議長は、昨日の総務省交渉の内容にもふれながら、「政府による賃下げが強行されれば、人勧尊重としてきた立場をみずから否定することになる。景気回復 を遅らせ負のスパイラルが加速する。使用者としての責任放棄のなにものでもない」とし、職場・地域から運動をひろげることを呼びかけました。
  民間労組を代表して激励にかけつけた全農協労連の国分委員長は、「公務員賃金削減は民間準拠、とりわけ第1次産業に従事する労働者にも影響をもらす。全国 の農協や獣医師は宮崎口蹄疫で応援した。この仲間に冷水を浴びせかけるようなものだ。また、米価が急落するもと、労働者の安定した賃金・農民の安定した米 価の保障を求める」と訴えました。
 秋山事務局次長は情勢報告で、菅首相は民主党の代表選挙で「人勧を超えた削減」を表明する政治状 況にふれ、「マイナス人勧阻止、雇用を守り、官民共同のたたかいを大きくひろげよう」と報告しました。
 続いて3人の決意表明では、 「交通運輸をめぐる事業は規制緩和が推し進められ、運賃のダンピングで安全意識が薄れ、国民の安全が脅かされている。早急な要員体制の拡充強化を求めてい く」(国公労連全運輸・中村中執)、「自治体では正規から非正規の職員への置き換えが進み、非正規は3年で雇い止めが行われており多くの部分の仕事を担っ ている。これでは仕事がなりたたない。非正規・低賃金の差別はすぐにやめさせるべき」(千葉県職労・片山書記長)、「大阪府の橋下知事は、公務員の大改革 をすすめている。府の職員の賃金は、10年以上にわたって減りつづけている。職場学習と『怒りの一言』運動などにとりくんいく」(大教組・末光書記次長) など怒りの発言がつづきました。
 最後に郵産労の兼子中執のリードで、総務省にむけてシュプレヒコールをぶつけました。

地域に 足を出し共同広げ要求を実現しよう!

 午後1時20分からは、全労 連・国民春闘共闘・労働法制中央連絡会主催の「公務員賃金の切り下げ許すな!公務・公共サービス拡充、労働者派遣法の抜本改正、秋年闘争勝利9・30中央 総決起集会」が社会文化会館で行なわれました。
 はじめに、主催者を代表して全労連の大黒議長があいさつし、「国民が新しい政治シス テムを模索しているこの時期に、国民生活・地域経済をますます破壊する構造改革への逆流を許さず、賃上げや社会保障の拡充、地域経済の回復など、官民の共 同をさらに広げて実現させよう」と呼びかけました。
 連帯あいさつ・国会報告では、日本共産党の宮本たけし衆議院議員から、今臨時国 会が国民生活などにてらして大変重要な国会であることが報告され、「公務を守ることは国民へのサービス拡充のためかけがえのないこと。あらためて公務に光 をあてることを国民世論としていくために、ともにがんばろう」と連帯のあいさつをいただきました。
 労働法制中央連絡会からJMIU の生熊委員長が民間労組も代表し、「公務員賃金の引き下げが民間賃金にも影響を及ぼすことは明らか。公務包囲網を官民で連携して突破しよう」と激励のあい さつをおこないました。
 その後、全労連公務部会の黒田事務局長が情勢報告を行い、公務労働者の賃下げは消費税増税など国民犠牲の 「露払い」とされていること、今年の最低賃金の改善は不十分ではあるがこれまでの粘り強い運動の到達点であること、公務・公共サービスの拡充と労働基本権 の回復を一体のものとしてたたかいを強化すること−などが報告され、「地域に足を出して共同をさらに広げ要求を実現させよう」と訴えました。
  各団体から決意表明では、国公労連の瀬谷中央執行委員が「職場は疲弊し、怒りと要求があふれている。マイナス勧告の実施と憲法違反とも言える「深掘り」は 絶対に許さない」、自治労連の山口祐二副委員長が「非正規労働者の『雇い止め阻止!誇りと怒りの大運動』を展開し、あわせて公契約運動と最低賃金の引き上 げにむけて全力をあげる」、全教の北村書記長が「少人数学級の実現にむけて文科省が予算要求するなど歴史的な局面の中、ゆきとどいた教育実現のため奮闘す る」と、それぞれ力強く決意を表明しました。
 最後に、全労連公務部会の宮垣代表委員が、「今日の中央行動は1,000人の参加で成 功した。臨時国会での悪法の成立を許さず、幅広く国民と共同し、力を合わせて国民諸要求を実現させよう」と閉会のあいさつをし、団結がんばろうを三唱して 決起集会を閉じました。

 中央総決起集会の修了後、参加者は、労働者派遣法の抜本改正ほか、 各単産の要求を携えて新築された議員会館を訪問し、衆・参のすべての国会議員への要請行動にとりくみました。
 また午前中には全教は 財務省前、自治労連は総務省前で意思統一・要求行動をおこないました。

以 上