No. 761
 2010年8月4日
真夏の太陽が照りつけるもと座り込み決行中

= 理不尽な賃下げねらう人事院に怒りの声が集中 =

 人事院がねらう「マイナス勧告」と56歳以上の職員の一律給与引き下げに反対して、公務労組連絡会・全労連公務部会は、8月2日から6日まで人事院前の座り込み行動を配置、仲間たちが一歩もゆずらぬ決意でたたかっています。
 連日、30度を超える猛暑のなか、在京・近県から100名を超える参加者が、理不尽な賃下げをねらう人事院に対して怒りの声をぶつけています。


人事院総裁は、ここに出てきて説明しろ!

人事院にむけてシュプレヒコール  座り込み3日目をむかえた8月4日は、真夏の太陽が人事院前の歩道を照りつけるなか、午前10時から行動がはじまりました。主催者を代表して宮垣公務労組 連絡会副議長・国公労連委員長があいさつし、うだる暑さのなかで座り込む参加者を激励しつつ、人事院があくまでねらう賃下げに反対し、最後の最後まで整然 と行動しようと呼びかけました。
 黒田公務労組連絡会事務局長の行動提起では、人事院勧告が8月10日頃に予定されるとともに、中央最低賃金審議会で議論されている地域最低賃金の目安額が4日には小委員会でまとまり、6日には答申が出される局面をむかえていることが報告されました。
 こうした情勢とともに、8月6日には、公務労組連絡会や国公労連が勧告前では最終の人事院交渉を配置することから、座り込み最終日は15時まで行動を延長し、「最賃・人勧」一体のとりくみとして成功させるため、一人でも多くの仲間の参加を呼びかけました。
  その後、各単産からの決意表明があり、国公労連・自治労連・全教の代表とともに、日本医労連の山田副委員長から「国立病院は独立行政法人だが、人勧準拠で 給与が決められる。病院は長年の経験が役立つ職場だが、なぜ経験を持ったベテランを賃下げするのか!」と怒りの声があがりました。郵産労の上平中執からも たたかう決意がのべられました。
 11時すぎからはじまった全参加者による「リレートーク」では、次のような発言がつづきました。参加者は、職場の怒りをもって、東京はもとより、千葉、埼玉、茨城、群馬などからも駆けつけました。
 * 人事院は、職場と地方の実態を見ているのか。民間との比較で賃下げするのではなく、生計費にもとづいて賃金を決定せよ。
 * 「公務員バッシング」のなかで、青年は決して高いわけではない自分たち賃金についてものを言えない。そこにつけこむ人事院の攻撃は許せない。青年もがんばる。
 * 組合の組織人数がなかなか増えないなかで、組合の存在価値が示されるたたかいだ。ねばり強くがんばろう。
 * 独立行政法人は人勧準拠で給与を決めるが、今回の56歳以上の賃下げは、当局に恣意的に利用される危険がある。人事院の給与改悪攻撃は許さない。
 * なぜ50歳代後半を攻撃するのか!大学や高校の子どもを持つもっとも生活が厳しい世代だ。
 * 道理も何もないやり方だ。今の50歳代後半は、若いときには賃金の低さに泣いてきた。やっと上がりかけたと思ったら、今度は賃下げだ。断じて許せない。
 * 人事院はふざけるな!60歳まで住宅ローンを組んできた。生活設計をどうしてくれるのか。
 * まったく道理のない賃下げだ。人事院は、説明責任を果たせ。
 * 大企業は、賃下げで内部留保をため込んできている。そうした民間賃金を単純に比較して給与を決める人事院は、大企業の賃下げのお先棒をかつぐようなものだ。江利川総裁は、ここに出てきて説明しろ!
 * この賃下げを許せば、全職員の賃金が容易に引き下げられるようになる。人事院総裁は頭を冷やせ!

人事院勧告の動向は民間賃金にも影響する

 昼休み時間帯には、参加者全員が立ち上がって横断幕をかかげながら、人事院にむけた要求行動にとりくみました。
  主催者あいさつした野村公務労組連絡会副議長・自治労連委員長は、「臨時国会では、みんなの党の江田議員が、『公務員の首切りのために、労働基本権を与え よ』などと主張している。憲法で保障された基本的人権に対する侮辱だ」とのべ、「マイナス勧告阻止にむけた熱い気持ちを人事院に伝えよう」といっそうの奮 闘を訴えました。
 激励に駆けつけた全労連の大黒作治議長は、「56歳以上の賃下げは、政府の要請に応えたもので認められない。人事院勧告は、 700万労働者に直接影響する。国民的なたたかいであるとの確信を持って、ねばってねばってねばりぬこう」と熱く訴え、JMIUの三木陵一書記長は、「使 用者側の圧力を押し返し、最低賃金目安額の決定が8月にずれ込んでいる。7・28中央行動をはじめとするたたかいの反映だ。人勧の動向は民間にとっても重 大だ。公務・民間がともに手を取り合ってたたかおう」と、参加者を激励しました。
 国公労連の上田中執から勧告をめぐる現局面について報告があり、6日の事務総長交渉にむけて、座り込み行動でたたかいぬく決意がのべられました。
  各単産からの決意表明では、「霞が関では、4割以上が夜8時すぎまで残業している。なのに賃下げか!人事院は、納得できるデータを示し、労働組合と徹底的 に交渉せよ」(国公労連・全経済・伊波書記長)、「地域手当が7%ダウンしたが、市当局は、財政状況の厳しさを示すだけで、労働組合との交渉を拒否してい る。職務給原則に反する人事院の賃下げに、一致団結してがんばろう」(自治労連・三浦市職労・潮崎書記長)、「賃下げが景気回復を遅らせ、就職をひかえた 高校生を直撃している。民間・公務の賃下げ競争は許さない。署名をギリギリまで集めきる決意だ」(山梨高教組・佐藤書記長)など、怒りの発言がつづきまし た。
 最後に、人事院にむけてシュプレヒコールをぶつけ、3日目の座り込み行動を無事に終了しました。

以 上