No. 758
 2010年6月23日
定年まで 働き続けられる職場環境の整備を

= 公務労組連絡会が高齢期雇用にかかわって全人連に申し入れ =

 公務労組連絡会は23日、自治労連・全教と共同して、 人事院が検討をすすめている定年延長問題にかかわって、全国人事委員会連合会(全人連)に要請しました。
 要請では、将来、年金支給 開始が65歳に繰り延べられるもとで、雇用と年金の継続をはかることを基本に、多様な働き方も準備しながら定年まで働き続けられる職場環境の整備を申し入 れました。

雇用と年金の接続へ労使合意のもとでの制度検討を求める

  全人連への要請には、公務労組連絡会から黒田事務局長、蟹澤事務局次長(全教)、松本事務局次長(自治労連)が参加しました。
 黒田 事務局長は、別掲の「要請書」を提出しつつ、国家公務員の定年延長にむけて、人事院が年内にも「意見の申出」をおこなうため検討をすすめているもとで、地 方自治体職員や教職員にも定年まで働き続けられる制度を確立することや、制度検討にあたっては、労使合意のもとですすめることを申し入れました。
  松本事務局次長は、年々仕事の量が増えるなかで、現在でも60歳の定年まで働けない実態を示しつつ、「雇用と年金の接続のために、定年年齢を延長するだけ では問題は解決しない。まず、働き続けられる職場環境をつくることが重要だ。ましてや、賃金が下げられるようなことはあってはならない」とのべ、蟹澤事務 局次長は、「教職員も同じような実態だ。また、定年延長にともなって新規採用が抑制されるようなことになれば、職場の活力低下にもつながる。柔軟な定数管 理などの検討を求めたい」と要請しました。
 全人連側は、「みなさんの要請はうけたまわった。関谷会長をはじめ関係者に伝えたい。ま た、各地方人事委員会にも伝える」とのべました。

以  上

【全 人連への要請書】

2010年6月23日

全 国人事委員会連合会
 会長 関谷 保夫 殿

公務労組連絡会
議長 山口 隆

地方公務員の高齢期雇用にかかわる要請書


  日頃から地方公務員の勤務条件の向上にご努力いただいていることに敬意を表します。
 人事院は07年勧告における報告で公務員の高齢 期における雇用問題について環境を整備する必要があることを指摘し、「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」(以下、研究会)を開催してきました。研 究会は、2009年7月に「最終報告」をとりまとめ、2013年度から段階的に定年年齢を65歳に引き上げることを提言しました。
  「最終報告」をふまえ、年金支給開始年齢の引き上げにあわせて、定年年齢を段階的に65歳まで延長することが適当であるとして、人事院は、本年中に政府に 「意見の申出」をおこなうことを表明し、また、政府も、定年年齢延長を公務員制度改革の重要課題に位置づけて、2011年中の法制化をめざしています。
  このように、国家公務員の制度検討がすすむなかで、地方公務員についても、雇用と年金の接続をはかることを基本に、安心して働き続けられる制度の確立が求 められます。
 つきましては、貴職が、労働基本権制約の代償機関としての役割を発揮し、国の改正動向を待つことなく、下記事項の実現 にむけて尽力されることを要請するものです。


1、地 方公務員の生活や仕事の実態をふまえた雇用と年金の接続をはかる制度をつくること。

2、長時間過密労働の解消を はじめ、健康で働きがいを持てる職場環境を実現し、定年まで働き続けられる条件整備をはかること。
(1)勤務日数や勤務時間の面など で多様な働き方を準備し、職員の自己選択を保障すること。
(2)加齢により就労が困難な職種を考慮するとともに、定員・定数管理の柔 軟化を図ること。

3、定年年齢の引き上げにあたっては、以下の要求項目を実現すること。
(1) 60歳までの賃金制度の引き下げ改悪はおこなわないこと。
(2)61歳以降は、60歳時点の給与水準を下回らないようにすること。
(3) 退職給付については、現行水準を維持すること。

4、定年延長等は重要な労働条件の変更であり、制度検討にあたっ ては、労働組合との交渉・協議にもとづき、労使合意のもとですすめること。

以 上