No. 752
2010年5月19日
最低賃金 改善、労働者派遣法改正、国民本位の
行財政実現などを求め、1500人の仲間が結集

= 全労連などが2010年夏季闘争勝利5・19中央行動 =

  すべての労働者の賃金底上げ、最低賃金1,000円の実現などをめざして、全労連・国民春闘共闘が「5・19中央行動」を展開しました。
  朝からのターミナル・官庁街での「最低賃金改善を求める早朝宣伝行動」、午後からの厚生労働省前要求行動、中央総決起集会、国会請願デモ、「労働基本権回 復・民主的公務員制度の実現を求める決起集会」などに、公務・民間あわせて全国から1,500が参加しました。

内需拡大に最賃引き上げを

  全労連井筒常任幹事の司会で始まった厚生労働省前要求行動には、最低賃金引き上げのたたかいを前に進めようと求める多くの仲間が結集しました。
  主催者あいさつした国民春闘共闘の伊藤代表委員は、「GDPが上昇しない中、成長しない国として国際的に評価されている日本」とのべ、「原因は個人消費の 減退にあり、民間シンクタンクや経営者も、内需拡大に最賃を引き上げるべきだとの声が上がっている。全国一律最低賃金1,000円を実現させよう」と呼び かけると、参加者は大きな拍手で応えました。
 情勢報告では、全労連伊藤常任幹事が、派遣法改正法案の国会での審議に関する状況を報 告しつつ、改 悪を許さないたたかいの重要性を訴えました。最低賃金の状況については、今後始める審議会の議論において、内需をつくる観点から議論すべきことを訴え、安 定した生活と雇用を守るたたかいの全力をあげようとのべました。
 続いて行われた決意表明では、全国一般林書記次長から「経営が厳し いとして、し わ寄せを受けているのは時間給で働く労働者」という実態や、福岡から上京した生協労連の中野副委員長から「最賃闘争本部をつくり、引き上げと委員の公正任 命に奮闘している」状況、JMIU栃木いすゞ支部の五戸(ごのへ)さんが「いすゞの派遣切りでたたかっているが、地方で最賃が低いことに大きな問題があ る」などと訴え、最賃引き上げのために奮闘する決意がのべられました。
 また、国公労連・全厚生の日本年金機構組合の峰書記長から、 社会保険庁による不当解雇撤回向けてたたかいの訴えがのべられました。
 最後に、全労連小松さんのリードによって、厚生労働省に向け て仲間の大きなシュプレヒコールが霞ヶ関に響きました。

最低賃金改善・公務員賃金の改善など諸要求実現

日比谷集会 13 時から日比谷野外音楽堂で最賃引き上げ・労働者派遣法抜本改正・「地域主権改革」反対・国民本位の行財政実現をもとめる5・19中央総決起集会を開催しま した。
 この間とりくんできた最低1,000円実現、派遣法抜本改正、後期高齢者医療制度廃止などの署名を舞台に積み上げてはじまっ た集会は、全労連大黒議長が主催者あいさつし、「政治の転換めざしてルールある経済社会の確立を求めてともにたたかおう」と呼びかけました。
  激励あいさつで日本共産党の市田書記局長は、通常国会も残すところ1か月を切り、民主党の横暴によって混乱する諸法案の審議状況を報告しつつ、政治を変え ることと平和への願いをかなえるため共産党は全力をあげると決意を表明しました。
 情勢報告で全労連小田川事務局長は、最賃闘争の強 化、労働者派遣法の抜本改正、きたるべき参議院選挙への奮闘を強調し、「運動の徹底強化こそ、情勢の転換の鍵を握っている」と強調しました。
  決意表明では、「住民のための仕事をするためには働くルールを確立することだ。地域主権改革の名による地域破壊は許さない。国はナショナルミニマムにおけ る国の責任を果し住民におしつけは許さないたたかいを展開する」(自治労連・猿橋書記長)、「地域にできることは地域にまわすという構造改革、これは道州 制に結びつく。政財官の癒着を断ち切る声をあげていこう」(国公労連全港建・高津書記次長)、「静岡では最低生計費運動を実施している。最低賃金は非正規 だけの問題ではない。静岡県公務共闘では人事院中部地方事務局にこの結果をもって賃金底上げの必要性を訴えていくつもりだ。高いのは富士山だけではなく生 計費も高いということを6月の集約結果で示す」(静岡県評林議長)などの発言がつづきました。
 生協労連かながわの安部さんは、 「パートだって、派遣だって、アルバイトだって最賃アップは僕らの願いなんだ〜」と替え歌で訴えました。また、資生堂アンフィニ分会の派遣で働く池田さん は28年前に台湾からやってきて、日本の差別に驚いたことを訴えました。
 最後に、労働法制中央連絡会の自由法曹団・鷲見弁護士が、 閉会あいさつ・団結ガンバロウをおこない、集会終了後は、小雨が降り始めるなかを国会請願デモに出発しました。

公務員の労働基本権は、国民のくらしといのちを守る権利
〜 労働基本権回復・民主的公務員制度の実現を求める決起集会 〜

  午後3時すぎからは、全労連公務員制度改革闘争本部主催の「労働基本権回復・民主的公務員制度の実現を求める決起集会」が社会文化会館ホールで開かれ、 400人が参加しました。
 蟹澤闘争本部委員(全教中執)の進行で始まり、小田川闘争本部長が主催者あいさつをおこないました。記念 講演で全労連の労働基本権プロジェクトチームの委員でもある大阪市立大学の根本到教授が、「公務労使関係制度改革の意義と課題」と題して記念講演をおこな いました。
  根本教授は、政府の労使関係制度検討委員会ワーキンググループでの議論などにふれながら、「制度改革を空中戦で議論するのではなく、どう活用していくかを 議論することが重要。公務員の労働基本権の実質的保障にくわえ、公務の民主化にもつながる」などと語り、「改革の内容によっては今まで以上にできなる恐れ もあり逆が進行してしまうこともありうる。全労連の方針はILOの立場に一番近く、みなさんでしっかり議論してほしい」とのべ、労働基本権をめぐる現状が わかりやすく解説されました。
 黒田事務局長が、夏から秋、来年にむけた情勢と運動の方向を提起しました。その後、各単産からは、 「労働基本権の 本来のあり方を国民に訴えていく」(国公労連・津川全労働中執)、「少数組合の排除は絶対に許さない」(自治労連・増田中執)、「職場に笑顔を取り戻すた めに奮闘する」(全教・川崎佐賀高教組書記長)、「民主的公務員制度の確立は民主的行政の基礎であり、民間労働者もともにたたかう」(建交労・藤好副委員 長)などの決意が表明されました。最後に、山口副本部長による団結がんばろうで意気高く集会を締めくくり、労働基本権回復に向け全力をあげることを誓い合 いました。

以 上