No. 731
2009年11月26日
共産党を のぞく与野党の賛成多数で衆議院を通過

= 給与法「改正」法案の総務委員会での質疑を継続(26日) =

 国家公務員給与法「改正」法案、育児休業等に関する改正法案は、26日午前の 衆議院総務委員会で審議がおこなわれました。
 前回の20日の委員会では、民主党など与党による財務金融委員会での強行採決に抗議して、自民・公明などの野党が欠席しましたが、25日から国会が「正 常化」するなかで、26日は野党各党も質問に立ち、法案審議がすすめられました。
 総務委員会では、共産党を除く各政党の賛成多数により給与法案は採択され、また、育児休業等に関する改正法案は、全会一致で採択されました。各法案は、 直後に開かれた衆議院本会議に上程・採択されたうえ、ただちに参議院に送付されました。
 公務労組連絡会は、20日に引き続いて委員会の傍聴行動にとりくみ、5名(国公労連3、自治労連1、事務局1)が参加しました。

地方自治体への通達は撤回・廃止を考える(原口総務大臣)


 この日の総務委員会では、秋葉賢也・橘慶一郎(自民)、西博義(公明)、塩川鉄也(共産)、柿澤未途(みんな)の各議員が質問に立ちました。
 このなかで、共産党の塩川議員は、 持ち家に係る住居手当の廃止について、政府を追及しました。質問を通して、持ち家率が国家公務員が8.5%にとどまっていることに対して、地方公務員で は、塩川議員の調査にもとづくと、神奈川県で41%、愛知県では45.5%にも上っていることを明らかにしました。
 そのうえで、総務省が地方自治体に対して、「技術的助言」と称して地方公務員も国に準じて住居手当を廃止するように圧力をかけている実態を示し、「国と 地方では、持ち家に係る住居手当の廃止による影響の大きさがまったく違う。国が自治体に指示することは問題だ」とのべ、原口総務大臣に見解を質しました。
 これに対して、原口大臣も、「国から地方に指示すべきでなはない。首長が判断して、各自治体で議論すべき問題だ。それが、民主党のめざす地域主権の考え 方だ。あくまでも国が強制すべきではない話だ」と答弁しました。
 塩川議員は、「実際に総務事務次官名による通達が出されている。総務省は、『上から目線』で地方に手当廃止をせまっている。これらの『技術的助言』は、 自公政権のもとで繰り返されてきたものだが、政権交代のもとで、こうした通達は撤回すべきだ」と強く求めました。
 こうしたきびしい追及がつづくなかで、原口大臣も、「通達を出した意図は確かめたい」とし、最後には、「通達の撤回や廃止をふくめて考える」と答弁せざ るをえませんでした。

「公務員給与削減はさらなる景気悪化をまねく」と反対討論

 各党の質疑が終局した後、討論に入り、石田真敏(自民) が、この間の民主党による強行採決などに強く抗議しつつも、法案には賛成する立場から発言し、共産党の塩川議員は、公務員労働者に大幅な給与減額をせまる 法案であり、反対であることをあらためて表明しました。
 塩川議員は、自公政権のもとで、総人件費抑制にむけた圧力がかけられた人事院勧告に対して、新政権としての何ら検証することなく給与法案として提出した 不当性を強調し、「そのような人事院勧告は、労働基本権制約の代償措置とは言えない」ときびしく批判しました。
 また、国家公務員の年収を15万4千円も引き下げることは、地方公務員をはじめ公務関連労働者に直接の影響を与え、ひいては、民間賃金にまで影響がおよ び、そのことが、さらなる景気悪化をまねくことから断じて認められないとの態度を明らかにしました。
 討論後の採決では、一般職国家公務員の給与法案は共産党をのぞく与野党の賛成多数により、また、特別職国家公務員の給与法案および育児休業等に関する改 正法案は、全会一致で採択されました。
 総務委員会での採択をうけて、法案は、同日午後から開かれた衆議院本会議に緊急上程され、委員会と同様にそれぞれの法案が採択されました。
 参議院に送付された各法案は、その日のうちに本会議で趣旨説明され、27日の参議院総務委員会での採決がねらわれています。公務労組連絡会では、参議院 でも緊急の傍聴行動を配置して、法案審議の監視を最後まで継続していきます。

以 上