No. 729
2009年11月18日
不況打 開、公務・公共サービス拡充を

= 秋季年末闘争・中央行動に公務・民間あわせて2500人が参加 =

 全労連公務部会・公務労組連絡会は18日、全労連・国民春闘共闘・交運共闘・ 日本医労連などと共同して、秋年闘争勝利に向けた中央行動にとりくみました。
 昨日の冷たい雨も上がり、全国から駆けつけた2500人の参加者は、日比谷野外音楽堂での中央総決起集会、労働者・国民要求の実現を求める霞が関包囲行 動や、国民犠牲の悪法はただちに廃止せよの声を国会請願デモでアピールしました。

日・韓の連帯でたたかいを交流
〜 秋年闘争勝利!へ総決起集会で決意固め 合う 〜

 12時20分から日比谷野外音楽堂で「09秋年闘争要求実現11・18中央総決起集会」が開催されました。午前中から日 本医労連は意思統一集会を開き、交運共闘は国土交通省と厚生労働省の個人請願行動にとりくみ、公務の各単産も独自行動を経て、参加者は続々と会場に集合し ました。
主催者あいさつで全労連大黒議長は、「11・8国民大集会の成功を契機に貧困の解消、民主的公務員制度の確立もとめ、雇用破壊を繰り返す大企業の横暴をや めさせよう。秋年闘争を粘り強くたたかい来春闘にむけて頑張る決意を固めあおう」とあいさつしました。
 集会には、日本医労連の招待で日本に到着したばかりの韓国全国保健医療労組の5人が駆けつけました。「韓国も日本もOECDに加盟しているにもかかわら ず守られていない。李明博政権は公務員の労働基本権も制約している。我々も手を携え医療、公務・公共事業の充実めざして、お金より命を大切にする大事さを 呼びかけてがんばろう」と呼びかけました。
 日本共産党の塩川鉄也衆議院議員は、総選挙後、政治を変えたいという世論の反映で鳩山新政権になったが、沖縄の普天間基地問題などをみていると、新政権 にまかせることは鳩山内閣に求めていく必要がある。公務・公共サービスの後退は許さず、年内の派遣村をつくることのないよう、たかってこそ政治は変えられ る」と連帯あいさつしました。
 全労連野村青年部書記長のシュプレヒコールで会場が盛り上がり、各単産からの決意表明に移りました。
東京医労連の都築副委員長は、「500病床ほどの病院の看護師をしているが、個室料金が高いために部屋が空いているにもにも関わらず、手術は1年以上待つ こともある。ベットが空いていても仕事は忙しい。16時間の深勤務がふえ辞めたいとの声がでている。医療・介護・人員増の法制度改善をもとめてがんばる」 と発言しました。
 交運共闘からは自交総連・菊池書記次長が、「交通運輸で働く仲間の怒りは爆発している。恒常的な疲労、福知山線の事故、飛行機の整備不良など規制緩和の 動きに抗議してきたが、人をモノとして扱いを抜本的に転換するよう求めていく」とのべ、 国公労連・全厚生・飯塚委員長は「社会保険庁の解体民営化に伴い 12月には廃止され、日本年金機構ができるが、100人をこえる分限免職(解雇)さえも予想される事態が伝えられている。引き続き支援をお願いしたい」と 決意を述べました。自治労連・猿橋書記長は、「地方確定の山場をむかえている。国を上回る勧告が出され、公務員の賃金人削減が広がっている」とのべ、賃金 確定闘争で要求の前進にむけて決意表明しました。
福祉保育労の山田中央執行委員の集会アピール提案のあと、最後に日本医労連の田中委員長は「世論の力で政権を換えたが新政権はぶれている。これを正すのは 私たちの運動だ」09秋年闘争の勝利と2010年春闘の前進にむけて閉会あいさつ・団結がんばろうで集会を締めくくりました。

総務省前要求行動
 総務省は使用者としての責任をはたせ!

中央集会のあと総務省、財務省、内閣府前の要求行動が同時並行で行われました。
総務省前では、公務労組連絡会木原幹事の進行のもと、250名の参加者が集まり、要求行動が行われました。主催者挨拶にたった公務労組連絡会野村副議長 は、「総務省が使用者としての責任を果たすこと」「格差と貧困をなくし住民本位の自治体となるよう支援すること」「郵政民営化からの転換」「国民の声を聞 くこと」を政府に求めるため、行動が展開されていると述べた上で、「日本社会の将来に向けた様々な綱引きが行われているが、大きな運動で国民本位の行政を 実現しよう」と訴えました。
続いて連帯挨拶を行った交運共闘事務局長の菊池書記次長は、摘発を逃れようと様々な手段を講じる悪質な事業者を摘発する行政の体制が不十分であることを述 べ、「安心・安全な交通運輸を実現するためには、公務職場に必要な人員配置が必要となっている。そのためにも、民間・公務の労働者が団結して要求実現に向 け奮闘しよう」とエールが送られました。
情勢報告は、公務労組連絡会の秋山事務局長が行い、給与法の国会審議状況を述べつつ「労働基本権の回復に向けた運動が重要となっている。公務・公共サービ スの充実をはかり、国・自治体が本来の役割を発揮できるように運動を進めることが求められている」と述べました。
連帯挨拶や情勢報告をうけ、国公労連・全運輸中村中央執行委員、自治労連秋田県本部星野副委員長、郵産労東京地本金子書記長の3名が決意表明を行いまし た。共通して「構造改革」「公務員削減」により、職場が荒廃している実態が述べられました。
こうした実態を改善させるためにも、私たちの運動が決定的に重要であることを確認し、総務省に向かって全教高橋中執の指揮で高らかにシュプレヒコールが行 われました。

財務省前要求行動
 大企業にも応分の税負担を〜民主的な予算 策定を求める

 財務省前では、国民本位の予算策定を求めて全労連公務部会門田幹事の進行で要求行動が開始されました。
 主催者あいさつに立った山口公務労組連絡会議長・公務部会代表委員は、医療や雇用、平和をめぐる総選挙後の情勢に触れながら「公務労働者の切実な要求を 実現するためにも、医療、福祉、介護、年金、教育など国民のくらしと命を守るとりくみに全力をあげよう」と呼びかけました。
激励に駆けつけた日本医労連の小池書記次長は、「新政権発足という新たな情勢のもとで、いのちを守る政治への転換求めて中央集会を開催した。今日は初めて の国会行動にとりくんでいる。いま、運動が広がりつつある」とあいさつしました。
蟹澤公務部会事務局次長は情勢報告で、公務員賃金引下げや深刻さを増す貧困の実態を示しながら、軍事費削減と大企業・富裕層の優遇やめよと、財務省に強く せまりました。
決意表明では、「地域医療調査活動をとおして地域医療を守るとりくみをすすめている」(自治労連北九州市職労・永冨副委員長)「30人学級は切実。高校生 の就職内定率は10%台」(全教北海道高教組・柳悌二さん)「事業仕分けがすすんでいるがメンバー構成を見ると構造改革推進者だ。内需拡大につながる国民 目線の予算が必要」(特殊法人労連竹内事務局長)などと、それぞれのとりくみや実情が訴えられました。最後に国公労連全労働・小田中央執行委員のリード で、財務省に向かって参加者の力強いシュプレヒコールが響きました。

内閣府前要求行動 
公務員の労働基本権を全面回復せよ!

 公務員削減反対、民主的公務員制度の確立を求める内閣府前要求行動は、午後1時30分から、松本公務部会事務局次長の司 会で行われました。
はじめに、全労連公務員制度改革闘争本部の宮垣副本部長が、原口総務大臣が公務員の労働基本権に関わって「公務員の人権保障、あるいは安心なくして公務の 質を上げることはできない」と話していることや、消防職員の団結権回復にも言及していることに触れ、「鳩山政権に対して早急に実現するよう全力を挙げてた たかいを強化しよう」と主催者あいさつし、つづいて、JMIUの三木書記長から「厳しい情勢の中でも組合員の直接雇用や正社員化を勝ち取るなど、労働組合 に結集してこそ将来展望をつくるという確信を広げている。公務の仲間とも連帯し、労働者・国民の要求実現のため全力をあげる」と連帯のあいさつが述べられ ました。
 黒田闘争本部事務局長の情勢報告では、政府の労使関係制度検討委員会の議論が急ピッチで進んでいることなどが報告され、委員会のなかでの「交渉コストの 議論」について「労働基本権の取り扱いをコストの問題にすり替えることは不当だ。労働基本権は基本的人権としてすべての労働者・国民に保障されるべき権利 であり、それを保障するのが当然だ」と問題を指摘しました。
つづいて、各地で奮闘している各単産の代表からの決意表明が行われ、国公労連から全法務の橋本副委員長が「定員削減計画が職員を苦しめている。複雑・高 度・増大する業務や行政サービスを拡充するため、広範な国民と連帯し、増員を求める国会請願採択を勝ち取るため奮闘する」、自治労連から岡山県倉敷市職労 の星原書記長が「消防職員の有志により東備消防協議会が7年前に結成され、職場の民主化を求めて活動している。裁判所も合法的な団体であることを認めた。 一刻も早い労働基本権の回復を求めていく」、全教から京教組の佐野副委員長が「子どもたちの学ぶ権利・生きる権利を保障するため、国の責任による就学保障 の充実と教職員の増員を強く訴えていく」とそれぞれ決意が述べられました。
 行動の最後に、自治労連の森永中央執行委員の音頭によるシュプレヒコールが行われ、公務員制度改革推進本部事務局へ向け「公務員制度の改悪反対!」「労 働基本権を返せ!」の要求を突きつけました。

国民要求実現を!国会にむけて請願デモと議員要請

 各省での要求行動終了後、参加者はふたたび日比谷公園に集合し、国会にむけて請願デモに出発しました。
 鳩山政権になってから初めての論戦の場となっている臨時国会が開かれるなか、政権公約にもとづく国民生活改善の要求実現を求め、シュプレヒコールを響か せました。
 また、請願デモ解散後は、衆・参のすべての国会議員を対象にして、要請行動にとりくみ、各単産の要求や労働者派遣法の抜本改正の実現を訴えました。

以 上