職場の実態把握に努め、監督官庁としての対応を求める
総務省・文部科学省への申し入れには、公務労組連絡会からは、黒田事務局長を先頭に、木原幹事(全教女性部事務局長)・水谷幹事(自治労連女性部長)、国公労連から橋本女性協議会事務局長が参加、また、松本・蟹澤の各事務局次長が随行しました。
各省では、別添の「要請書」を提出したうえ、黒田事務局長が、「民間の育児介護休業法改正法が先の通常国会で成立した。少子化、高齢化対策が、国をあげて
とりくまれている。その点から、本来ならば公務主導で改善をすすめていくべき課題だ。地方公務員や教員の制度改善にむけて、監督官庁として全力をあげるよ
う求める」と申し入れました。 参加者からは、「短期介護休暇が検討されているが、急な事態にも対応できるように柔軟で使い勝手のいい制度にして
もらいたい」「親の介護で退職せざるをえない職員もいる。監督官庁として、職場の実態をきとんと把握し、制度改善に努力すべき」「定員削減が繰り返され、
多忙ななかで奮闘している職員を励ますような制度を確立してほしい」など、職場実態にもとづく切実な要望が出されました。 また、ある職場では、
現在、1歳6か月まで育児時間が取得できていたものを、1歳までに引き下げる動きが報告されていることをあげ、これまでの運動で自治体独自で勝ち取ってき
たさまざまな国を上回る制度について、後退させる圧力をかけることがないよう強く申し入れました。 応対した各省の担当者は、「勤務条件条例主義
が基本だ。あくまでも、各自治体の権限に任されるものであり、国から圧力をかけることはない」と回答し、また、臨時・非常勤職員にかかわって、「政府全般
の課題と受け止めている」とのべ、要請項目全体について関係の各部局に伝えることを約束しました。 今後、取得しやすい育児・看介護制度の改善をめざして、各地でのマイナス勧告を許さないたたかいとあわせて、職場からのとりくみを強めていくことが求められています。
以 上
【別添資料:各省への要請書】
育児・介護休業制度の改善を求める要請書
民間の改正育児介護休業法の成立にともない、人事院は今年8月、国家公務員の育児休業等に関する法律の改正について「意見の申出」をおこない、同時に、育
児・介護をおこなう職員の両立支援を推進するため、超過勤務の免除、子の看護休暇の拡充、介護のための短期休暇新設にむけて人事院規則の改正をすすめるこ
とを明らかにしました。 こうした制度改善がひろがるもとで、男性も女性も利用しやすい制度とするために早急な改善が求められています。 貴省として、両立支援の充実のために力を発揮されるよう以下の点について要請いたします。
記
1、子どもの看護休暇について (1)日数は子ども一人につき5日(人数の上限なし)とし、有給・時間単位、積み上げ方式とすること。 (2)対象年齢を義務教育終了までとすること。 (3)取得要件に、予防接種・健康診査を付け加えること。 (4)別途、子育て全般に関わる内容の休暇を創設・拡充し、保育園や学校等の行事(入学式・卒業式・運動会・学芸会・授業参観・保護者会など)、入学説明会等も取得要件とすること。
2、創設される短期介護休暇について (1)名称を「家族看護休暇」とし、家族の病気や通院など急な事態に対応できる休暇とすること。要介護認定や要介護状態の診断書の提出などを求めないこと。 (2)被看護者一人につき5日(人数の上限なし)とすること。また時間単位・積み上げ方式とすること。
3、育児休業手当金について 現在1歳(特別な事情の場合1歳6か月)まで支給されている育児休業手当金については育児休業取得の全期間とし、当面6割支給とすること。
4、所定外労働の免除義務化について 3歳未満の子を養育する職員が請求した場合において、任命権者は、公務の運営に支障がないと認められるときは、所定労働時間を超えて勤務させないことを義務付けること。
5、臨時・非常勤職員に係る措置 上記1項および2項の休暇制度は、臨時・非常勤職員に対しても適用すること。その際、必ず有給の制度とすること。
また、育児・介護休業制度をはじめ正規職員に対し従来実施してきた両立支援に係る諸制度について、ILO条約175号(パートタイム労働者の均等待遇規
定・母性保護・有給の公の休日・病気休暇など)及び111号(雇用及び職業についての差別待遇に関する条約)に示された見地から、均等待遇をはかること。
6、その他 自治体が独自で制定してきた法を上回る内容については尊重すること。 |