No. 727
2009年10月22日
賃下げ給 与法案を来週中に国会提出

= 新政権が新たな判断を回避、勧告 どおりに法案作成 =

  公務労組連絡会は10月22日、給与法案の扱いなどをめぐって総務庁と交渉しました。
 交渉では、鳩山新内閣に変わって9月24日に 提出した「要求書」をふまえて、賃下げ勧告にもとづく給与法案を国会提出しないことなどを求めました。
 これに対して、総務省側は、 「人事院勧告制度の尊重」を繰り返し、来週中に給与法案等を閣議決定し、国会提出することを明らかにするなど、きわめて不満な回答に終始しました。


賃下げは可処分所得増加めざす連立政権の政策に逆行

  総務省との交渉には、公務労組連絡会から黒田事務局長、蟹澤・松本の各事務局次長、門田幹事が参加、総務省は、人事・恩給局の澤田(給与担当)、仁井谷 (服務・勤務時間担当)の各参事官補佐、遠山課長補佐ほかが対応しました。
 黒田事務局長は、「9月の要求書提出の際には、新政権の もとでの新たな判断を求めてきた。それから約1か月が経過するなかで、納得できる誠意ある対応を示していただきたい」として回答を求めました。
  総務省側は、「みなさんの要求は真摯に受けとめたい。しかし、総務省としては、労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告制度を尊重するのが基本姿勢 だ。その点は変わらず、09年人事院勧告にもとづいて給与法改正法案が提出できるように検討をすすめる」と回答し、加えて「政権交代による新たな判断を求 める話があったが、20日の閣議において、原口総務大臣が人勧どおりの法案作成の方針を報告し、鳩山内閣として了承されている」とのべ、具体的には来週中 (27日を想定)に法案を国会提出するために準備をしていることを明らかにしました。

景気回復にむけた積極的な立場での政治判断を

  これに対して、黒田事務局長は、「要求に何ら応えておらず、きわめて不満な回答だ」とのべ、「失業率も有効求人倍率も、史上最悪になっており、失業者はこ れからも増えるとの見通しも示されている。鳩山連立政権の政策では、景気回復にむけて、国民の可処分所得を増やし、消費拡大をめざしている。公務員給与が 下がれば、民間賃金にも否定的な影響を与える。連立政権のめざす方向とも逆行している。ますます景気が冷え込むこととなる。勧告どおりの給与法案提出は断 じて認められない」と厳しく追及しました。
 蟹澤事務局次長は、「『勧告尊重』との回答を繰り返すが、新政権としての政治的判断が あってしかるべきだ。経済危機のもとでの景気悪化を回避するため、政府としての積極的な対策が求められている。公務員が減らされ、年々多忙になるなかで奮 闘している職員の士気も低下する。賃下げするなら、労働基本権を返すべき」とのべ、その他の参加者からも、地域の声や職場の実態が伝えられ、あわせて、臨 時・非常勤職員の賃金・労働条件の改善が強調されました。
 総務省側は、「非常勤職員の労働条件の改善は、総務省としても取り組みを 強めていきたい」としつつも、「勧告制度尊重の立場には変わりないが、今後とも、引き続き、みなさんと十分に意見交換の場を持っていきたい」と回答するに とどまりました。
 交渉では、給与法案とともに、人事院の「意見の申出」にもとづいて、育児休業等に関する法律の改正法案を同時に国 会提出することが明らかにされました。公務労組連絡会では、法案提出後も、国会傍聴行動などを配置し、諸法案の審議の行方を監視していきます。また、育児 休業法の改正法案提出にともない、地方公務員・教員の育児休業等の制度改善を求めて、総務省・文科省への要請にもとりくみます。

以 上