No. 724
2009年8月24日
明日 (25日)閣議決定の構えを変えず

= 09年人事院勧告の取り扱いをめ ぐって総務省と最終交渉 =

  公務労組連絡会は24日、月例給・一時金ともに引 き下げる「賃下げ勧告」の実施に反対し、総務省との最終交渉にのぞみました。
 8月中の閣議決定が明らかにされた20日の交渉につづ いて、公務員の賃下げが景気に悪影響を与えることや、労働条件の不利益変更にあたっては労使間の十分な話し合いが必要な点を中心に厳しく追及しましたが、 総務省側は、あくまでも勧告どおりに25日に閣議決定を強行する構えを崩しませんでした。
 公務労組連絡会は、職場から届けられた 「緊急要請書」を積み上げ、総選挙を目前にして、勧告を政治的に取り扱う不当性を指摘しつつ、選挙後の新たな政権のもとでの「再判断」も含めた対応を求め ました。

      緊急に届けられた 1,118通の「要請FAX」を積み上げる

 総務省との最終交渉は、公務労組連絡会からは山口議長を先頭に、黒田事務局長、蟹沢・鈴木の各事務局次長、木原・門田の各幹事が出 席、総務省側は人事・恩 給局総務課の砂山総括課長補佐、遠山課長補佐ほかが対応しました。
 はじめに山口議長は、8月中の閣議決定が明らかにされた20日の 交渉以降にFAXで届けられた1,118通の「緊急要請書」を提出し、「政府が今月中にも勧告実施を決定しようとしていることに対して、職場からは、強い 怒りの声が上がっている。こうした職場の声にも応えて、勧告の取り扱いにかかわる検討状況についてうかがう」と質しました。
 これに 対して、砂山総括課長補佐は、以下のように回答しました。
【総務省最終回答】
     本年度の国家公務員の給与改定については、去る8月11日に人事院勧告を受け取って以来、関係府省間で検討を進めてきたところだ。総務大臣からも、国の 財政事情をはじめ国家公務員給与を取り巻く環境が極めて厳しい中、給与関係閣僚会議で、労働基本権制約の代償措置の根幹を成す人事院勧告制度を尊重すべき との立場で意見をのべてきた。
     その結果、明日、第2回目の給与関係閣僚会議を開き、そこでは、国家公務員の給与について勧告どおり改定する旨の決定がなされるものと思う。給与関係閣 僚会議で決定がなされれば、その後の閣議において政府として取り扱い方針が決定されることになる。
     本年の給与改定は、職員の皆様にとって厳しい内容となるが、何卒御理解願うとともに、今後とも、国民の信頼にこたえ、公務能率及び行政サービスの一層の 向上に努めていただきたい。

          選挙後の新しい政権のもとでの判断を求める

 回答に対して、黒田事務局長は、「労働組合との十分な話し合いもな く、労働条件の不利益変更を一方的に決定することは認められない。さらに、政権末期での駆け込み的な閣議決定は、政治的なねらいを持ったものであり、公務 員賃金を政治の道具として利用するものだ」と、回答内容に強く抗議しました。交渉参加者からも、「1千通を超える緊急要求書に込められた声を聞け。『厳し い内容だが理解願う』などと言われても、納得して帰るわけにはいかない」「交渉も尽くされず、勧告からわずか2週間での閣議決定はあまりにも乱暴だ」など と一斉に怒りの声があがりました。
 砂山総括課長補佐は、「国の厳しい財政状況も理解してもらいたい。勧告からの期間は短かくとも、 きちんと組合とも議論を尽くしたつもりだ」と強弁しました。また、「勧告の政治的利用との指摘もあったが、その点は、申し上げる立場にない」などと無責任 な対応に終始しました。
 引き続く時間をかけた交渉を求めた公務労組連絡会の主張とは議論がかみ合わず、山口議長は、「自律的労使関 係の確立がめざされているもとで、労使間の納得と合意もないまま、使用者たる政府が一方的に勧告の実施を決定しようとしている点は重大だ」と指摘するとと もに、「公務員賃金の賃下げは、消費の後退で景気悪化につながる。不況打開が、政治的な重要課題である以上、そのこととも関連する公務員賃金の取り扱い は、総選挙後の新たな政権で判断せよ」と求め、最後に、「仲間たちの怒りが示された『緊急要請書』を重く受けとめよ。佐藤総務大臣にそのことをきちんと伝 え、再検討を求める」とのべて交渉を閉じました。

以 上