No.717
2009年6月5日
夏の人事院勧告にむけてたたかいがスタート

= 賃上げで景気回復を!政府・人事院に夏季重点要求を提出 =

 公務労組連絡会は10日、政府・人事院に対して、「夏季重点要求書」を提出しました。
 不当な夏季一時金削減が強行され、その影響が民間労組にもあらわれているもと、要求提出にあたって、すべての労働者の賃上げで景気回復をはかる立場か ら、公務員賃金や諸手当、労働時間の短縮や休暇制度の改善を強く求めました。
 また、「官製ワーキングプア」の解消へ、臨時・非常勤職員の賃上げ勧告(人事院)、使用者責任にもとづく改善(総務省)にむけて具体的な検討を求めまし た。

 夏季一時金削減が職場から新たな怒りを呼び起こす

 夏季重点要求の提出には、公務労組連絡会から黒田事務局長を先頭に、蟹澤・鈴木の両事務局次長、また、国公労連からは伊藤書記(調査 担当)が出席しました。
 人事院では、職員福祉局の小林主任職員団体調査官が対応しました。
 黒田事務局長は、はじめに、「夏季一時金削減の勧告は、あらためて遺憾の意を表明する」と抗議したうえ、人事院勧告にむけた各要求項目のポイントを示し ました。とりわけ、今年は、公務労働者の要求の切実さにくわえ、経済状況が悪化するなかで、景気回復のためにも労働者の賃上げが重要課題となっていると主 張しました。
 また、春闘期の回答で示された持ち家に係る住居手当の廃止はおこなわないことや、無定量な超過勤務縮減にむけた実効ある対策、パワーハラスメントの指針 策定をはじめ健康・安全確保などを求めました。
 とりわけ、臨時・非常勤職員の労働条件改善へ、春闘期の回答もふまえた夏の勧告での具体化を要求しました。
 その他、参加者からは、夏季一時金削減が職場の新たな怒りを招いていること、自治体の独自の賃金カットともあいまって、職員の働きがいを失わせているこ となど職場の状況がのべられました。
 人事院の小林主任職員団体調査官は、「本日みなさんからいただいた要求書は、関係部局に伝え、検討をすすめたい」とのべました。

民主的公務員制度確立へ所管官庁として責任を果たせ


 総務省への要求提出では、人事・恩給局総務課の遠山課長補佐ほかが対応しました。
 黒田事務局長は、要求書を遠山課長補佐に手交したうえで、「完全実業率が5%を超え、企業倒産件数も月に1千件を超えている。麻生内閣がめざす景気回復 のためには、個人消費の拡大が重要であり、そのためには賃上げが必要だ」とのべ、各要求項目の実現を求めました。
 とくに、「公務員制度改革」関連法案が国会に提出され、労使関係制度検討委員会で「自律的労使関係」の確立が議論されるもと、公務員制度の所管官庁とし て、民主的な公務員制度の実現を求めました。
 遠山課長補佐は、「要求書の趣旨はうかがった。どれも切実なものであると思っている。要求をふまえて、しっかりと誠意をもって検討し、回答したい」との べました。

以 上


2009年6月10日

                                                                               
人事院総裁 谷 公士 殿

公 務 労 組 連 絡 会
議  長  山口 隆


公務労組連絡会2009年夏季重点要求書


 昨年来、世界経済の急激な悪化にともない、企業の業績がのきなみ減収・減益となり、「派遣切り・期間工切り」と称した大量の首切りや、09春闘でのベア ゼロ、定期昇給の見送りなど、労働者の雇用と生活はかつてない厳しさにさらされてきました。
 消費拡大による景気回復が求められるなか、公務労組連絡会は、09春闘において、「月額11,000円」の水準要求をはじめ、「誰でも1万円以上」の賃 金底上げを要求し、人事院に対してその実現を強く求めてきました。
 しかし、人事院から示された春闘期の最終回答は、「官民較差にもとづく適正な給与水準の確保」とするもので、要求からすればきわめて不満な内容にとどま りました。
 そればかりか、最終回答からわずか2週間もたたないうちに、民間の一時金の大幅減を口実に「特別調査」を開始し、人事院みずからが「精確性等の不確定要 素」を認めざるをえないデータを使い、夏季一時金の0.2月削減を勧告したことは、労働基本権制約の「代償措置」としての人事院勧告制度の根幹にかかわ る、きわめて重大な問題を残しました。
 一方、春闘期の回答では、自宅に係る住居手当の廃止や、地域別の官民給与実態の公表など勧告にむけた具体的な課題が示されましたが、これらは、中央・地 方、地域間の格差をいっそう拡大するものであり、慎重な検討が求められています。同時に、臨時・非常勤職員の賃金・労働条件にかかわっては、昨年の「給与 指針」につづき、「休暇及び健康診断の在り方」への検討方向が示されるもとで、具体的な措置の確実な実施が急務の課題となっています。
 こうした問題意識に立って、8月の人事院勧告にむけた重点要求を下記の通りまとめました。公務員労働者の労働基本権制約の「代償措置」としての人事院の 役割を発揮するとともに、民主的行政・教育の確立を求める国民の期待をふまえ、公務労組連絡会の要求を真摯にうけとめて誠意ある回答を求めます。


1、賃金の改善等について
(1) 公務員給与について、生活と労働の実態をふまえた改善を行うこと。
(2) 官民給与の比較対象企業規模を「100人以上」とすること。
(3) 一時金の水準を維持すること。
(4) 賃金底上げの観点から初任給を改善し、民間初任給との較差を是正すること。
(5) 特別給に占める勤勉手当の割合を縮小すること。また、役職傾斜支給、管理職加算制度については、上下格差を縮小すること。
(6) 較差の配分、手当のあり方などについては、労働組合と十分な交渉・協議を行い、合意すること。諸手当については、以下の要求を実現すること。
 @ 扶養手当について、支給範囲及び支給額を改善すること。
  A 住居手当について、その負担実態に即して支給内容を改善し、全額支給限度額・最高支給限度額の引き上げを行うこと。なお、自宅に係る住居手当は、廃止 しないこと。
 B 通勤にかかわる一切の自己負担をさせないよう通勤手当を改善するとともに、支給要件を緩和すること。
 C 単身赴任手当の支給額を改善するとともに、支給要件を緩和すること。
 D 特地勤務手当の支給基準の「見直し」にあたっては、離島・僻地の生活不便度、物価・生計費など都市部との相対的な格差を十分に反映した改善をはかる こと。
 E 寒冷地手当について、支給額・支給対象者・支給地域の改善を図ること。
 F 超過勤務手当の支給割合を150%に、深夜勤務及び休日給の支給割合を200%に引き上げること。少なくとも、改正労働基準法の水準に合わせるこ と。
 G 夜間看護等手当を改善すること。
(7) 新たな人事評価制度の任用・給与等への活用にあたっては、評価制度の信頼性について十分な検証を行うとともに、労働組合と十分な交渉・協議を行う こと。

2、非常勤職員の処遇改善について
(1) 制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などの法整備を図ること。
(2) 労働条件の改善について勧告を行うこと。
(3) 休暇等を常勤職員と同等の制度とするとともに、以下の事項について、早急に改善すること。
  @ 無給とされている休暇を有給とすること。
  A 夏季休暇、結婚休暇及び育児休業などの制度化をはかること。
 B 年次休暇や忌引き休暇、病気休暇などの取得要件を直ちに緩和すること。
 C 常勤職員と同等の各種健康診断を実施すること。

3、勤務時間、休暇制度改善等について
(1) 交替制勤務者の連続勤務時間を短縮し、連続拘束時間について上限を設けるなど必要な改善措置を講じること。
(2) 勤務時間管理を徹底し、超過勤務の大幅な縮減と不払い残業の根絶を図るため、本府省における在庁時間の縮減とりくみ状況を検証するとともに、超過 勤務時間の上限規制を設けるなど、実効ある対策を盛り込むこと。
   また、超過勤務縮減などにかかわる労使による協議機関の設置を義務づけること。
(3) 介護のための短時間勤務制度について早急に制度化すること。
(4) 子どもの看護休暇制度を子ども一人につき5日以上とすること。当面、二人以上については10日とすること。また、家族の看護休暇制度を新設するこ と。

4、男女平等、母性保護の拡充等について
(1) 産前休暇を8週間、産後休暇を10週間とし、産前6週間の就業禁止期間を設けるとともに、産休代替要員を全職種、全期間確保すること。また、妊娠 障害休暇を新設すること。
(2) 妊産婦について、深夜・時間外・休日労働や危険有害業務の禁止、他の軽易な業務への転換、勤務時間短縮など労働軽減をはかるとともに、正規職員に よる代替措置を講ずること。
(3) 各府省が策定した「女性職員の採用・登用拡大計画」が実効あるものとなるよう、数値目標の設定を徹底させるなど指導を徹底すること。

5、健康・安全の確保について
(1) 過労死・過労自殺及び公務災害の根絶のため、産業医の配置や管理者研修など職場の「労働安全衛生」対策を強化するとともに、職員の「心の健康」の 保持増進に必要な対策を強化すること。
(2) パワーハラスメントに対する指針を策定するとともに、具体的な対策を講じること。また、「精神疾患等の公務上災害の認定指針」の別表「公務に関連 する負荷の分析表」を職場環境の変化を踏まえて見直すこと。

6、高齢対策について
(1) 雇用と年金の連続性を確保する観点から、定年年齢を65歳とすること。
(2) 再任用制度の活用については、希望者全員の雇用が可能となるよう運用の適正化を図ること。
  また、再任用の定員管理については、弾力的な運用が可能な仕組みとすること。
(3) 再任用職員の生活関連諸手当について、常勤職員と同様に支給すること。

以 上




2009年6月10日

                                                                               
内閣総理大臣
   麻生 太郎 殿
総 務 大 臣
   鳩山 邦夫 殿

公 務 労 組 連 絡 会
議 長  山口 隆


公務労組連絡会2009年夏季重点要求書


 昨年来、世界経済の急激な悪化にともない、企業の業績がのきなみ減収・減益となり、「派遣切り・期間工切り」と称した大量の首切りや、09春闘でのベア ゼロ、定期昇給の見送りなど、労働者の雇用と生活はかつてない厳しさにさらされてきました。
 公務労組連絡会は、09春闘において、「月額11,000円」の水準要求をはじめ、「誰でも1万円以上」の賃金底上げを要求し、使用者・政府に対してそ の実現を強く求めてきました。麻生内閣が、「定額給付金」の支給で消費拡大による景気回復をめざすなか、労働者の賃上げは、不況を打開するうえでも重要な 課題になっていました。
 しかし、政府から示された春闘期の回答は、「人事院勧告制度の尊重」とするもので、切実な要求に何ら応えるものではなく、きわめて不満な内容にとどまり ました。そのうえ、政府は、夏季一時金を0.2月分削減するとの人事院勧告を受けて、使用者としての慎重な検討や、労働組合との十分な交渉・協議もないま ま、給与法案の国会提出を強行しました。
 突然の一時金削減は、公務労働者の生活を直撃するばかりか、政府の「公務員制度改革」で「自律的労使関係」の確立がめざされるなかにあって、従来のルー ルを無視した一方的な強行は認められるものではありません。
 こうしたもと、個人消費の落ち込みで、今年の1〜3月期のGDPが年率で15.2%減の最悪を記録するもとで、労働者の賃金改善は、引き続く政策的な課 題となっています。とりわけ、公務員賃金の動向が、民間労働者の賃金や地域最低賃金、さらには、地域経済にも影響をおよぼすことからも、積極的な賃金改善 が求められています。
 こうした問題意識に立って、8月の人事院勧告を念頭に、夏季重点要求を下記の通りまとめました。貴職が、使用者としての責任を発揮するとともに、民主的 行政・教育の確立を求める国民の期待をふまえ、私たちの要求を真摯にうけとめて誠意ある回答をおこなうよう求めます。



1、賃金の改善等について
(1) 公務員給与について、生活と労働の実態をふまえた改善を行うこと。
(2) 一時金の水準を維持すること。
(3) 賃金底上げの観点から初任給を改善し、民間初任給との較差を是正すること。
(4) 特別給に占める勤勉手当の割合を縮小すること。また、役職傾斜支給、管理職加算制度については、上下格差を縮小すること。
(5) 諸手当については、以下の改善をおこなうこと。
 @ 扶養手当について、支給範囲及び支給額を改善すること。
  A 住居手当について、その負担実態に即して支給内容を改善し、全額支給限度額・最高支給限度額の引き上げを行うこと。なお、自宅に係る住居手当は廃止し ないこと。
 B 通勤にかかわる一切の自己負担をさせないよう通勤手当を改善するとともに、支給要件を緩和すること。
 C 単身赴任手当の支給額を改善するとともに、支給要件を緩和すること。
 D 特地勤務手当の支給基準の「見直し」にあたっては、離島・僻地の生活不便度、物価・生計費など都市部との相対的な格差を十分に反映した改善をはかる こと。
 E 寒冷地手当について、支給額・支給対象者・支給地域の改善を図ること。
 F 超過勤務手当の支給割合を150%に、深夜勤務及び休日給の支給割合を200%に引き上げること。少なくとも、改正労働基準法の水準に合わせるこ と。
 G 夜間看護等手当を改善すること。
(6) 新たな人事評価制度の任用・給与等への活用にあたっては、評価制度の信頼性について十分な検証を行うとともに、労働組合と十分な交渉・協議を行う こと。

2、非常勤職員の処遇改善について
(1) 制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などの法整備を図ること。
(2) 休暇等を常勤職員と同等の制度とするとともに、以下の事項について、早急に改善すること。
  @ 無給とされている休暇を有給とすること。
  A 夏季休暇、結婚休暇及び育児休業などの制度化をはかること。
 B 年次休暇や忌引き休暇、病気休暇などの取得要件を直ちに緩和すること。
 C 常勤職員と同等の各種健康診断を実施すること。

3、勤務時間、休暇制度改善等について
(1) 交替制勤務者の連続勤務時間を短縮し、連続拘束時間について上限を設けるなど必要な改善措置を講じること。
(2) 勤務時間管理を徹底し、超過勤務の大幅な縮減と不払い残業の根絶を図るため、本府省における在庁時間の縮減とりくみ状況を検証するとともに、超過 勤務時間の上限規制を設けるなど、実効ある対策を盛り込むこと。
   また、超過勤務縮減などにかかわる労使による協議機関の設置を義務づけること。
(3) 介護のための短時間勤務制度について早急に制度化すること。
(4) 子どもの看護休暇制度を子ども一人につき5日以上とすること。当面、二人以上については10日とすること。また、家族の看護休暇制度を新設するこ と。

4、男女平等、母性保護の拡充等について
(1) 産前休暇を8週間、産後休暇を10週間とし、産前6週間の就業禁止期間を設けるとともに、産休代替要員を全職種、全期間確保すること。また、妊娠 障害休暇を新設すること。
(2) 妊産婦について、深夜・時間外・休日労働や危険有害業務の禁止、他の軽易な業務への転換、勤務時間短縮など労働軽減をはかるとともに、正規職員に よる代替措置を講ずること。
(3) 各府省が策定した「女性職員の採用・登用拡大計画」が実効あるものとなるよう、数値目標の設定を徹底させるなど指導を徹底すること。

5、健康・安全の確保について
(1) 過労死・過労自殺及び公務災害の根絶のため、産業医の配置や管理者研修など職場の「労働安全衛生」対策を強化するとともに、職員の「心の健康」の 保持増進に必要な対策を強化すること。
(2) パワーハラスメントに対する指針を策定するとともに、具体的な対策を講じること。また、「精神疾患等の公務上災害の認定指針」の別表「公務に関連 する負荷の分析表」を職場環境の変化を踏まえて見直すこと。

6、高齢対策について
(1) 雇用と年金の連続性を確保する観点から、定年年齢を65歳とすること。
(2) 再任用制度の活用については、希望者全員の雇用が可能となるよう運用の適正化を図ること。
  また、再任用の定員管理については、弾力的な運用が可能な仕組みとすること。
(3) 再任用職員の生活関連諸手当について、常勤職員と同様に支給すること。

7、民主的公務員制度の確立、労働基本権回復について
(1) 公務員労働者の労働基本権を全面的に回復すること。
  当面、協約締結権の保障に向けて、次の制度を確立すること。
 @ 交渉による労使対等の労働条件決定システムを確立すること。
 A 勤務条件をめぐって発生する紛争は、交渉及び調停・仲裁制度で解決すること。
(2) 労働組合の団結と自治を破壊する組織介入、不当労働行為は一切行わないこと。また、労働組合所属による人事・給与、交渉、組合活動などへの差別的取り扱い を行わないこと。
(3) 公正・中立な行政の実現と民主的な公務員制度の確立に向けて、国民的な議論を保障するとともに、関係労働組合との十分な交渉・協議を行うこと。
(4) 公務員制度改革にあたっては、公務員の政治的行為の制限を撤廃し、市民的権利を十全に保障する内容を盛り込むこと。

以 上