8万円の減額を強行、民間賃金にも否定的影響
午後1時から開会された参議院総務委員会では、磯崎陽輔(自民)、高嶋良充・加藤敏幸(民主)、弘友和夫(公明)、山下芳生(共産)、又市征治(社民)の各議員が質問に立ちました。公務労組連絡会から、6名(国公労連2、自治労連・全教各1、事務局2)が傍聴に入りました。
各党の議員の質問の後、討論に入り、山下議員と又市議員が反対意見をのべました。山下議員は、法案が、従来のルールを一方的に踏みにじるものであり道理がないこと、8万円の減額は8割しか妥結していない民間賃金にも否定的影響を与えて、景気を冷え込ませること、与党の政治的圧力に屈して、人事院の公平・中立の立場を投げ捨てたものであることを指摘し、断固反対することをあらためて表明しました。
その後の採決では、自民党・公明党の与党とともに、民主党(共同会派をふくむ)の賛成多数で採択されました。また、自民・公明・民主・社民・国民新党の各党共同による附帯決議(別掲)が提案され、共産党をのぞく各党の賛成多数により採択されました。
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府及び人事院は、本法施行にあたり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
1、平成22年6月期の国家公務員の特別給に関する今回の改正法は、人事院の特別調査結果をふまえた勧告に基づく暫定的かつ極めて異例な措置であることにかんがみ、本年の国家公務員の特別給の最終的な取扱いについては、人事院が職種別民間給与実態調査の結果をふまえて行う勧告に基づき、適切な措置を講ずること。
2、人事院の特別調査時点において夏季一時金が決定済みである企業の割合が極めて低いことにかんがみ、本改正が、今後決定される民間の夏季一時金の引下げ圧力となるような、本末転倒した結果を招くことないよう、その経緯及び趣旨の周知徹底を図ること。
3、地方公務員の特別給の取扱いについては、既に独自の給与減額措置を講じている団体も相当数に上ることにかんがみ、本改正に準ずる対応の要請を一律的に行わないこと。
4、指定職俸給表適用職員の特別給への勤務実績の反映にあたっては、公務組織の活性化と効率化、業務評価の公正性と職員間の公平性の確保、職員の志気の向上などに十分考慮し、制度改正の趣旨が達成されるよう、適正な運用に努めること。
昼休み参議院議面集会
怒りをエネルギーに変えてこれからのたたかいで奮闘しよう
参議院での審議を前に、公務労組連絡会は昼休みに参議院議員面会所集会で集会を開きました。
秋山事務局次長の司会のもと、公務労組連絡会黒田事務局長が主催者を代表し、この間給与法の審議経過を報告し「政府と人事院が結託して、公務員たたきによる選挙目当ての政治の道具にしようとしている。怒りをぶつけて奮闘しよう」と呼びかけました。
公務3単産からの決意表明で、「特別調査とは何だったのか、0.2月の凍結に怒っている。中部地方の自治体では国と同様の態度だが、官製ワーキングプアと呼ばれる処遇改善が先決だ。各ブロック国公は、これからのたたかいに全力をあげる決意だ」(国公中部ブロック丹波事務局長)、「まずルールがないこと。そして数字の出し方に結論ありきで不当な調査であること。0.2月削減を押しつける国対して怒りが溢れる。地方ではすでに独自カットも行われfている。あらためて一連の動きに不当性を感じる。最賃・公契約と結合して労働条件の改善求め民間労働者と共同してたたかう」(自治労連・野村書記長)、「消費不況の原因は政府にあって労働者にはない。埼玉県人事委員会と交渉をして不当な削減阻止にむけてとりくみみをひろげてきた。引き続き夏季・秋の賃金確定へも奮闘する」(埼教組・北村書記長)など怒りと決意の発言がつづきました。
国会から駆けつけた日本共産党の山下芳生参議院議員は、「午後の参議院総務委員会で審議され採決される予定だが、人事院勧告とはそもそも何なのか、原点に立ち戻って人事院の独立性が不可欠であること。人事院の代償措置をみずから放棄する存在意義を鋭く追及する。国民の目線で論戦にあたる」と決意がのべられました。
最後に、閉会あいさつした宮垣副議長は、「振り返れば田中角栄が首相の1974年3月に賃上げがあったが、下げるのは初めてだ。公務員バッシングという政治の常套手段に対する怒りをエネルギーに変えて、来るべき勧告期から秋の確定期ののたたかいへつなげ、さらには、近づく総選挙で、法案に賛成した各党にきっぱりと審判を下そう」と力強く呼びかけ、集会を閉じました。 |