No.707
2009年4月23日
メーデーにぶつけて「引き下げ勧告」の可能性も

= 地方から怒りの地方人事委員会要請、行動がひろがる =

 ルール違反の夏のボーナスカット反対の声が、地方組織から大きく広がっています。
  北海道では、春闘共闘に結集する民間労組が人事委員会に引き下げをやめるよう申し入れ、5月1日には緊急集会やデモを計画しています。また、千葉では、県労連規模での緊急の要請行動がとりくまれました。
  こうしたもと、労働者の祭典・メーデーの当日、5月1日にぶつけた「一時金引き下げ勧告」強行の動きも伝えられており、連休前のたたかいが重要となっています。公務労組連絡会では、28日に人事院前の要求行動を民間労組と共同してとりくみます。

 

「特別調査」ただちに中止を〜民間労組が北海道人事委員会に要請

 道春闘共闘、農協労連、医労連、福祉保育労、建交労は20日、人事院や道人事委員会が民間企業の夏季一時金について特別調査を実施することに対し、夏季一時金の削減につながるような「調査」を中止するよう要請しました。
  名知隆之道春闘共闘代表幹事は「まさに、これから民間の中小企業で一時金交渉が始まろうとしている時に、なぜ調査するのか。既に妥結したのはほとんど大企業で『引き下げありき』だ」と調査の中止を求めました。
  北海道人事委員会は、本年の民間企業における夏季一時金が、各種発表で前年と比べ10%を超えるマイナスになっており、緊急に民間の一時金の支給状況を把握する必要があるとして、人事院の特別調査に追随して、独自の調査を実施しています。
  こうしたもと、要請団からは、「農協関連職場は公務準拠であり、『下げる』となれば即座に反映され、重大な影響が出る。中止してもらいたい」(西秀行道農協労連書記長)、「介護や福祉、保育の職場は人勧準拠の職場が多い。今でも厳しい労働条件の中で、さらなる切り下げにつながる調査は中止を」(土岐由紀子福祉保育労道地本書記長)、「多くの医療職場では、これから要求を出して、交渉が行われようとしているのに、いったい何を調査するのか。引き下げを前提とした調査は中止すべき」(温井伸二道医労連書記長)など、調査の中止を求める声が相次ぎました。
  今回の夏季一時金の特別調査は、公務労働者はもとより、人勧準拠の職場への影響や、民間企業との「賃下げスパイラル」につながり、消費不況へ拍車をかけるものです。道春闘共闘は、21日にも人事院北海道地方事務局へ「特別調査は中止せよ」との要請にとりくみました。また、5月1日には、北海道公務共闘との共催で、「公務員の一時金削減反対!5・1緊急集会・デモ」を計画しています。(道春闘共闘ニュースより)

千葉県公務労組と県労連が共同して緊急の要請行動

 千葉県公務労組連絡会と千葉労連は21日、公務員の夏の一時金削減問題をめぐって緊急の要請行動にとりくみました。
  行動には県公務労組連連絡会から山ア県国公議長、長平自治労連県本部委員長、青木全教千葉教職員組合書記長、山下県職労書記次長が、また千葉労連から本原事務局長が参加しました。県人事委員会は谷上給与課長、田島副課長が対応しました。
  要請の冒頭、本原事務局長は「総選挙を前にして政権与党が公務員賃金削減を主張(議員立法)、これに人事院が追随して「臨時勧告」をしようとしていることを指摘し、今日の景気対策、経済不況を打開する上で逆効果であること。政府が今やるべきことは大企業・大銀行の横暴、中小下請け企業いじめを規制するなど労働者・国民の雇用と暮らしを安定化させ内需を拡大すること。異例ともいえる臨時勧告は、今なお春闘交渉や一時金交渉を行っている中小民間労働者の賃金引き上げを困難にするもので到底認められない。国に追随せずに公務・民間の賃金改善のために役割の発揮を求める」とせまりました。
  また、山ア議長は、今回の「特別調査」については、これまでの人事院勧告による一時金決定のルールを無視したもの、また6月30日支給となる夏の一時金を一方的に直前で切り下げることは公務員労働者の生活設計における「期待権」を侵害するものであり、公務員の労働基本権制約の代償機関としての役割を果たすべきと求めました。
  長平自治労連県本部委員長は、人事院が「特別調査」をすすめるもとで、独自追加調査など行わず、国の夏の一時金削減の動向に追随することなく、地方公務員賃金の改善に努めることとともに、一時金引き下げの「臨時勧告」などを行わないよう要請し、県人事委員会としての対応を求めました。
  これに対して谷上給与課長は、「人事院が独自に『特別調査』を実施していることは聞いている。その趣旨は昨今の民間の厳しい状況が一時金にどのように反映しているのかの動向を把握するためであり、結果をふまえてどうするのかまでは把握していない。千葉県が独自に調査することは現時点でしていない」との回答にとどまりました。 (千葉公務労組FAXニュースより)

以 上