No.704
2009年4月20日
一時金カット許すな!地方からも人事院に怒りの声

= 公務産別・地方労連規模で人事院地方事務局と交渉・申し入れ =

 夏季一時金カットをねらった人事院の「特別調査」が実施されるなか、調査の即時中止と引き下げ勧告に反対して、各地の公務産別組織や地方労連規模での人事院地方事務局との交渉・申し入れが全国的にとりくまれています。
  近畿公務共闘の交渉には2府3県の代表者が参加、また、四国では、全労連四国地協規模で人事院への要請行動がとりくまれました。

 

独自の「ジャンボハガキ」行動で引き下げ勧告阻止へ(近畿)

 近畿公務共闘は4月17日、人事院近畿地方事務局に対して、「民間企業の夏季一時金に関する特別調査に対する要求書」を提出、交渉しました。緊急の交渉配置にもかかわらず、近畿2府3県から17名が参加しました。
  はじめに、藤本近畿公務共闘議長(京教組委員長)が、要求書を吉川総務課長へ提出し、@ 従来のルールを無視し、6月期一時金の減額につながるおそれがある「民間企業の夏季一時金に関する特別調査」は直ちに中止すること。A拙速な特別調査に基づく一時金の引き下げ勧告は断じておこなわないことを求めました。
  吉川課長は、「夏季一時金に関し、民間企業で厳しい状況があり、大きな減少との発表がる。今年の夏の勧告にむけて、人事院の基本的な考え方に変更はない。国公法に、『国会において社会一般の情勢に適用するように、随時これを変更することができる』とされており、これを怠ってはならない。大幅な変動がうかがえるという事態が生じている場合において、民間の状況を把握する必要がある。今回は特別な調査である」と回答しました。
  これに対して、藤本議長は、「人事院は国会でみずからの権利を奪われるような場面では、総裁もがんばっていたが、今回の特別調査は、まさに政治的圧力に屈したものだ。人事院のあり方が問われている」ときびしく追及しました。
  吉川課長は、「人事院が単独で行う調査で地方人事委員会とすりあわせするとは聞いていない。調査結果をどのように扱うかも聞いていない。与党PTの一時金引き下げせよの話は、新聞報道のレベルしかわからない」などと無責任な回答に終始し、「国公法第28条で勧告を怠ってはならない。現在の状況下でできる限りの調査方法だ」と開き直りました。
  しかし、交渉参加者からは、「中小企業はこれから交渉してたたかう時期である。一時金のみならず基本給等にも影響し、公務員だけでなく非常勤や公務関係職場で働く労働者、地域経済にも影響する」など、各府県から怒りの発言があいつぐなか、吉川課長も「本日の意見・要望は早急に本院に上げる」と約束しました。
  近畿公務共闘では、独自の行動として、人事院本院への「ジャンボはがき」にとりくむなど、引き下げ勧告阻止へあらゆる行動でたたかう決意です。(近畿公務共闘ニュースより)

全労連四国地区協議会が人事院地方事務局に要請

 全労連四国地区協議会(田福千秋議長)は4月17日、人事院四国事務局と交渉し、特別調査の中止と、その結果にもとづく勧告をしないことを要請しました。
  この交渉には四国四県から18名が参加しました。人事院四国事務局は寺島総務課長、松浦第一課長が対応しました。
  田福議長が、「夏季一時金引き下げは、議員立法の動きに追随するものであり、ルール破りである。中小の民間企業や地方ではこれから交渉の時期に入る。この時期に人事院が一時金削減に向け動くことは、中小の取り組みに冷や水を浴びせるものである。定額給付金など、政府の経済対策にも反するもの」と追及しました。
  寺島総務課長は、「今年の民間企業における夏季一時金に対しては、全体として相当大きな減額となるものと見込まれる。社会一般の情勢に適応するように、人事院は給与勧告を怠ってならない。民間の一時金が急速かつ大幅な変動がうかがえる事態が生じている場合には、民間の状況を把握する必要があると判断した」と回答しました。
  これに対して、「議員立法の動きがあるなかで、それに追随して実施している」と追及されると、「政治的圧力はない。人事院独自の判断によるもの」と強弁しました。
  参加者からは、「今年夏の一時金は、昨年の勧告で決定している。調査には民間の交渉で確定していないものまでふくまれている」「今回の調査は、引き下げを想定したものであり、引き下げ勧告はするな」などと強く求めました。
  これに対し人事院四国事務局は「調査後の対処方針については、結果が出てからであり、コメントできない」と回答しましたが、「勧告するな」との再三の要請についても、勧告をしないとの明確な回答はありませんでした。
  最後に田福議長は、ルールに反する行為はやめるとともに、不十分なアンケートにもとづく勧告は絶対にしないよう重ねて申し入れました。(高知県公務労組連絡会ニュースより)

以 上