「仕事を辞めないで安心して子育てしたい」と切実な声
各省への申し入れは、@雇用保険法の改正をふまえた共済組合法の着実な実施、A雇用保険法が示す2010年4月を待つことなく、公務での育児休業手当金改正の先行実施を求めたものです。
3月19日にとりくんだ財務省への要請には、公務労組連絡会から黒田事務局長、木原幹事(全教)、渡邊幹事(自治労連)、国公労連から阿部副委員長が参加、財務省側は、主計局給与共済課の早坂課長補佐、宮井係長が対応しました。
はじめに、育児休業手当金の拡充を求める要望書(別紙)を提出し、黒田事務局長が「育児休業手当は、共済給付として支給がされているが、制度化は公務が先行してきたものであり、是非とも公務先行で制度改善を求める。少子化対策の観点からも主体的な改善をはかるべき」と求めました。
また、交渉参加者からは、「国と民間に制度の違いがあるが、今回一括支給する雇用保険法改正案が国会に提出されている。若い世代にとって経済的な苦しさもあることであり、一括支給を今年からでもできるようにすべき」「生活保障の観点から5割でも不十分であり、支給率の引き上げなど制度の拡充が求められている。国が動かないと自治体は動かないこともあり、政府が率先して実行すべきだ」「教育現場では、若年層の採用が増えている。仕事を辞めないで子育てをしたいという願いを強く持っている。育児では、出産直後にお金がかかる。給付金の一括支給の1日でも早い実現を」などと訴え、職場の実態をふまえて財務省に対応をせまりました。
「周辺状況の厳しさ」を理由に公務先行には否定的
要請に対して、早坂課長補佐は、「みなさんの要望の趣旨は理解できる。公務員の育児休業手当金は、雇用保険法の附則で同時に改正される見通しだ」とのべつつも、「公務を先行させるということは、厳しい現在の情勢のもとでは国民の納得はえがたい。官民の歩調を合わせた改正することにしている。その点は、ご理解いただきたい」と回答するにとどまりました。
黒田事務局長は、「本日の申し入れは、職場からの切実な意見として受けとめ、誠意ある対応を求めたい。少子化対策は、国をあげてめざされている重要課題であり、その立場から、公務の先行実施についても検討すべきだ」とのべ、要請を終えました。
財務省に続いて、27日には総務省に同趣旨の申し入れをおこない、自治行政局公務員部公務員課の菊池係長が対応しました。また、30日の文部科学省への申し入れは、初等中等局財務課の佐藤公立共済係長が対応しました。両省の要請には、公務労組連絡会の役員にくわえ、国公労連から橋本中執が参加しました。
以 上
【別添:財務省への要請書】
財務大臣 与謝野 馨 様
公 務 労 組 連 絡 会
議 長 米浦 正
公務における育児休業手当金拡充の早期実施を求める要請書
公務職場ではたらく職員が、仕事と生活を両立させて働き続けるために日ごろからご尽力いただきありがとうございます。
2008年12月25日、厚生労働省労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会は雇用保険制度の改正に向けた報告をまとめ大臣に建議し、厚生労働省は1月20日、国会に育児休業給付金の改正などをふくむ雇用保険法の改正案を提出しました。
今回の改正では、@育児休業者職場復帰給付金を廃止し、育児休業給付金に統合し、4割とする、A2010年4月以降も暫定措置として当分の間5割一括支給するというものです。
今回の措置により、少しでも経済的にゆとりを持って子育てができることについて一定評価したいと思います。国家公務員等共済組合法・地方公務員共済等組合法においても雇用保険法に遅れることなく改正が求められます。
本来、休業期間中の所得保障は国や地方自治体の責任でおこなうべきであると考えますが、共済組合からの手当金となっているのが現状です。財務省として子育て世代への両立支援の充実のために力を発揮されるよう以下の点について要請いたします。
記
1、国家公務員等共済組合法の速やかな法改正のために尽力すること。
2、公務職場で先行実施してきた歴史的経過をふまえて、今回の育児休業給付金改正についても雇用保険法の改正・施行を待つことなく先行実施できるよう尽力すること。
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