タレントの清水國明さんも労働者のたたかいを激励
前夜まで降っていた冷たい雨もやみ、春を思わせる暖かい陽気の青空に恵まれ、12時すぎから「霞が関総行動」がスタートしました。
人事院・厚生労働省前には、公務各単産と日本医労連・福祉保育労・全労連全国一般などの参加者約1,500人が集合し、午前中からタクシー500台が明治公園に結集して行動してきた自交総連や、建交労など交運共闘の参加者は、国土交通省前での要求行動を同時並行でとりくみました。
人事院・厚生労働省前の要求行動では、国民春闘共闘を代表して大黒全労連議長があいさつし、春闘共闘としてのたたかう決意をのべつつ、内需拡大に転換し日本経済を立て直そうと呼びかけました。
その後、TBSの人気番組「噂の東京マガジン」にレギュラー出演している清水國明さんが、多忙なスケジュールの合間をぬって、参加者を激励するため行動に駆けつけました。清水さんは、宣伝カーからの訴えは初めての体験としながら、「昨日退院したばかりです。病院の看護師さんによくしてもらいました。働きやすい労働環境の改善と子どもや家庭がニコニコできる世の中に変えましょう」との力強い訴えには、大きな拍手がおこりました。
また、交運共闘からは高橋副議長(建交労書記次長)が連帯あいさつし、「トラック運転手で10万円近い残業代が減り、深刻な事態となっている。規制緩和見直しの動きをわれわれの運動で作り出している」とのべ、ともに団結してたたかう決意が示されました。
公務・民間の各単産を代表する4人の決意表明では、「年金行政に誇りをもち懸命に働いてきたが、日本年金機構にいけなくなるのではと不安が広がっている」(国公労連全厚生・北畠さん)、「夜勤は月11日、人員不足を理由に夜勤回数が減らせない。看護師増やせの運動を広げ国民の健康を守るのが私たちの使命だ」(岡山医療生協労組・高橋委員長)、「親たちが失業し、子どもたちが退所する実態はやりきれない。官製ワーキングプアをつくらない運動を広げよう」(枚方市職労・水間さん)、「厚労省は保育制度を公的責任からはずし、直接入所や補助方式の導入をめざしている。保育の市場化導入させない声を大きくあげていきたい」(福祉保育労・佐々木さん)など、各地の状況も交えてたたかう決意がのべられました。最後に、人事院と厚生労働省の庁舎にむかって1,500人のシュプレヒコールが霞が関にこだまし、その後、内閣府と総務省に分かれて行動を続けました。
「公務員制度改革」関連法案の国会提出は断固反対
国家公務員制度改革推進本部事務局(内閣府)前の行動では、主催者あいさつで宮垣公務労組連絡会副議長は、公務員制度が単なる人事管理を行う制度ではなく、公務員の本質にもかかわるものであり、国民的な議論が必要であるにもかかわらず、当事者である私たちとの協議に誠実に応じようとしていないことを厳しく指摘し、民主的な公務員制度の実現をめざし、労働組合の存在をかけてたたかう決意を表明しました。
秋山公務労組事務局次長の情勢報告では、公務員制度改革の現局面、働くルールの確立が求められていること、公務・公共サービスの拡充が必要であることなど、公務職場における雇用破壊の実態などがのべられました。
つづく決意表明では、3人の代表から決意がのべられました。国公労連全法務四国地本・桂書記長は、行革で現場が崩壊している実態とともに、労働基本権を回復させるため、職場学習を強めながらたたかう決意をのべ、特殊法人労連・篠原副議長は、国家公務員法の改正法案に独立行政法人の改廃に関する権限が盛り込まれた問題点を指摘し、国民に多大な悪影響を及ぼすため、法案提出を許さないため全力でたたかう決意を表明しました。
全教新堰副委員長は、昨年12月にILO・ユネスコが政府に対して、「指導力教員制度」問題で、労働組合と交渉・協議を行うよう勧告したにもかかわらず、政府が受け入れようとしていないことを報告、ILO本部では、日本の労働者が無権利であるのは、諸国に悪影響を与えることとなるので、そうならないようとりくみを強化してもらいたいと激励されたことを報告しました。
臨時・非常勤職員の賃金・労働条件改善は緊急課題
総務省前要求行動で主催者あいさつにたった若井公務労組連絡会副議長は、「3月2日におこなった総務省交渉は、従来からの回答を一歩もでない不誠実なもの。100年に一度の経済危機に対応する回答を強く求める」とのべました。
蟹澤公務労組連絡会事務局次長による情勢報告では、「非常勤職員問題に対して『雇用対策というなら、まず公務の雇い止めをやめよ』との声に政府は耳を傾けるべき。公務員賃金にかかわって、内需拡大を支えるうえで公務員賃金の引き上げは重要課題」とのべ、お互いに確信を持ってたたかうことを訴えました。
決意表明では、「国民生活が豊かになる公共事業を実施させることで、国民生活の底上げをめざしたい」(国公労連全建労・平尾さん)、「自治体の非正規職員の待遇の低さが、地域の賃金を引き下げる役割を果たしている。職員の非正規や福祉の民営化に反対してたたかう」(自治労連船橋市職労・黄木さん)、「郵政が民営化されて1年6か月。『かんぽの宿』問題は郵政民営化そのものへの疑問を投げかけている。大幅賃上げの実現と郵政民営化の是非を問い直すたたかいをすすめる」(郵産労・船津さん)と、それぞれから力強く決意表明がありました。
満席の会場で公務・民間共同の総決起集会を開催
総務省・内閣府前行動の参加者は、社会文化会館に集まり「09春闘勝利総決起集会」を開きました。公務の参加者とともに建交労や全労連全国一般など民間の仲間が集まり、会場が埋め尽くされました。
渡邊幹事の司会進行のもと、公務部会の米浦代表委員・公務労組連絡会議長は、「春闘の真っ最中だ。民間も公務も厳しい状況だが、共同を強めて労働者の賃金引き上げにむけて奮闘しよう」と呼びかけました。
生協労連の渡辺書記次長は、「生協労連は2・13中央行動には全国から600人が参加した。この力をバネに労働者の権利、雇用を守り暮らせる賃金・均等待遇など実現にむけてがんばりたい」と決意をこめて連帯あいさつしました。
日本共産党・塩川哲也衆議院議員が集会に駆けつけ、「小沢民主党代表の秘書が逮捕された。団体献金の禁止が必要だ。世論で今の政治転換をはかろう」と参加者を激励しました。
つづいて公務部会・公務労組連絡会の黒田事務局長が情勢報告し、賃金・労働条件や公務・公共サービスをめぐる諸課題について報告しました。
3名が登壇し、「小さな政府・国民に必要な行政サービス充実に向け、官製ワーキングプアをゆるさないため全力をあげる」(国公労連・川村副委員長)、「非正規労働者で11%の賃金引き上げを勝ちとっている。総人件費削減に反対し、全ての職場地域から共同したたたかいをすすめていく」(自治労連・野村書記長)、「全教では5つの重点課題をかかげて09春闘をたたかっている。3月8・9日に弁護士・学支労・全生連と共同し110番に取り組む」(全教北村書記次長)などの決意表明がつづきました。
閉会あいさつした公務部会・宮垣副議長は、「津軽海峡冬景色」の替え歌“麻生内閣冬景色”で会場を沸かせ、「早く選挙をやれ!暮らしを何とかせよ!」と元気つけ、最後に参加者全員の団結がんばろうで集会を締めくくりました。
参加者は、永田町、赤阪の繁華街を行進する国会請願デモに出発しました。
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