No.697
2009年2月13日
「なくせ貧困!仕事よこせ!」と1万人が唱和

= 国民要求実現へ「2・13中央総行動」を展開 =

「2・13中央総行動」実行委員会の主催で、なくせ貧困!仕事よこせ!守ろう雇用と暮らし!国民要求実現2・13中央総行動がとりくまれました。
  日比谷野外音楽堂で開催された「中央総決起集会」には7,500人が参加、早朝の宣伝行動、霞が関での各省交渉・行動、日本経団連包囲行動などをあわせて、「総行動」には、のべ1万人の仲間が結集しました。
  公務労組連絡会・全労連公務部会は、全国から1,100人が参加、奮闘しました。

 

工夫を凝らした1分間のリレートーク決意表明

 メインの行動となった「なくせ貧困!仕事よこせ、守ろう雇用とくらし!2・13中央集会」は、日比谷公園野外音楽堂で開催されました。
  12時から始まった第1波の集会には、労働組合・民主団体を中心にして参加者が集い、主催者を代表して全労連の大黒議長があいさつし、派遣法を活用したとりくみや非正規労働者みずからが労働組合に加入してたたかっている状況を報告、「09春闘を粘り強くたたかい、要求実現に向けお互いに奮闘しよう」と呼びかけました。
  日本共産党の穀田衆議院議員が国会から駆けつけ、麻生政権が体をなしていないことに触れつつ、「ブッシュは靴を投げられたが、麻生首相はさじを投げられている」と話すと、会場から拍手と笑いが起きました。穀田議員は、政治の転換に向けて、今年かならずおこなわれる総選挙に全力を上げる決意などをのべました。
  引き続き、様々な分野でたたかいを進めている団体の代表8名によるリレートークが行われました。JMIUいすゞ自動車支部の三浦副委員長は、解雇撤回にむけたたたかいの報告と非正規の雇い止めにストップをかけるために奮闘する決意が表明されました。
  集会では、アピールの提案と確認が行われた後、「貧困なくせ、!仕事よこせ」のシュプレヒコールが会場いっぱいに響き渡りました。
  最後の閉会のあいさつに立った新婦人の高田会長は、誰もが豊かに暮らせる社会、人間らしく働くことのできる社会をめざし、力を合わせ奮闘しようと呼びかけ、団結ガンバローで締めくくりました。
  集会終了後、参加者は、各省前での要求行動へ出発しました。また、14時からは、首都圏の建設労働者を中心に集まった第2波の集会が同会場で開催され、あわせて7,500人の参加者で日比谷野外音楽堂があふれました。

消費税増税反対、国民の暮らしを改善する予算を

 財務省・経済産業省前行動では、全労連岩永常任幹事司会進行のもと、主催者あいさつにたった東京地評の高畠事務局長は、失業者を救済する雇用・生活支援のための財源を確保し、地方交付税に上乗せするなどの緊急措置を講じることなどを含め、午前中に財務省へ労働者の雇用と国民生活の改善を求め要求書を提出してきたことを報告し、「財界や大企業や資産家に応分の負担をさせるべきだ」と訴えました。
  情勢報告で全労連公務部会の宮垣代表委員・国公労連委員長は、「自民党と公明党が衆議院で採決を強行した第2次補正予算の中味は問題だらけだ。09年度の予算案も米軍再編費も倍化している。国民の暮らしを改善するための予算の大幅実現に向けて奮闘しよう」と呼びかけました。
  決意表明では、「構造改革路線で公務・公教サービスの低下がすすんでいる。公務のリストラと商品化で、民事法務協会の600人を超える職員が職を失う事態になっている。」(国公労連・全法務近畿地本砂川書記長)、「トヨタなど大企業の横暴勝手にストップをかけ、労働者と中小企業本位に変えよう。JMIUは定額給付金の12,000円をカンパしようとよびかけている」(JMIU・生熊委員長)、「いま下請け業者は根こそぎ仕事を奪われ、アルバイトでつないだり、廃業を余儀なくされている。国は多くの不公正税制を放置して、増税をいうのは100年早い。消費税増税にストップをかけるため今春闘も署名にとりくむ」(全商連・嶋岡常任理事)とのべました。

破綻した「構造改革」を国民の手で葬り去ろう

 蟹澤公務部会事務局次長が進行した内閣府要求行動では、主催者あいさつに立った全労連柴田真佐子副議長が「たたかいが政治と行政を動かし始めている。今こそ憲法に保障された生存権にもとづいた対策が必要。解散・総選挙で政治を労働者・国民本位の政治に変えよう」と呼びかけました。
  黒田全労連公務部会事務局長が情勢報告し、経済財政諮問会議の動きや、過日、強行決定された「公務員制度改革」の「工程表」をめぐって問題点を報告しました。
  決意表明では、特殊法人労連女性協副議長の衛藤喜代美民法労委員長が、法務局で市場化テスト・一般競争入札のもとで、1,100名中約600名の首切りがされようとしている事態について報告し、「最賃にも満たない労働条件は許されない。私たちは常に雇用不安にさらされていると同時に、安心して行政サービスを維持できない」とのべ、全国一般・東京の室井清委員長は「(民法労での事態は)政府・行政が首切りをすすめているもので、絶対に許されない。行政を大企業本位に変えようとしているのが根本問題だ」と指摘しました。最後に全労連女性部の橋下恵美子副部長・国公労連中執から朝8時30分から早朝宣伝にとりくんできた女性部の「菜の花行動」の報告がありました。

道州制・地方分権は公務リストラに過ぎない

 全労連公務部会鈴木事務局次長の司会で始まった総務省前の行動は、主催者として若井全労連公務部会代表委員・自治労連委員長代行が主催者あいさつし、景気悪化のしわ寄せが労働者に回ってきていることや、大企業の内部留保の実態や中小企業の状況、地方自治体が疲弊している実情などを示し、春闘での奮闘が必要とのべました。
  引き続き、情勢報告した秋山全労連公務部会事務局次長は、雇用情勢における公務破壊の実態、公務員制度改革により公務員労働者が無権利状態置かれようとしていること、さらには地方分権・道州制がまやかしであり、公務リストラでしかないことなどが報告され、総選挙によって政治を転換することが訴えられました。
  決意表明では、静岡自治労連の大島書記長から臨時雇用対策の実態が報告されましたが、非正規から正規への転換と増員が何よりも求められていることがのべられました。
  郵産労の安達中央執行委員は、かんぽの宿にかする報道に触れながら、郵便サービスが低下している実態や郵便事業会社の6割が非正規であることが述べられ、春闘での要求前進に向け、スト権投票を行っていることを報告しました。
  民放労連の井戸書記長は、「出すな地デジ難民」と銘打ち、一日行動を展開していることを述べ、政府に見直しを求めました。また、放送現場にもワーキングプアが多数いることなどをのべました。

大企業は社会的責任を果たせ!内部留保をはき出せ!

 各省前行動を終えたのち、ふたたび日比谷公園に集合し、銀座パレードに出発しました。
  また、パレード解散後は、経団連ビル前に移動し、日本経団連包囲行動が歩道両脇を埋め尽くす人々の熱気があふれる中で開始されました。
  主催あいさつした東京地評の伊藤議長は、「トヨタなど大企業は非正規切り、下請けいじめの一方で利益を確保し、配当金を維持している。雇用を守り、賃金を引き上げる体力は十分にある」とし、大銀行に対しても中小企業への貸しはがし、貸し渋りをやめて中小企業の経営を守ることを訴えました。
  決意表明で非正規センターの生協労連・薫田さんは、「トラックの配送パートの仕事をしている。同じ仕事を同じ時間しても正規職員との賃金格差がある。パートも生活できる賃金を」と訴えました。新日本婦人の会の笠井副会長は、「家族や未来ある若者の人生設計を壊してきたのが非正規切りだ。派遣労働者の首切りをやめて正職員にすべき」とのべ、神奈川労連の水谷議長は、「大企業の違法・無法な解雇に泣き寝入りせずにたたかう。神奈川県内の114社の内部留保1%を使えば月1万円の賃上げが可能だ」と主張しました。
  国公労連・全労働の海野中央執行委員は、「労働者を部品のように扱い、企業責任を放棄して首切りを回避しないのは、御手洗会長自身が主張する高いコンプライアンスやモラルに反している。大企業としての社会的責任を果たす努力をせよ」と力強く訴えました。
  最後に経団連に対して、参加者のシュプレヒコールが大手町のビルの谷間に響きわたりました。

以 上