No.685
2008年10月15日
全労連を排除した委員選任は不当だ

= 労使関係制度検討委員会にかかわって推進本部事務局に申し入れ =

 国家公務員制度改革推進本部に設置された労使関係制度検討委員会に、全労連加盟組合の代表が選任されなかった問題(闘争本部ニュースNO.65参照)をめぐって、全労連・公務員制度改革闘争本部は15日、公務員制度改革推進本部事務局に申し入れました。
  申し入れでは、全労連排除の委員選任に抗議するともに、委員会への全労連からの意見反映を最大限保障するよう強く求めました。

 

全労連加盟組合からの委員任命を強く求める

 推進本部事務局への申し入れには、闘争本部から、小田川本部長を先頭に、黒田事務局長、野村自治労連書記長(闘争本部委員)、岡部国公労連書記長(同)、蟹澤全教中央執行委員が参加、推進本部事務局は、渕上審議官、駒ア参事官ほかが対応しました。
  小田川本部長は、今回の委員選任に至った経過について、まず説明を求めました。
  渕上審議官は、「推進本部令では、有識者、使用者、労働組合の3者構成が決められているが、労働組合代表は、国家公務員、地方公務員の組合、および、民間の労使関係を参考にするうえでナショナルセンターの代表の3名が適当と判断した。全労連加盟組合からは、2人を推薦いただいたが、職員団体の規模などを勘案しつつ、委員を選任した。総合的な検討の結果であり、ご理解いただきたい」と釈明しました。
  小田川本部長は、「今の説明は、とうてい理解できない。ILO勧告は、『すべての利害関係者』との協議を求めている。全労連、連合という異なる系統のナショナルセンターがあるもとで、両方を平等に扱わないのはきわめて不当だ」とのべ、全労連排除に厳しく抗議しました。そのうえで、「14名以内という本部令からも、労・使ともに枠が1名あまっていると理解する。全労連加盟組合の代表を選任すべきだ」と求めました。
  また、岡部書記長は、「国公労連は、1府7省に組織を持つ。一方の当事者だけを選んだことは、とても納得できるものではない。政府は、開かれた改革をめざすというが、それで国民が求める改革ができるのか。恣意的な選任であり、断じて容認できない。再検討せよ」と強く求めました。野村書記長も、「労働側、使用者側ともに1名増やして、全労連加盟組合を入れるべき。使用者側も、地方は鹿児島市だけであり、都道府県の代表を加えることなども必要だ」とのべ、再検討を主張しました。

検討委員会への意見反映の機会を最大限保障せよ

 こうしたやりとりの後、小田川本部長は、「全労連からの委員が入らなかった場合、意見反映の方法についてどのような方法を考えているのか」と質しました。
  渕上審議官は、「委員でなくとも、さまざまな職員団体の代表が、検討委員会で意見を表明することは有意義だ。ただ、どのような意見反映の方法があるかは、検討委員会が判断することだ。みなさんの要望は委員会に伝えるし、それが実現するよう事務局としても努力したい」とのべました。
  岡部書記長は、「どこまで議論が深まるかはわからないが、検討委員会の議論はきわめて重要だ。協約締結権などの基本設計をすすめる段階で、国公労連として、責任を果たす必要がある。労使関係の違いなどをふまえれば、連合加盟組合だけが参加する議論で物事を決めることには無理がある。意見反映だけで事足りると判断するな」と主張しました。
  小田川本部長は、「検討委員会は、協約締結権という制度の中身を検討する場だ。そうした検討内容とかみ合うような意見表明の機会があるべきで、全労連としてもその準備はある」と求めると、渕上審議官は、「もっともなことだ。どんな議論の流れになるのか、まだ不明だが、議論の過程では応用問題も出てくるだろう。議論のすすめ方は座長を中心に決めるが、検討の進度と深まりに応じて考えていけばいいのではないか。座長にも話したい」と回答しました。
  小田川本部長は、最後に、「議論を妨げようとは毛頭考えていない。協約締結権の保障にむけて、できるだけ議論を深めていきたいという立場だ。今日の要請に対する誠意ある対応をあらためて求める」とのべ、申し入れを締めくくりました。

以 上