No.671 2008年6月23日 |
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年金記録問題の解決、社保庁職員の雇用守れ! | |
= 「安心年金つくろう会」が再生会議、厚労省・社保庁に申入れ = | |
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委員全員に申入書を渡すと約束(再生会議事務局)この申し入れは、官から民へと安易な業務委託はおこなわず、業務に精通した職員の雇用確保など、国の責任で年金業務を安定的に担う体制を確保するために、「安心年金つくろう会」として初めてとりくまれたものです。申し入れ行動には、公務労組連絡会をはじめ、中央社保協、年金者組合、婦団連、国公労連自治労連、全教の各団体代表9名が参加、再生会議事務局は、加瀬参事官、越尾参事官補佐が対応しました。 はじめに、川村国公労連副委員長は、「6月19日の再生会議では、新組織の定数や社保庁職員からの採用などが議論されているが、外部から大量に採用した場合の安定的な運営や、民間委託では個人情報の流出などが危惧される。国民的な立場での議論が求められるのではないか」と基本的な問題点を指摘しました。 参加者からは、「年金記録の整備は遅々として進んでいない。統合されても支給までには半年以上かかっているのが現状。こうした状況の中で組織を解体して一体誰が責任を持ってやるのか」「日本年金機構には、1,000人を外部から採用する計画が出ているが、その代わりに専門的な知識・経験を持った社保庁職員を外に出してしまって一体どうするのか」「人員の問題が強調され、業務をどうするのかという本来の議論が欠けているのではないか」「年金記録の相談に行ったら何時間もまたされたが5分で終了。このまま、2010年1月に社保庁を解体していいのか。十分な国民の合意は得られていない」「年金機構のあり方は、当然、記録問題ともかかわっている。そのことが基本にあるべきだ」などと制度の拡充とともに、政府による記録問題の早期整備とそのための体制確立を求めました。 これに対し加瀬参事官は、「再生会議は国会の議論を踏まえ、有識者の意見を反映するために設置された会議であり、事務局として答えられる立場にはない。記録問題は再生会議の所掌ではないが、実態や進捗状況等については、そのつど厚労省や社保庁から説明を受けており、その上で議論の俎上にはなっている」などとのべつつ、申し入れは再生会議の委員には報告できないとの対応に終始しました。 これに対し参加者は、「国民の声を無視するつもりか。申し入れの趣旨を何らかの形で会議に反映させるべきだ」と強く求めると、「対応については、再生会議の本田座長と相談する」とのべ、後日、再生会議事務局から、全委員に申入れ書を渡すとの回答を受けました。 記録問題が解決しないままの組織移行は無責任だ(厚労省)引き続く厚生労働省・社会保険庁への申し入れで、川村副委員長は、「業務の安定的な運営など、国民が安心できる中身を示してほしい。また、今進められている制度議論の状況についても明らかにしてほしい。日本年金機構では業務は引き継ぐが職員は引き継がれない。一方、記録問題ひとつ見ても大変な状況にある。年金機構がこうした問題にきちっと答えることができるのか。国民の信頼に応えられると考えるのか」と厚労省・社保庁の基本的な考え方を質しました。これに対し厚労省年金局年金課の小沢事務官は、「制度問題では皆年金を原則とし、社会保険方式のもと、免除制度など納めやすい環境整備を行っている。年金だけではなく社会保障全体の財源、公平性の確保など十分な議論が必要と考える」と回答。また、社保庁の運営部企画課の我田室長補佐と総務部総務課の西尾事務官が、「残った業務は年金機構が引き継ぐことになるが、職員の適正配置や派遣社員など必要な要員で対応することになる。みなさんの指摘はもっともであり、懸念が生じないよう努力していきたい」とのべました。 参加者からは、「記録問題の重要性からみれば大変な状況。こうした中での新組織の発足は、受給者の立場からはきわめて心配だ。再生会議等にも十分説明しているのか」「職員の適正配置というが分限免職まで言われているなかで、職員の不安は、業務遂行にも影響する。国民全体にかかわる問題であり、厚労省は説明責任を果たせ」「年金は国民に責任を持つ重要な業務。公契約のあり方が問題になっているが安易な外部委託は避けるべきだ」などと問題点を指摘しました。 最後に、「記録問題を見ても現状での新組織移行は全く無責任といわざるを得ない。安心・信頼のためにも厚労省・社保庁として国民の立場に立った行政運営に努力せよ」と求め、申し入れを終わりました。 |
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以 上 |