No.665
2008年5月30日
ストップ改憲、公務・公共サービス拡充を!
= 公務労組連絡会が夏季闘争第1次中央行動を展開 =
 公務労組連絡会は30日、夏季闘争の第1次中央行動にとりくみました。
 中央行動では、最賃引き上げ、公務員賃金改善を求めた厚労省・人事院前行動や、各省への要求行動とともに、「憲法キャラバン」の集結集会に位置づけた「5・30総決起集会」などを展開、早朝の宣伝行動をふくめて終日、全国の仲間が奮闘しました。
 また、昨年から継続してきた「公務・公共サービス拡充署名」の国会提出行動にとりくみました。中央行動には、公務労組連絡会から800人が参加しました。

「最賃・人勧」一体のたたかいが本格的にスタート

 午前中降っていた雨はあがったものの、5月末とは思えない肌寒さに加え冷たい風が吹くなか、昼休みの厚生労働省・人事院前の要求行動が始まりました。
 厚労省、人事院の前に2台の宣伝カーを停め、全労連の井筒常任幹事の司会で始まった行動では、全労連の小田川事務局長が主催者あいさつし、「労働者派遣法改正や後期高齢者医療制度廃止法案の提出など法改正の流れがひろがっている。改正最低賃金法が7月から施行されるなか、最低賃金の大幅引き上げへ官民一体で奮闘しよう」と呼びかけました。
 全労連全国一般東京地本、京都総評、パート臨時連絡会の代表が決意表明した後、マイクが人事院前に渡され、公務労組連絡会の木原幹事が進行を受け持ちました。
 人事院前では、国公労連全建労の篠原関東地本書記長が、「地方整備局など国の地方機関の見直しがねらわれるなか、地方議会の請願・陳情にとりくんできた。公務サービスを拡充し、ワーキングプアをなくすためがんばる」とのべ、自治労連秋田県本部羽後町職労の土田書記次長は、「地域最賃が618円で全国最低の秋田で、6時間18分のロングラン宣伝をやりとげた。自殺率が全国1位という秋田の実態に、心を痛めている。憲法を暮らしにいかすためさらに奮闘したい」と決意表明しました。
 最後に、公務労組連絡会の大黒議長が閉会あいさつし、「この1か月間、各地で憲法キャラバンがとりくまれてきたが、各自治体では共通して政府の三位一体改革への怒りの声があがった。こうした状況にも確信を持って、最賃引き上げ、公務員賃金改善へねばり強くがんばろう」と参加者に訴え、厚労省・人事院へのシュプレヒコールで行動を閉じました。

国民の立場にたった公務・公共サービス、年金・医療の拡充を

 その後、公務労組連絡会の参加者は、財務省前、内閣府(経済財政諮問会議)前の要求行動へと移動しました。
 内閣府・経済財政諮問会議前の要求行動では、公務労組連絡会高橋幹事の司会のもと、主催者あいさつにたった福田副議長は、「最大の問題は、税金のとり方と使い方が間違っているところにある。年金の破綻にかこつけて消費税を上げようとしているが、金がないわけではない。大いに怒り、国民本位に政治を変えるため奮闘しよう」とのべました。また、共同の主催者である全労連の生熊副議長(JMIU委員長)からもあいさつをうけました。
 情勢報告で公務労組連絡会・黒田事務局長は、公務員制度改革基本法の審議の行方、公務・公共サービス署名の到達点を報告し、「『骨太の方針』が議論されるなか、経済財政諮問会議に申し入れにとりくんだ。財界主導のやり方を改めさせ、公務員賃金改善、最低賃金の引き上げ、公務・公共サービスの拡充へたたかいぬこう」と呼びかけました。
 闘争報告をうけて、公務・民間の代表が決意表明し、「人員削減による非正規職員の増加がワーキングプアの温床になっている。地方分権改革の名のもと、道州制の議論も始まっており職場は大きな不安をかかえて働いている。国民とともに国民の中へと職場をあげてがんばる」(国公労連全経済・広澤書記長)、「生協・スーパーでは、最低賃金そのもので働いている。経済財政諮問会議は、生活保護以下で労働者を働かせていることを恥じろ。『骨太』というのならば腹も太くして、財界は労働者の賃金をあげろ」(生協労連・桑田委員長)、「旧特殊法人は、独立行政法人化から廃止・民営化へとさらにすすめられている。署名・シンポジウムにとりくみ、経済財政諮問会議へも要請にいってきた」(特殊法人労連・岩井議長)など、怒りや決意、たたかいの報告がつづきました。最後に全教・佐藤さんの音頭でシュプレヒコールをぶつけました。

消費税引き上げを許すな、軍事費削り大企業優遇税制の解消を

 財務省前では、鈴木幹事の司会で民主的行財政をめざした要求行動がとりくまれました。
 主催者あいさつした米浦副議長は、「構造改革によってくらし、福祉、医療、教育が切り捨てられ、今日の格差拡大を招いている。軍事費削り、米軍への思いやり予算、大企業優遇税制の解消を」と訴えました。また、共同の主催者として、国民春闘共闘の老田代表委員(全農協労連委員長)からもあいさつを受けました。
 情勢報告をおこなった蟹沢事務局次長は、最初に「公務員制度改革基本法案」が昨29日、自公民三党によって衆議院を通過したことにふれ「その手続きも内容も認められるものではない」として引き続くとりくみの強化を訴えました。また、「財政審は安定的な財源として消費税導入への布石を打っている。今求められているのは公務・公共サービスの充実であり、政治の民主的転換めざしたともにがんばろう」と呼びかけました。
 決意表明では、「職場の仲間は日本の電波環境維持のために奮闘している。業務が増える一方で予算が減らされ非正規職員が増えている。民間の仲間と一緒に最賃闘争をすすめる」(国公労連全通信・高橋中執)、「今朝も神奈川県内40駅頭で最賃引き上げ、後期高齢者医療制度廃止を訴えた。福祉のために消費税といっているが、もう庶民はだまされない」(神奈川労連・水谷事務局長)、「大阪では橋下行革に市町村もPTAも文化人もみんな怒っている。究極の構造改革・道州制につながる動きは許さない」(大阪府高教・筆保委員長)との力強い訴えがありました。この後、自治労連林中執のリードで財務省へ向けたシュプレヒコールを行い、行動を終わりました。

国民の中にたたかいを広げ、憲法9条・25条を守り、活かす運動を

 要求行動の後、参加者は、日比谷公園野外音楽堂で開催された「なくせ貧困!ストップ改憲!総決起集会」に合流し、集会には、公務・民間合わせて2,000人が参加しました。
 決起集会は、この1か月間、全国各地でとりくまれてきた「憲法キャラバン行動」の集結集会に位置づけられたもので、最賃・公務員賃金引き上げなどの諸要求実現とともに憲法9条・25条を生かす政治の実現を意気高くアピールする集会となりました。
 主催者を代表して、全労連坂内議長は、「たたかいが政治を動かし、要求を実現できる大きな情勢の変化を生み出した。後期高齢者医療制度廃止、抜本的な労働者派遣法改正、そして戦争も貧乏もない社会の実現へ力を合わせよう」とあいさつしました。
 国会から駆けつけた日本共産党の穀田恵二衆議院議員は、「国民の苦しみを感じない福田内閣を許せない。たたかえば政治は変えられる」と偽装派遣や後期高齢者医療制度、税制問題でのたたかいを紹介し、「憲法を生かす大きな流れがおきている。共同の力で政治の転換を」と参加者を激励しました。
 「九条の会」事務局長をつとめる小森陽一東京大学教授は、世論調査で憲法改正反対が15年ぶりに賛成を上回ったこと、「9条世界会議」が大きな成功を収めたことをあげ、「九条の会発足から4年間にわたる草の根の運動が、国民世論を変えてきた。いまこそ、潮目を変えるチャンスだ」と、勇気あふれるあいさつに会場から大きな拍手がおこりました。
 各団体のリレートークでは、6人が演壇に立ち、「網の目キャラバンでは憲法9条と25条を結合して訴え、多くの首長から賛同を得た」(島根県労連)、「北海道の青年は、今年3年目の最賃体験を人間らしい労働と生活をめざす運動としてとりくんでいる」(北海道労連青年協)、「生きることへの最後通告のような後期高齢者医療制度に、年金者は、本当に怒っている。なんとしても廃止させる決意だ」(年金者組合)、「最賃闘争をすすめるために、全労連からの最賃委員任命に向け組織も拡大してがんばる」(生協労連)、「日雇い派遣を街頭で調査した。モノのように扱われバラバラにされている仲間をつなげて大きな力に」(民主青年同盟)、「東京・中野で雇い止めされた非常勤保育士の職場復帰を勝ち取った。全国の臨時・非常勤のたたかいにひろげたい」(東京公務公共一般)と元気な発言が続きました。
 集会では、「世界に誇る平和憲法の輝きを伝えよう」と呼びかけるアピールを採択、最後に、東京地評の堤議長が閉会あいさつをのべ、参加者は、国会請願デモに出発しました。
 デモ終了後、公務労組連絡会の参加者は、国会議員会館内の衆参すべての議員事務所を訪問し、「公務・公共サービス拡充署名」の請願紹介議員となることとともに、廃止法案が提出されている後期高齢者医療制度の廃止を求めて要請しました。
以 上