No.648
2008年2月13日
寒風はねかえし「なくせ貧困!」の声高らかに
= 「2・13総行動」に労働組合・民主団体など3千人が結集 =
 公務労組連絡会は13日、08春闘の本格的なスタートとなる第1次中央行動にとりくみました。この日は、全労連や国民春闘共闘、青年・女性、パート・臨時、民主団体などで構成する実行委員会主催の「なくせ貧困!2・13総行動」に結集しつつ、公務労働者の要求をかかげて、総務省・財務省前での要求行動などを展開しました。
 全国から集まった3千人(公務労組連絡会として1,200人)の仲間は、おりからの寒風に見舞われながらも、「なくせ貧困!」の声を官庁街や銀座の目抜き通りに響かせ、要求の実現へ奮闘しました。

思い思いのパフォーマンスで「貧困撲滅」をアピール

 東京は抜けるような青空がひろがったものの、日中でもわずか5度という寒さに加え、冷たい北風が容赦なく吹き抜けるもと、12時から開かれた日比谷野外音楽堂での決起集会で中央行動がスタートしました。
 主催者を代表してあいさつした坂内全労連議長は、「年収200万円以下の労働者が1千万人を超えるなか、憲法25条の生存権にもとづいて貧困を撲滅する運動が求められている。雇用確保や定率減税を復活させるための財源は十分にある。今日を出発点にすべての団体が総決起しよう」と呼びかけました。
 日本共産党国会議員団、反貧困ネットワークとともに、この日、並行して中央行動にとりくんでいる「建設首都圏共闘」の代表が激励に駆けつけました。日本共産党の井上哲士参議院議員は、「派遣労働は、違法・無法の巣窟だ。年収200万円の生活を誰が望むのか。格差と貧困のひろがりは、自然現象ではなく、自公政権による悪政の結果であり、政治を抜本的に切り替えるため全力をあげる」と連帯のあいさつをおくりました。
 その後、7団体からのパフォーマンスをまじえた決意表明がつづきました。3人の「セイネンジャー」をしたがえて登壇した全労連青年部・矢澤千葉労連書記次長は、「3超(超低賃金、超長時間、超過密)労働を強いられている正規・非正規の青年を組織していきたい」と決意をのべ、公務労組連絡会の渡辺・木原両幹事も活躍した全労連女性部の「テレフォンショッピング」のパフォーマンスでは、「日本をもっと良くするグッズ」として、「悪政掃除ブラシ」や「戦争ホウキ(放棄)」を売り込むと、満員の会場から拍手が起こりました。
 その他、パート・臨時労組連絡会、生存権裁判原告団、農民連、全商連、日本民医連の代表が次々と登壇し、それぞれが思い思いの形でたたかう決意をのべました。
 集会は、貧困撲滅のための「7大要求」の実現などを求めた「アピール」を参加者全員で採択しました。最後に、新日本婦人の会の高田会長が、沖縄で起きた米兵による少女暴行事件に強く抗議しつつ閉会あいさつをのべ、「連帯と共同で政治を変える手応えを確信できる集会となった。今日一日の行動を最後まで力を合わせて成功させよう」と訴え、会場を色とりどりの旗で埋め尽くした参加者は、次の行動場所へと移動していきました。

官製ワーキングプアをつくるな、公務・公共サービス拡充を

 総決起集会の後、「霞が関総行動」として各省要求行動に移りました。このうち公務労組連絡会は、総務省と財務省の要求行動を中心に参加しました。
 総務省前要求行動には、「官製ワーキングプアをなくせ」「公務・公共サービス拡充」などを要求し、全労連のパート・臨時労組連絡会の仲間も参加しました。
 主催者あいさつした大黒議長は、「国民生活は困難に直面している。消費不況に陥らないためにも官民が協力して非正規労働者の均等待遇、正規雇用拡大を実現し、同時に、国民生活を守る公務・公共サービスの拡充と労働基本権回復のたたかいを強めよう」とのべ、パート・臨時労組連絡会の橋本副代表は、「パートや臨時職員がワーキングプアへと追い込まれている。正規並みに仕事をしている非正規労働者の不満は、仕事に見合わない賃金と雇用の不安だ。最賃引き上げ、食べていける賃金をかちとろう」と呼びかけました。
 公務労組連絡会賃金・労働条件専門委員会の浅野委員長が情勢報告し、3月に予定している「官製ワーキングプア告発集会」を紹介しつつ、「最賃引き上げは公務職場の賃金改善にもつながった。家計をあたためる賃上げが必要だ。初任給の引き上げや、非常勤職員の処遇改善を前面に、賃上げの流れを確かなものへと08春闘をたたかう」と述べました。
 各団体を代表して5名が決意表明し、「自動車登録の職場でも民間開放の動きで人員削減がすすんでいる。個人情報を扱う仕事であり、安易に民間に委託させることはできない」(国公労連全運輸・真面(まつら)書記次長)、「自治体の臨時・非常勤職員は、いつクビがとぶかもわからない状態にある。自治体の仲間の力を集めてがんばりたい」(自治労連関連協・大場議長)、「低所得層への情報格差の拡大をすすめる地上デジタル放送への完全移行を強行するなと総務省に要請した。放送の職場にもあるワーキングプアや、言論表現の自由を守るとりくみを強める」(民放労連・碓氷委員長)、「昨年の最賃引き上げが自治体での底上げにつながった。一方で公契約の職場では解雇が多発している。官民共同で賃金底上げ、公契約運動の前進をすすめよう」(全労連全国一般・林書記次長)、「国は、公立保育園などの民間委託をすすめているが、それを受ける民間の福祉労働者に生活できない賃金・労働条件が押し付けられている。国・自治体が現場を応援する施策すすめるよう強く求める」(福祉保育労・大西中執)など、力強い決意がつづきました。

社会保障費削減・増税を許さず、国民本位の行財政確立を!

 財務省前の要求行動では、公務労組連絡会の高橋幹事の司会進行のもと、主催者あいさつにたった福田副議長は、「GDPが世界第2位の日本で、なぜ明日の暮らしがたちゆかない人たちがいるのか。税の取り方と使い方が間違っているからだ。誰もが夢をもって暮らせるよう力をあわせ、世直し春闘に決起しよう」と呼びかけました。
 情勢報告で黒田事務局長は、国会で審議中の道路特定財源や来年度予算案とともに、消費税増税をめぐって報告し、「公務・公共サービスの拡充に向けて、とりくみ中の『100万人署名』の多くの集約にむけて、08春闘で全力をあげよう」と訴えました。
 決意表明では、「裁判員制度が来年から始まるもと、一方では、定員削減がねらわれているが、裁判所の増員にむけて、12年連続の採択めざして請願署名をすすめる」(国公労連・全司法・田邊書記次長)、「給食費が払えない、修学旅行に行けない子どもなど、格差と貧困が学ぶ権利を奪っている。父母・地域住民と共同して人間らしく働き続けられる社会をつくっていこう」(全教・中村中執)、「独立行政法人の整理合理化計画で、国民の財産、教育の権利が奪われようとしている。博士課程を出ても任期付任用となる『高学歴ワーキングプア』が生まれている。財務省は、予算の使い道をあらためよ」(特殊法人労連・岩井議長)など公務単産の発言とともに、金融労連の貝之瀬中執が、「金融職場は、3分の1がパート派遣に置き換えられている。年収200万円以下で正社員と同じ仕事をしている。矛盾だらけの利益至上主義を打開しよう」と決意を語りました。
 最後に自治労連林中執のリードで、財務省にむけてシュプレヒコールを響かせました。

切実な要求をかかげて銀座パレード、日本経団連包囲行動

 霞が関総行動では、総務省・財務省前にくわえ、農民連などが中心となった農水省前、パート・臨時労組連絡会や年金者組合などによる厚生労働省前の行動が並行してとりくまれました。5つの場所での行動を終えた仲間は、ふたたび日比谷公園に集合し、銀座に向けてパレードに出発しました。
 銀座パレードの終了後、行動参加者は、大手町の日本経団連会館前に移動し、「大企業の責任追及・日本経団連包囲行動」にとりくみました。包囲行動では、青年・女性、パート・臨時、建交労、新婦人から、「ワーキングプアをつくりだしているのはあなたたちだ!」などと日本経団連にむけて要求をぶつけました。
以 上