No.631
2007年9月26日
公務員賃金の改善、働くルールの確立を
= 「テロ特措法」延長阻止!秋季年末闘争第1次中央行動を展開 =
 前日に福田新内閣が発足するもと、公務労組連絡会は26日、全労連・国民春闘共闘と共同して、秋季年末闘争の第1次中央行動にとりくみました。
 中央行動では、公務員賃金改善とともに、「テロ特措法」など臨時国会に提出されている悪法阻止にむけて、総務省への要求行動、国会請願デモ、議員要請などを展開。決起集会では、秋から来春闘にむけて、意気高く奮闘する決意を固め合いました。全国から700人が参加し、奮闘しました。

  人勧の早期実施を!地方での「マイナス勧告」を許すな

 好天に恵まれ、ときおりさわやかな秋風が吹くなか、中央行動は、昼休み時間帯の総務省前・行革推進事務局前の要求行動で始まりました。
 総務省への要求行動で、主催あいさつした米浦副議長は、「いまこそ民意をふまえた政治の転換を強く要求する。『構造改革』は、国民の生存権をズタズタにしてきた。また、憲法改悪反対の多数派をつくるためには公務労働者こそ先頭に立ってたたかおう」とのべ、全労連の提起する「500万署名」などへの運動結集を呼びかけました。
 民間労組を代表して全農協労連の老田委員長は、「人事院勧告が、8年ぶりの改善となったことを喜んでいる。勧告の影響は民間にもおよぶことから、官民が一体でたたかうべき。みなさんと奮闘したい」と、決意を込めて連帯あいさつしました。
 熊谷事務局次長が、人事院勧告を取り巻く情勢や、政令市を中心とした各地での人事委員会勧告の状況などにふれ、主に公務員賃金にかかわって情勢報告しました。
 その後、3名の代表の決意表明では、「福岡市、北九州市の人事委員会への要請にとりくみ、両政令市ともに、8年ぶりの引き上げ勧告を勝ち取った。すべての組合で要求が前進するよう全力でたたかう」(福岡自治労連・懸谷(かけたに)書記長)、「新潟の震災では、国民の生命や財産を守るため奮闘した。公務サービスの拡充が必要。まじめに働いている人がむくわれる社会を実現させるため、最賃改善、賃金底上げに奮闘したい」(国公労連全建労・山本書記次長)、「10年以上にわたって県当局が賃下げを強行してきた。財政難は、大型公共事業優先の国の政策を忠実に実行し、ムダ遣いした結果だ。教職員には長時間労働が押し付けられ、命まで削られている。島根からがんばりたい」(島根県教組・舟木書記長)など、秋の諸課題をまじえて、たたかう決意が示されました。
 最後に、自治労連の池田中執のリードで総務省にシュプレヒコールを繰り返しました。

独立行政法人の整理・合理化計画は許さない!

 行革推進本部事務局前の要求行動では、主催者あいさつした福田副議長は、「福田内閣が政権を引き継いだが、参議院選挙での民意に応えず、2週間も国会を空転させた反省もなく、『希望と安心の国づくり』のスローガンもうつろに響くだけ。『構造改革』にストップをかけるため、この秋は大いに奮闘しあおう」と呼びかけました。
 民間労組からの連帯あいさつでは、建交労・藤好副委員長が、最低賃金で働く大阪の清掃労働者を紹介しつつ、「不安定雇用労働者を生み出し、雇用が破壊されるもと、公務・民間の劣悪な労働条件改善へともにたたかおう」とのべました。
 情勢報告で盛永幹事は、行革推進事務局の専門調査会での論議状況にふれ、労働基本権回復をめぐる現局面を報告しました。さらに、独立行政法人の整理・合理化の問題では、「一方的に廃止を迫る乱暴なやり方は認められず、行革事務局は真摯な態度で現場の声を聞くべきだ」と強調しました。
 3単産からの決意表明では、「特殊法人として国民生活に従事してきたにもかかわらず、官から民への流れは国民生活破壊・財界言いなりそのものだ。暴挙を許さず、団結を強め年末まで最大限たたかっていく」(特殊法人労連・竹内事務局長)、「市場化テストの導入などで、臨時職員は最低賃金で働かされている。今こそ住民のいのち・くらし中心の政治に改めるべきだ。国民の大きな世論に支えられながら奮闘する」(自治労連・木村中執)、「独立行政法人の見直し案で廃止・民営化されると、30分・1時間間単位で新たな利用者負担が求められる。これ以上の国民いじめは許さない」(国公労連全経済・鈴木情報研究館労組委員長)など、公務サービスの営利企業化・商品化を許さない決意がのべられました。
 行動の最後に、国公労連の酒井中執がリードして、行革事務局のある虎ノ門界隈にシュプレヒコールを響かせました。

いまこそ解散・総選挙で国民の信を問え
〜 自公政治転換への確信を深めた総決起集会 〜

 2か所での要求行動を終えた参加者は、国会近くの社会文化会館ホールに集合し、全労連、国民春闘、公務労組連絡会の共催で「秋年闘争勝利!9・26総決起集会」を開きました。
 主催者あいさつに立った坂内全労連議長は、新内閣発足の翌日という絶好のタイミングとなった行動の意義にふれ、「福田内閣は、格差と貧困、地域格差、憲法問題などで反省がなく、『構造改革』路線、改憲路線からの転換を表明できない。参議院で与党多数の状況をいかして攻勢的にたたかい、国民要求を実現しよう」と訴えました。
 日本共産党の吉井英勝衆議院議員が国会から駆けつけ、「国民との矛盾は、首相の看板を変えても解決できない。世論が自公政権を追いつめたことに確信を持って、政治の力関係を変えていく運動をすすめよう。共産党もみなさんとともに奮闘する」と激励しました。
 また、労働法制中央連絡会を代表して婦団連の伍副会長は、「ワーキングプア、ネットカフェ難民など、国民の批判の声が高まっている。ホワイトカラーエグゼンプションも油断はできない。連帯を大きく広げて立ち向かっていこう」と決意を込めてあいさつしました。
 情勢報告・行動提起をおこなった公務労組連絡会の黒田事務局長は、「本集会の総意として速やかな解散、総選挙を求める」と訴え、公務員賃金改善、最賃法改正、働くルールの確立、当面する「テロ特措法」延長阻止など秋年闘争での奮闘を呼びかけました。

地域・職場での共同のたたかいへ力強い決意表明

 4名が決意を表明、「政府がセーフティネットを整備することなく『構造改革』をすすめた結果、格差と貧困が拡大した。国民はこれにノーの審判を下した。みずから切り開いた政治情勢をいかし、市場化テストなどの攻撃阻止へ全力でたたかう」(国公労連・浅野書記次長)、「政令都市での給与勧告は、総人件費削減への意図的な勧告だ。闘争ゾーンなども配置して非正規労働者の賃金改善へたたかう。憲法署名を一人10筆を目標にとりくみたい」(自治労連・野村書記長)、「民営化が5日後にスタートするが、手数料はアップし、職員の非正規化がすすむ。民営化の点検・摘発運動を組織しながら、全労働者を視野に入れた職場からの運動をすすめていきたい」(郵産労東京地本・瀬崎執行委員)、「無権利の労働者が増えている。大阪では地域労連の民間労組の交渉に、自治体・教員の仲間が参加して処分撤回を勝ち取り、民間と公務の共同の力を確信した。職場でしっかりたたかい、地域に打って出よう」(全労連全国一般・山田副委員長)など、秋のたたかいの前進に向けた力強い決意が示されました。
 最後に、公務労組連絡会の大黒議長が、「要求を実現させる絶好の機会がやってきた。最賃改善、賃金底上げ、公契約運動の前進で、08春闘へと流れをつないでいこう」と閉会あいさつし、参加者全員の団結がんばろう三唱で総起集会を終えました。
 集会終了後、参加者は国会請願デモに出発し、国会前では、「解散・総選挙で国民の信を問え!」と自公政治の転換、国民の暮らしといのちを守る社会の実現をめざして、シュプレヒコールで訴えました。
 また、国会請願デモ解散後は、労働法制中央連絡会の主催で労働法制の抜本改正で、ワーキング・プア、差別的処遇、不安定雇用、長時間過密労働問題の解消をめざし全国会議要請行動にとりくみました。議員からは、「みなさんと同じような法案を考えている」(民主党)、「承知しました。がんばってください」(共産党)などの対応がありました。
以 上