No.584
2006年8月3日
「賃下げ勧告」阻止へ400人が座り込む
= 7時間におよぶロングラン行動で人事院への怒りを示す =
 人事院が官民比較方法の見直しによって賃下げ勧告をねらうもと、公務労組連絡会は2日、人事院前の座り込み行動にとりくみました。
 正午過ぎからはじまった座り込み行動は、夜7時までつづけられ、東京・首都圏はもとより全国から集まった400人の仲間たちは、納得も合意もないまま官民比較方法の見直しを強行しようとしている人事院に対する怒りを示しました。

見直しするなら人事院は説明責任を果たせ!

 座り込みのスタートとして、12時すぎからはじまった人事院前要求行動で主催者あいさつした堀口副議長は、昨日の国公労連との交渉で、今年の勧告がマイナスとなる見通しが明らかにされたことにふれ、「人事院は、何ら納得できる説明もしないまま、比較方法の見直しを決めた。労使の当然のルールを無視したやり方は断じて認められない。今日の座り込みで大いに奮闘し、不当な攻撃をはねかえそう」と呼びかけました。
 激励にかけつけた全労連の生熊副議長・JMIU委員長は、「マイナス人勧は、日本の景気を冷え込まし、民間企業の賃金や経営にも悪影響をあたえる。絶対に許せない。政府は、公務員の賃金を減らしながら、一方では、大企業減税や大型公共事業でムダ遣いしている。今日の行動が、国民に役立つ行政にしていくためのステップになるよう、大いに奮闘していただきたい」と、連帯のあいさつをおくりました。
 若井事務局長の闘争報告では、勧告をめぐる最新の情勢が報告され、「構造改革」路線の「小さな政府」を背景にして、公務員賃金引き下げがねらわれているなかで、「人事院は政府の言いなりになるな、人事院の誇りを示せ」というのが仲間たちの率直な気持ちだとのべ、「人事院勧告はゴールではない。公務員総人件費削減を許さず、夏から秋にむけたたたかいに全力をあげよう」と訴えました。
 3名の単産代表の決意表明では、「青年層の賃金は据え置きにされ、比較方法見直しでさらに賃下げとなる。これでは、仕事に対する情熱は沸いてこない。青年が希望を持って働く職場にするため、がんばりたい」(国公労連全労働・松原中執)、「突然の税金引き上げで、窓口には苦情を訴える住民が殺到している。職場では、そうした声に誠実にこたえようとがんばっている。その奮闘に応えようとしないマイナス勧告は許せない」(千葉自治労連・細田書記長)、「人事院近畿事務局と交渉したが、比較方法見直しでは、まったく具体的な回答が示されなかった。納得できない。近畿の仲間は怒っている」(兵庫高教組・永井書記長)など怒りの発言がつづきました。
 特殊法人労連の岡村幹事による力強いシュプレヒコールにあわせて、参加者全員が人事院に怒りのこぶしをふりあげ、賃下げ勧告を断じて許さない決意を示しました。

民間組合からもたくさんの仲間が駆けつける

 13時からは折りたたみ椅子をならべて、人事院前に整然と座り込みを開始しました。19時までつづいた座り込み行動では、参加者のリレートーク、各地から届いた連帯のメッセージ紹介、さらに、「路上フォーラム」や「青空ミニ学習会」などもおこなわれました。
 また、浴衣姿で登場した都教組青年部の仲間たちは、「ラップ調シュプレヒコール」を披露し、参加者からさかんな拍手をあびていました。
 座り込みには、富山、和歌山、京都、福岡、九州ブロックの各地方公務産別の代表も参加したほか、各単産の地方組織の仲間も最後まで座り込みました。
 さらに、国民春闘共闘の呼びかけで民間組合も多数駆けつけました。人事院前には、JMIU、建交労、化学一般、映演労連、建設関連労連、全労連全国一般、全損保、年金者組合、銀行労連、自交総連、通信労組、全農協労連、地方労連では、東京地評、埼労連などの組合旗がずらりとならびました。
 座り込み行動は、18時30分すぎからの「集結行動」で、公務・民間の共同によって1日の行動が大きく成功したことを確認し、最後に、全教の新堰副委員長・公務労組連絡会事務局次長の閉会あいさつと団結ガンバロウで行動を締めくくりました。

「賃金改善署名」2万7千筆を提出

 座り込み行動と並行して、「賃金改善署名」の人事院への提出・要請行動にとりくみました。この日集約された署名は2万7千筆分で、自治労連・全教・国公労連の代表の手によって人事院に提出されました。
 なお、8月2日までに提出した署名は、総合計で211,174筆となっています。
以 上