No.578
2006年7月20日
各地で「最賃・人勧」一体のたたかいを展開
= 地域の公務・民間組合が共同して運動を前進させる =
 最低賃金の「目安額」答申が7月26日にせまり、8月の人事院勧告まで1か月を切るもと、「賃下げの悪循環」を許さない地域のたたかいが全国各地でひろがっています。
 長野では、100人以上の参加で「賃金学習交流集会」を成功させ、また、大阪では、近畿公務共闘などによる「官民共同総行動」で、すべての労働者の賃金改善を市民のみなさんに大いにアピールしました。

近畿の団結パワーで雨雲も吹き飛ばす
〜「官民比較方法見直し」やめろ!大阪総行動に750人〜

 近畿公務共闘は19日、大阪労連・大阪春闘共闘などとともに「7・19人事院近畿事務局包囲・官民共同総行動」にとりくみました。
 06年夏季闘争の最大の行動には、750名の官民労働者が結集しました。行動には、中央から熊谷全労連議長も駆けつけ、参加者を激励しました。
 人事院勧告がせまり、最賃の目安額の審議がすすむもとで、「共同総行動」では、賃下げ目的の官民比較方法の見直しを許さないこと、最低賃金の1,000円以上への引き上げなどを中心要求として掲げ、働く人たち誰もが人間らしく暮らしていけることをめざして、人事院近畿地方事務局前行動、御堂筋デモなどを展開しました。
 13時30分から中之島公園で開いた「意思統一集会」では、近畿公務共闘の山村議長(京都自治労連)が主催者あいさつし、向井事務局長(大阪国公)の行動提起を全員で確認し、デモに出発しました。
 関西最大の目抜き通りの一つである御堂筋を行進したパレード隊は、チンドン屋さんを先頭に、大阪国公の専従書記のみなさんによる「ギャルみこし」、参加者の思いを込めた「要求ウチワ」やプラカードで、大阪市民のみなさんに大いにアピールしました。また、空からは、セスナ機による空中宣伝もくりひろげました。
 その後、参加者は、デモの集結地点の西梅田公園から人事院近畿事務局前へ移動し、14時30分からは人事院への要請行動にとりくみました。要請行動では、大阪労連服部副議長が主催者あいさつし、全労連熊谷議長が激励あいさつしました。
 参加者の発言では、「もう限界だ。これ以上賃金下げるな!」「人事院は、プライドと自信を持って労働者のために勧告せよ!」「安心して仕事ができる賃金を!」「賃下げ目的の見直し反対」「賃金を下げることが、信頼回復につながるとは思えない」などの怒りの声がぶつけられ、なかには、「誰のための人事院か。最近減ったもの、賃金・職員数・やる気。最近増えたもの、仕事・税金・体重」「これ以上、要員・賃金減らされたら、仕事も生活もどうにもならん」など組合員の切実な叫びも聞かれました。
 また、人事院前には、1万人の思いがつまった国公近ブロの「近畿1万人のタペストリー」が飾られ、地元の福島民商からは「カチ割り氷」の差し入れも届き、参加者を激励しました。
 2時間30分にわたるロングランの行動のなかでは、漫談「構造改革たたきうり」を披露した“極楽亭ぺんぎん”さん、兵庫県国公からはおなじみの「護憲ライダー」も登場し、ライダーたちは、「成果主義賃金」と書かれた紙がつめられた氷柱をたたき割り、喝采をあびました。
 地元の「酒房くりや」北川敏子さんは、「みなさんの賃金が上がれば、私たち地域も潤います。本日、お帰りの際にはぜひお立ち寄り下さい」と熱い「連帯」の言葉をおくるなど、怒りのなかにも笑いやユーモアにあふれた近畿らしい行動となり、うっとおしい梅雨の雨雲も吹き飛びました。
 これらの行動と並行して、近畿公務共闘、国公近畿ブロックが人事院と交渉しました。

長野からはバス1台で「7・25中央行動」に参加
〜県公務労組連絡会が「賃金学習交流集会」を開催〜

 長野県公務労組連絡会は14日、長野県労連、長野地区労連などと共催して、「7・14賃金学習交流集会」を長野市内で開催しました。民間組合をふくめ、100名を超える仲間が参加しました。
 集会では、ヤマ場をむかえつつある人勧・最低賃金のたたかいをめぐって、情勢や要求課題、運動の展望について理解を深めるため、公務労組連絡会の黒田事務局次長を講師に招いて、「『最賃・人勧』を一体にしたたたかいの局面と重点課題」と題した講演をうけました。
 黒田事務局次長は、公務・民間の共同したたたかいが、これまで「マイナス勧告」を阻止し、最賃闘争でも、昨年はすべての都道府県で最低賃金の引き上げを勝ち取ったことなどを示しながら、とりくみ中の「賃金改善署名」の目標達成、「7・25中央行動」への積極的な参加を訴えました。
 これをうけて、長野県教組、高教組、障教組、医療生協労組、県国公などから発言があり、各職場ですすむ賃金抑制や定員削減の実態が報告されました。
 この日の集会の成功もうけて、長野公務労組連絡会では、長野からバス1台を借り切って、みんなで「7・25中央行動」に参加しようと計画をすすめています。
以 上