No.574 2006年7月6日 |
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使用者として賃下げに反対せよ | |
= 「夏季重点要求」の実現を求めて総務省と交渉 = | |
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「職員の不安にどう応えるのかが政府の責任だ」と追及総務省との交渉は、公務労組連絡会から若井事務局長、黒田事務局次長、熊谷・植西・山アの各幹事が出席、総務省は人事・恩給局総務課の相米課長補佐ほかが対応しました。はじめに、若井事務局長は、「6月8日に夏季重点要求を提出してきた。その後はじめての交渉であり、現時点での検討状況を示していただきたい」と回答を求めました。 相米課長補佐は、「いただいた要求書は、みなさんからの切実な要求であると受けとめている。人事院の勧告作業がすすめられているもとで、中間的な回答として考え方を示したい」とし、以下のように回答しました。 ● 賃金については、使用者である総務省として、職員のみなさんが安んじて職務に精励できるための勤務環境の整備に努めたい。ただし、公務員の給与改定にあたっては、国民の理解も必要である。人事院勧告が出れば、労働基本権制約の代償措置として根幹をなす人事院勧告制度を尊重することが政府の基本姿勢であり、国政全般との関係を考慮したうえ、適切に対処する。 ● 労働時間短縮の要求にかかわって、総務省としては、従来から超過勤務縮減や年休取得促進などにつとめてきたところであり、今後とも、コスト意識を持った勤務時間管理を促進していく。また、各省庁の担当者による連絡会の場を活用し、徹底をはかりたい。 ● 仕事と家庭の両立支援の課題は重要であり、現在、今年の勧告にむけて短時間勤務制度が検討されており、人事院とも連絡を密にしていきたい。 ● 非常勤職員の労働条件改善では、公務の職場には多種多様な雇用・勤務形態があり、一律で管理することには困難もある。各省では、給与法に沿った適切な措置がなされているものと理解している。 これに対して、若井事務局長は、「06春闘での民間の賃上げ状況は、昨年と同様に厳しく、それに加えて『100人未満』の調査結果を反映させれば、官民較差はさらに引き下がる。『小さな政府』のもとで、職場には雇用不安も渦巻いており、安んじて職務に精励できるようにすると言うのなら、使用者の立場で、『100人未満』を反映させるなと人事院に申し入れるべきだ」と求めました。 相米課長補佐は、「中立機関である人事院に対して、勧告を前にして総務省が申し入れるのは適当ではない。勧告が出れば、政府として、その取り扱いについて検討したい」と従来どおりの姿勢を変えませんでした。 次回の交渉にむけて誠意ある検討を求める若井事務局長は、「政府がものを言えないというが、現在の『100人以上』という基準は、かつて政府と労働組合のトップ会談で決められたものだ。人事院が、その基準を見直そうとしているときに、使用者の立場から政府がものを言うのは当然だ」とせまりました。交渉参加者からも、「給与構造の見直しで水準が引き下げられたばかりなのに、またも今年も引き下げられるのではないかと、職場に不安がひろがっている。そうした実態を総務省として認識すべきだ。ここで政府が何もしなくて使用者としての責任が果たせるのか」「教員は、平均で月80時間もの残業をしているとの調査結果も出ている。働きがいのある賃金が必要だ。職場は、怒りと不安でいっぱいだ」など、使用者責任を追及する厳しい声が出されました。 その他、短時間勤務制度にかかわって、「国が地方に対して手本を示すべきであり、誰にでも使いやすい制度にしてもらいたい」と要望がのべられ、また、非常勤職員の労働条件改善については、「定員削減のなかで、非常勤職員は基幹業務をになっている。人減らしの犠牲になっており、労働条件改善をもっと真剣に考えるべきだ。従来通りの対応でいいのか」とせまりましたが、相米課長補佐は、「非常勤職員が常勤的な仕事をしていることは認識している。しかし、各省庁の予算の範囲内でおさめなければならず、難しい問題だ」とのべるにとどまりました。 若井事務局長は、「言葉ではいろいろ言うが、今日の回答では、それを具体的に裏付けるものがない。国家公務員試験の応募者が激減しているのは、公務員への魅力がなくなってきていることを示している。賃金改善は、人材確保の面からも重要だ。公務員の質は、国民の幸福とも結びついている。総務省は、真剣に検討せよ。また、超過勤務縮減も対策はとっていても、実態はまったく改善していない。実効性のある対策を示すべき」と求め、「次回の交渉では、さらに具体的な回答ができるように誠意ある検討を要請する」とのべて、交渉を締めくくりました。 |
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以 上 |